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【巨人】丸とセンターとブラック卒業【2024年への提言】

 どの球団のファンでもない筆者が、なるべくフラットな目線で、来季への展望を好き勝手提言する恒例企画。今回は読売ジャイアンツ編。

2023年の振り返り

 チームOPS・本塁打数が断トツ1位を記録するも、得点はリーグ3位と噛み合わない数字に。阪神と比べると主力打者のソロホームラン率が高く、打線の繋がりに課題が感じられる(ヒット→本塁打は2点、本塁打→本塁打も2点だが、OPS集計上は後者が良い値になる)

1番打者の近本がソロ多いのは仕方ないけど

 投手陣はグリフィン・メンデスの両助っ人が好投。編成部のファインプレーだった。一方、堪え性のないマシンガン継投は健在で、そのせいか大勢や中川皓太の故障離脱を招いてしまっていた。

提言①:丸の使い方を考えよう

 FA移籍後、頑強なコアプレイヤーとして活躍してきた丸佳浩だが、今季はだいぶ成績を落とした。ただデータを見ると、使い方次第ではまだまだ主力として活躍できることがうかがえる。

来季35歳。もうセンターはやめよう

 これらをまとめると「対右投手に2/6/7番ライトで使う」が最善となる。つまり来季の丸は不動のレギュラーではなく、プラトーンプレイヤーと考えるべきだ。
 じゃあ対左では誰を使うの?というと、これは梶谷隆幸がベストと思われる。以下に丸と同じ表を乗せるが、彼は逆に「対左で2番ライトで使う」のが最善となっている。これはけして単年のデータの偏りではなく、たとえば134試合に出場した2015年も、同様に左投手相手の打率が高くなっている。

梶谷は来季36歳。やっぱりセンターはやめよう

 ちなみに梶谷のもう1つ良いところが、代打打率の高さである。今季は37回代打起用され、打率.281/出塁率.378と破格の数値を残している。スタメンで出ない時は代打で使っても、充分にバリューが出せる選手だと思う。

提言②:5番センターを連れて来よう

 坂本と丸の長所は「センターラインの選手なのに中軸を打てる」という部分にあった。ここが長く巨人のアドバンテージだったわけだが、いよいよ来季からはそれが望めない。もし攻撃力を維持したいなら、彼らに代わるセンターラインの強打者を獲得しなければならない。

 具体的には以下のように5番センターが打てる選手を連れて来れると良い。昨今そんなレベルの選手がアジア市場に出回る事はほとんどないが、4Aリーガー(マイナー無双組)で満足することなく、もう1ランク上の選手の獲得を目指したい。

(二)△吉川尚輝
(右)△丸 佳浩 or 梶谷隆幸
(三) 坂本勇人
(一) 岡本和真
(中) (新外国人)
(捕)△大城卓三
(左)△秋広優人 or 長野久義 or ウォーカー
(遊)△門脇 誠
(投) ーーーー

 1番バランスが良いのはジェイク・マリスニックか。この3年はMLBでずっとOPS.6後半をマークするなど波が少なく、センターもちゃんと守れるため、控え外野手としては一定の需要がある。ただ来季33歳と中堅手としては厳しい年齢に差し掛かりつつあり、今季年俸130万ドルからの増額が見込めないのも事実。ちょっと色をつけて170万ドル(2億5500万円)くらいで誘えば、日本行きを決断してくれるかも知れない。中田翔をノンテンダーすれば全然払える金額なので、挑戦してみて欲しいところだ。

 もうちょっと無難なところだとトレイス・トンプソンになろうか。22年シーズンは80試合でOPS.860と活躍し、単年145万ドルの契約を掴んだが、今季は同.579と低調。とはいえ外野3ポジションをちゃんと守れるので「ポカがない代わりに足肩が普通のブリンソン」というイメージの成績になりそう。5番を打てるかは微妙だが、年俸120万ドル(1億8000万円)で100試合出場/ホームラン12本くらいは期待できる選手だと思う。

提言③:敗戦処理をちゃんと作ろう

 阿部新監督は投手陣の起用法について、以下のような談話を発表している。

 この内容、個人的には大賛成だ。昨年も書いたが原政権はとにかくリリーフを酷使し、勝っても負けても高梨と鍵谷が出てくるブラック運用だったので、まず役割を明確にする事は大切だと思う。
 以下、模式図を用意してみた。

ブルペンに先発調整投手を入れるのが大事

 先発調整(濃赤)の投手を2~3人ブルペンにいれ、3点以上ビハインドの試合は彼らにロングリリーフをさせる。そこで結果を出せば一軍の先発に繰り上げるし、結果が出なければ二軍の先発と入れ換える。そうなればリリーフ調整(薄赤)の投手を酷使する場面は減り、彼らは接戦のショートリリーフに専念する事が出来る。連投やイニング跨ぎが減れば故障のリスクも減り、年間を通して安定したブルペン運用が出来るはずだ。

まとめ

 2020年以降の巨人の編成レベルはかなり高い水準にある。ドラフトでは大勢・赤星・山崎伊織・門脇などコアプレイヤーを獲得できているし、外国人でも「1mmも戦力になりませんでした」という選手は、突然のミートグッバイに見舞われたテームズぐらいのものだろう。
 むしろ昨今の低迷は、2015~19あたりのドラフトで指名した即戦力投手たちが全然主力になれていない事に起因していると思う。下位で獲った中川と戸郷は主力になったものの、上位指名した桜井・畠・谷岡・鍬原・高橋優貴・太田龍あたりが伸び悩んだ事で、チームには30歳前後の日本人先発投手がまったくいない。だからといってリリーフを酷使していい事にはならないが、原監督の苦しいやりくりには多少の情状酌量もあるべきと思う。

 ただ裏を返せば、ここから今の水準でドラフトと新外国人を当てていけば、2年後ぐらいにまた黄金期を迎える可能性は充分にある。ちょっと我慢はいるかも知れないが、阿部監督にはどうか腰を据えて監督業を全うしてもらいたい。明るい未来はすぐそこまで来ているはずだ。

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