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【ヤクルト】左とショートと原高梨【2024年への提言】

 どの球団のファンでもない筆者が、なるべくフラットな目線で、来季への展望を好き勝手提言する恒例企画。今回は東京ヤクルトスワローズ編。

2023年の振り返り

 連覇から一転して最下位間近に。塩見の離脱・村上山田の不振など誤算があったとはいえ、彼らに代わる選択肢を用意できなかったところに課題がある。
 投手陣はマクガフの穴を田口が埋めたが、逆に田口の穴を誰も埋められなかった。二軍も投壊状態でめぼしい成績を残した投手がおらず、こちらも若手の突き上げに乏しかった。

提言①:左打ちの外国人を獲ろう

 野手のコアメンバー(塩見泰隆・山田哲人・村上宗隆・オスナ・サンタナ)について、村上以外はいずれも右打者であり、ややバランスが悪い。両外国人の尻に火を付ける意味でも、一塁と外野両翼を守れる左打ちの外国人を招聘したいところだ。
 候補になるのはベン・ギャメルだろうか。17~22年は(コロナ禍の20年を除き)毎年100試合以上出場し、安定してOPS.7付近を記録していたが、今季はわずか6試合の出場に留まった。とはいえAAAでは77試合でOPS.900と錆び付いたわけではなく、来季32歳で推定年俸150万ドル前後という条件を考えても、日本に来るにはちょうどいい頃合いだと思う。

(中) 塩見泰隆
(右)△ギャメル
(二) 山田哲人
(三)△村上宗隆
(左) サンタナ or 青木宣親
(一)△川端慎吾 or オスナ
(捕) 中村悠平
(遊) ????
(投) ーーーー

 如何だろう、こんな感じなら左右のバランスはだいぶ良くなるはずだ。さすがに外国人野手3人は同時登録できないかも知れないが、競争意識が生まれるのは悪いことではない。調子や相性を見つつ、ベテラン2人や宮本丈と併用すれば、かなり分厚い打線になるだろう。

 ちなみにサンタナのポジションだが、昨年も書いた通りレフトにしてはどうかと思う。肩は強いが範囲は狭く、晩年のバレンティンと同じコースを歩んでいるので、せめてレフトの方が守備のマイナスが少ないはずだ。なので西川遥輝よりは、ライトを守れる選手を獲得した方がバランスが良いと思う。

提言②:ショートを緊急補強しよう

 今オフ一番のバッドニュースは長岡秀樹と澤井廉の衝突事故だろう。詳細は明らかになっていないが、かつての吉村禎昭氏のように、選手生命を左右するような事故になっていてもおかしくはない。

 特に長岡については、もし早期に復帰できたとしても、自慢の守備に何らかの綻びが生じていてもおかしくはない。また能力面でなく、135試合でショートスタメンを張った体力が完全に戻るかもわからない。本気で来季優勝したいなら、誰かしら対抗馬を用意しておくのが現実的だろう。

 オススメは日本ハム・石井一成をトレードで獲ることだ。近年はセカンドがメインだがショートの経験も豊富で、早稲田大学時代は楽天の茂木と三遊間を組むなど神宮とも縁深い。今年は二軍でも打率.217と苦しみ、出場わずか36試合に終わったが、来年30歳と老け込む歳ではない。チームを救う救世主になって欲しいところだ。
 交換相手には金久保優斗を推したい。21年に先発で4勝を挙げてからは伸び悩み、今季は二軍でも防御率5点代と苦しんだ。しかし来季25歳とまだ若く、こういうスピン綺麗な長身投手はハムの大好物だと思うので、Win-Winなトレードになるのではないか。

提言③:高梨と原に敗戦処理をさせよう

 昨年の提言で「ビハインドリリーフがいない。木澤とコールの後釜を作らないとマズイ」と書いたが、これは割とその通りの結果になったと思う。大西広樹は変わらずの投げっぷりだったが、他はなかなかメンバーが固まらず、本来ならショートリリーバーの今野龍太がロングに回る場面も散見された。阪口皓亮の加入で少し落ち着いたが、彼もまだ若く、本来なら先発で大きく育てたいところだ。

 であれば表題通り、このビハインドロングの役目は高梨裕稔原樹理に任せたい。高梨は途中からローテを外れ、原に至っては一軍登板ゼロと、いずれも不本意なシーズンとなってしまった。しかしイニングイーターとしての馬力はまだ健在だと思うので、定期的に2~3イニング投げてブルペンを支えてもらいたい。
 一応データの裏付けもある。高梨は今季先発5試合、中継ぎ10試合に登板したが、中継ぎの方があらゆる指標が良い。また原は伝統的に対右/対左の被打率に差があり、予告先発のある現代ではリリーフの方が活きると思う。

 重ねてになるが、ビハインドリリーフはけして風下の職業ではない。試合を壊さなければ逆転の芽も生まれるし、負けたとしても他のリリーバーを温存する事が出来る。ブルペンの計画的運用は、彼らの献身性にかかっていると言っても良い。
 その上、外国人で左の先発1人・左の中継ぎ1人を獲ると、チームのバランスは良くなると思う。

まとめ

 黄金期の後には必ず「成績は下降線を辿っているのに高額の複数年契約が残っている主力」が何人か発生する。そのためチームは弱いのに補強費が捻出できず、成績が一向に上向かない……みたいな事が起こるのが通例だ。今オフもピーターズ・ケラ・エスピナルの退団で3億円ほど浮きはするが、田口麗斗の残留費用で半分くらい持っていかれると推測すると、上に書いた野手1投手2の補強にはとても資金が足りない。
 パッと思い付くのは石山泰稚(1億5000万円)をリリースするか、青木宣親(3億4000万円)の年俸をガッツリ削るかだが、どちらにしても波風が立つ。負け癖を作らないためにも、なんとか後2~3億捻出したいものだ。

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