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【少年野球】試合に出られない親子へ(1)

 地域に根ざした普通の少年野球チームに入ったのに、わが子がなかなか試合に出してもらえずツライ思いをしている親は多いと思う。
 客観的に見たら些細なことに思えるだろうが、実はその本質を探っていくと非常に多くの問題をはらんでいることが分かる。
 まず始めに「試合に出してもらいえないこと」「試合に出してもらえなくて不満に思うこと」は全く別問題だという話をしたい。

【試合に出られなくても納得できる場合】

 極端な例だが、入部したばかりでキャッチボールも出来ない子がいきなり試合に出るのは危険だ。だから「技術不足の自覚」がある場合は試合に出してもらえなくても決して不満にはつながらない。

 また、6年生の引退試合だからスタメンは全員6年生だとなった場合、5年生以下の子が不満を持つだろうか。「理解できるシチュエーション」がある場合も、よっぽどのモンスターペアレント以外は不満はにはつながらないだろう。


【試合に出られなくて不満に思う場合】

 では、試合に出られないことが不満につながるのはどういう時かといえば明解だ。上記二つの「技術不足の自覚」「理解できるシチュエーション」のどちらか、または両方が欠けている場合である。

 監督やコーチから見ればまだ技術不足と思われる部分はあったとしても、子どもも親も「ずいぶん上手になった」とか「レギュラーの子と遜色なくプレーが出来る」と感じているのに試合に出してもらえないから不満につながるのだ。
 また、勝敗にこだわる必要のない練習試合というシチュエーションなのに代打でさえ出番をもらえないとか、圧倒的な差がついた試合の後半というシチュエーションでメンバーを入れ替えない時などは、いくら技術不足を自覚していても不満に思うだろう。

【すべては監督の責任】

 上記のような話をそれとなく監督に聞いてみると、「あの子は塁に出たときサインをしっかり見ないことがある」という親が気づきにくい技術不足を指摘したり、「今の大会はレギュラーを固定しているが次の大会は少しメンバーを入れ替えるつもりだ」という今後の見通しや、「実は代打で出そうと思っていたら前の子がダブルプレーになって試合が終わってしまった」といった事情を明かしたりする。
 また、たとえ練習試合でも「前回の試合でうまくいかなかったプレーを練習させたい」といった理由で組んだ試合だと、ベンチの子を出す気がそもそもなかったという場合もある。

 つまり監督に直接聞いてみれば、あっさりとその理由が判明して納得がいくことも多いのだ。しかしそれが子ども本人や親には一切伝わらない、または、そもそも監督自身が伝えようとしていないところに大きな問題がある。

 ではなぜ監督はそうした説明をしないのか、次回はそれについて考察したい。

 

 
 

 

 
 
 
 

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