📔情報が溢れる時代だからこそ、自分のことを大切に。

生まれながらにして、デジタルと隣り合わせの生活をしているZ世代。特にここ数年は、SNSの発展が著しい。流行り廃りの速度が尋常ではない。ネットリテラシーの重要性を問われるのは当然のことだ。

最近、SNSを利用していて思うことがある。それは、安易に人を信用する人が多いということ。メッセージのやりとりを通じて、これはいつか騙されてしまうのではないかと、心配するほどだ。

特に現代の中高生はSNS上のやりとりに抵抗がない。同じ趣味を持つ人を見つけるとフォローし、かかわりをもつ。これ自体がいけないということではない。むしろ、広がりをもついいチャンスともいえる。しかし、人は文面上では判断できない。

私も時々そんな若い世代からメッセージを頂くことがある。

「いつも投稿を見ています、尊敬しています」
「返事をくれるなんて思っていませんでした。憧れています」

嬉しいような恥ずかしいようなくすぐったいような。とてもありがたい言葉を受け取る。そのたびに、私は思うのだ。

そんなに私を信用して、大丈夫か。

もちろん私は悪人のつもりはないので、相手を騙して金をとろうなど微塵も思っていない。頂いた言葉を言いふらして悦に浸るつもりもない。ただ、安易に人に良い言葉を投げかけるのは、気を付けてと思わざるを得ない。

大人。特に、インフルエンサーと呼ばれる人間の影響力は計り知れない。数の暴力というと少々乱暴ではあるが、フォロワーが一定数いることで、若者たちは『その人の全てが正しい』と信じて疑わない。純粋であるが故のことである。

自分はどう思うのか。

常に頭で考えてほしい。こんなことをいっていたけど、どうなんだろう。正しいか否かだけではなく、自分はどう思うか。相手の言葉を鵜吞みにせず、自分で咀嚼(考えること)をしてほしい。

私自身も人から褒められれば嬉しい。私の言葉で元気が出たり、共感する人がいたら、それはとても有難い。当然騙したり陥れようともしていない。ただ、こういう時代だからこそ『相手の見極め』を大切にしてほしいと願うのだ。

敵は笑顔でやってくる。ナイフでいきなり突き刺したり、拳を振り上げてくる悪は稀なものだ。本当の悪人は、いい顔してやってくる。これだけは忘れないでほしい。人を疑ってかかれというわけではないが、自分の身を守るためにも『誰を信用すべきか』のアンテナをきちんと張ってほしい。

SNSを使いこなす人間は、見せるのがうまい。あたかもヒーローのように、簡単に善人を装うことができる。ネガティブな表現を続けたが、もちろん中には良い人だってたくさんいる。だからこそ紛れ込んでいる『悪人』に注意したい。

大切なのは自分の意見をしっかりもつこと。自分を肯定してくれる人だけに、耳を貸さないこと。人間、都合の良い情報ばかりを集める傾向があるけれど、様々な考えをもつ人がいる。だからこそ立ち返る必要がある。

尊敬する人、憧れの人は多い方が素晴らしいけれど、そんじょそこらに転がっているわけではない。今一度、安易に人を受け入れすぎていないか考えてみたい。自分の身を守るためにも。