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プロ野球選手は野球のプロでなくていい。武器はひとつあれば

プロ野球選手は野球のプロだから野球の要素についてはアマチュアより能力が高い人、と思いきやどうもそんなことはないよう。

野球の要素とは大別して、投げる、打つ、走る、守る、ということ。

この中で走る、はアマチュアより脚の遅い選手は数多くいる。
一般人より遅い選手も数多くいる。

ベースランニングという毎日行っているはずのことでもアマチュアより劣る選手は数多くいる。

守る、も同様にアマチュアより劣る選手は数多くいる。
ファーストしか守ることができないような選手はアマチュアのショートより守備は下手。

投げる、に関して、野手をとりあげると信じられないほどの弱肩の選手が
一軍の試合に出ていることがある。

ところがここで投げる、に関して
ピッチャーがアマチュアのピッチャーより劣るということはない。

青田買いの若手や敗戦処理、晩年に入ったベテランの中にはいても、勝ちゲームに登場するピッチャーは今の球界のトップレベルにいるからプロの試合でチームを勝ちに結びつけるべく、存在している。

打つ、に関しても同様。
弱肩の選手が試合に出られるのは打つ、に関して秀でているから。

つまりプロとは野球に関する要素全てにおいて一流である必要がないということになる。

武器はひとつあればプロ野球選手と言えることになる。
いや、プロ野球選手と言えるのではなく、プロ野球選手になれるのであり、
プロ野球選手でいられるということ。

吉田の移籍には
“5年9000万ドル(約122億6900万円)の大型契約で、譲渡金は1540万ドル(約21億円)。
計1億540万ドル(約143億6800万円)の契約”
とある。
吉田の年俸は24億超、という解釈でいいのか。

吉田は守備、走力ではアマチュアにもそれ以上が多くいる。
つまりその分野ではプロとは言えないレベル。

したがい打力に期待するということになるが、あの身体の大きさにホームランは求めていないはず。

そうなると吉田の特長である打率の高さ、出塁率の高さを買ったということになるのか。

それにしてもそれが年間24億の価値があるとは、一般からしたら途方もない数字で信じられないと言える。

よく年俸から算出して1球いくらとかヒット1本いくら、とか計算するものの、野球選手の価値はそれだけでは計れないのでナンセンスな方法だが、吉田の場合この計算が当てはまるくらい野球選手としての価値は打点を含む出塁に限られると言える。

棒きれで球をひっぱたいて外野の前に落とすか、
間を抜くことの数、150本くらいを期待したとして1本1,600万円。

フォアボールや犠打、進塁打といったものまで加味して、その倍にしても1本800万円か。

しかもそれが得点に結びつくとは限らないし、勝利に結びつくとは限らない中での値段。

そしてここにはアマチュア以下の吉田の守備と走力による
チームへの弱点というマイナス要素も含まれての値段。

吉田の守備を買おうというチームはいない。
100万でも買わない。

100万でも買わないということは1円も払うチームはいないということになる。
走力も同様、1円も払いはしない。

吉田の打撃にのみ期待して年俸24億。
MLBの相場では年俸24億くらい、大したことではない、ということか。

MLBの平均が5億くらい、とのデータがあるのでこれを採用するとして
日本の平均が4千万くらいとして
吉田の24億は日本でなら2億に届かないくらいだから、昨年の吉田の年俸4億と比べて割安と言えることになる。

一部の報道では吉田獲得の値踏みは他のMLB球団は驚いた、というものがあった。
せいぜいその半分だ、というもの。

一方でオリックスには21億が入ることになる。
吉田5人分。

この21億を使い、吉田の実力がある選手を5人も補強できることになる。
ところが吉田に見合う選手を5人もどこを探してもいない。

じゃあ、この21億を使って吉田の穴をうめるべく、それぞれの個性を集める、ということになる。

ところが5人の力を合わせて吉田の穴が埋まるかというとそうはならない。

吉田の一流の打撃を5人合わせてもマネはできないということ。

それでも吉田の打力はなくても21億をうまく使い、吉田にない特長を持つ選手を集める、あるいは
打力が伸びる選手に投資することでチームの総合力を上げようとする。

そうした投資がチーム力だし、編成の腕の見せ所となる。
ところが、これも容易でないからFAで補強するか、外国人を引っ張ってくるという方法をとることが手っ取り早い判断になる。

レッドソックスとしては吉田への戦力価値としての対価というよりは、一番は日本市場という事なのか。
日本市場へのPR投資と考え、回収するのか。

あるいはチーム全体のそれぞれの特長への年俸の総額で優勝を買うことにより、回収を図るということか。

吉田がチームの足りないピースを埋めることで優勝にかかるコストを算出し
費用対効果で回収できる、と踏んだ。

これはオリックスが21億をどう使うか、ということと一緒。

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