災害担当の業務内容
こんにちは、馬車馬ぱぱ(@bashaumapapa)です。
今回は、現在の仕事の具体内容についてお届けします。
皆さんの何かの気づきになると幸いです。
私は現在、某メガベンチャーで会社の防災担当として仕事をしています。
防災担当とかBCP(BCM)担当などと呼ばれることが一般的です。
『うわー、つまらなそー』
と思ったそこのあなた、もう少しだけ待ってください^_^
防災の仕事というと『おじさん』が窓際でやっていそうなあの手の仕事だと思われてますよね?
めっちゃ分かります。私もそう思ってます。
あまり聞き慣れない仕事内容なのかなと思いますが、みなさんの仕事にも裏方から関わっている仕事であることは間違い無いです。
また、実は奥深く、企業運営において大事な業務であることを知ってもらいたいと思っています。
ビジネスに関わる方において、知っおいて損はないと思いますので、引き続きご覧いただけると嬉しいです。
それでは早速、具体的な説明に入っていきます。
1 3つのフェーズ
まず、防災の仕事は以下の3つのフェーズに分けて考えるべきと思っています。
①平時
②有事(初動の防災フェーズ)
③有事(事業の復旧・継続フェーズ)
おいおい当たり前のこと言わないでくれよ、
と言われそうですが、ここの切り分けが実はとても大事になってくるのです。
図にするとこんな感じです↓
当然ですが、有事が発生するまでは、
平和な日常であるわけです。
そこから、急転直下で災害などが発生し、
有事フェーズに突入していきます。
有事の中でもさらに2つのフェーズに分かれてきます。
こちらについては後ほど説明していきますね。
それでは、それぞれのフェーズで行うべき事項について見ていきます。
2 それぞれで行うこと
①平時
このフェーズはいわゆる何事もない日常の状態です。
この時にやることは簡単に言うと
『いつ有事になっても良いように備えを進めておく』
です。
少し具体的に整理しますと、
・帰宅困難社員用の備蓄品を整理
・オフィスの耐震状況を整備
・有事の際に安否確認が行えるようにするためのツール整備
・有事の際に素早く意思決定を行なうための、想定被害に応じた会社方針の原案整理
・従業員向けの防災啓発
これらが行なうべきこととなります。
いざ、有事フェーズに突入してからだとこれらを全て用意することは間に合いません。
その為、平時にどれだけ準備を進めておけるかが災害担当の仕事となります。
②有事(初動の防災フェーズ)
このフェーズは発災直後〜約2時間くらいの時間軸をイメージしてみてください。
この時の世間の状況はどのようになっているでしょうか?
いわゆる『パニック状態』です。
何が起きたかは分かれど、
どれくらいの範囲で、
どれくらいの被害が起きて、
今後どうなるのか?
がまだ誰も確信が持てない状況がこのフェーズです。
初期の段階の情報で溢れますが、
その中には残念ながら誤った情報や正しくない情報も溢れ、
さらに混乱を極める状態となります。
このフェーズにおいて行なうべきことは以下の3つです。
・従業員の安否確認
・社内拠点の被害情報の収集
・社外(社会)の情報収集
自社社員の安否状況を素早く把握し、
社内拠点の被災状況を確認、
世間の状況も確認した上で次のフェーズに移っていくことになります。
③有事(事業の復旧・継続フェーズ)
こちらのフェーズでは②で収集した情報をもとに、今後の事業運営をどうしていくかの判断を進めていきます。
具体的には
・社員の当日(翌日)の勤務をどうするのか
・事業活動をどうするのか
・ステークホルダーへの対応をどうするのか
などです。
最近では『withコロナ、afterコロナ』と呼ばれ、今後どのような企業活動を行なっていくかが議論されていますね。
経済を優先するか、感染拡大防止を優先するか。
まさしくこのフェーズは正にその議論を行なっていくのです。
どのタイミングから事業を復旧させるか、
継続できるものを継続させていくか。
例えば、被害を被ったエリアにおいての新規営業は自粛するが、既顧客へはお見舞いも含め接点は取り続けるなど、繊細な判断が求められます。
コロナの場合には、比較的各企業が検討するのに猶予はある状態でしたが、
災害など突発的に発生する事象に対してはそうはいきません。
これらに対して一瞬の判断を求められる状況に陥るのです。
(コロナにおいてもなかなか意思決定がされない会社もあったかとは思いますが、それはまた別の文脈ということでここでは割愛します^^;)
以上がそれぞれのフェーズで行うべきことについてお伝えさせていただきました。
最後に、ニッチなこの仕事への私の思いを記載させていただきます。
3 この仕事への想い
この仕事の面白さは
『普段は優先順位が底辺なのに、ある瞬間突然最優先テーマになる』
ことだと思っています。
会社の従業員からすると、普段の営業などでとても忙しいのに、そんな中で会社としての防災を考えましょうという話はなかなか通じません。
それを踏まえた上で、有事の際にいかに会社のリソースであるヒト・モノ・カネを守って素早く事業活動を立て直していくか。
ここを仕立てていくことがこの仕事の醍醐味であると思っています。
領域はニッチなれど、影響範囲は全社にまたがり、社会から見た場合の自社の立ち位置までを客観的に把握する視点が必要とされます。
『困った時にどう立ち振る舞えるかで、真の姿や力が発揮される』
これは人でも会社でも政府でも同じことが言えるかと思います。
その点において、防災の仕事は決して窓際の仕事ではなく、事業運営において重要な意味をなす仕事内容だと思っているのです。
また、冒頭でも記載しましたが、
この仕事の領域はどうしても『おじさん』がやっているイメージの強い分野になります。
セミナーなどに行ってみてもだいたいそのイメージは実態を現しています。
こういった仕事の内容を主体的に捉え、
経営の重要テーマだと捉える若手ビジネスパーソンが増えてくるのも私は期待しています。
共に考えていけるような同志が現れることも密かに期待しつつ、このような情報発信を続けていきたいと思っています。
拙い文章ですがここまでお付き合い頂きありがとうございました!
また今後、他のテーマやもっと細分化した仕事の話や、他にも思ったことなどを投稿していきます。
以上、馬車馬ぱぱでした!
もし気になったこと、ご質問、または同志の方がいればコメントください^_^
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