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孤育てから、CO-育てへ!ーーー学生インターンが子どもの遊び場を作った理由

こんにちは!NPO法人トイロ学生インターンの熊谷です。
今年度、トイロの皆さんのお力添えをいただいて、お寺で子どもの遊び場を企画しました。この記事では、その背景についてお伝えします!

【原点】ある児童との出会い

私が子どもの遊び場を作ろうとしたきっかけは、学童でバイトをしていた時、ある一人の子どもと出会い、その実態にやるせなさを感じたことです。

その子は、親の愛情を十分に受けておらず、誰かからの注目に飢えていました。(こういう言い方は直接的すぎるかもしれませんが、事実なので)

そのため、アピール行動として、いたずらをしたり、ルールを守らなかったりなどの問題行動を日常的に起こしていました。つまり、叱られてでもいいから、自分一人への特別な注視を求めていたのです。

しかし、この方法では、長く注目を得ることはできません。何度叱っても問題行動は無くならない、むしろ悪化すると分かれば、次第に放置されるようになります。実際、その子も半ば放任状態でした。

そして、家庭にも学校にも居場所がなくなってしまいます。
このことで、孤独感に苛まれることになります。


【原因】孤育てが、親子を孤独にさせる。

孤独は、抑うつ状態を招いたり、過剰な喫煙に匹敵するほどの健康被害があったりなど、なんにせよ苦痛で不快なものです。

では、どうしたらあの子の孤独を防ぐことができるのでしょうか?
まずは原因を明らかにしましょう。

あの子が居場所をなくし、孤独の危機に瀕しているのは、正直に言って家庭環境によるところが大きいでしょう。

ただ、だからといって、その責任を親に押し付けていいのでしょうか?

もしかしたら、その親も孤独に苦しんでいて、子どもを愛する余裕がないのかもしれません。例えば、周りから協力を得られず、1人で子育てをしている場合(孤育て)、親子ともに孤独に陥る危険があります。

身近な例で言えば、買い物です。
私はレジ打ちのバイトをしているのですが、お子さん連れの方々は、皆一様に買い物に苦労しているように見えます。しかし、円滑に買い物をしている親子もいます。その違いは、大人が2人以上いるということです。1人で子どもを見ながら、買い物もするのは困難を極めます。そうしている内に疲労が蓄積して、子どもにつらくあたってしまう方もいます。

このように「孤育て」は、親は頼れる人がいないことで孤独を感じ、子どもは自分の気持ちに応えてもらえず孤独になります。

このことから、「孤育て」が孤独の一因だと考えられます。

だとすれば、親を冷淡に非難するのは全くの見当違いだと言えます。
真の原因は、「孤育て」を放置し続けてきた社会の側にあるからです。

こうした背景を踏まえ、親子の孤独を防ぐためには、「孤育て」をやめ、社会全体で子どもを見守る体制が求められます。


【打開策】まずは居場所づくりから

そのため、まずは親子と私たちがつながる機会を作るために、月に一度、子どもの遊び場を開催しています。

そして、この活動を継続、発展させることで、孤育てを解消し、親子を孤独にさせない居場所を作ろうと考えています。

ただ、このような書き方をすると、孤独を感じていない親子は対象外と思われるかもしれません。しかし、そうではありません。既に居場所がある方には、親子のサードプレイスとして利用していただきたいです。

以上が、子どもの遊び場を企画した理由です。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
この記事をきっかけに、子どもの遊び場を利用していただけたら幸いです。


(参考文献)
大空幸星, 2022, 『望まない孤独』扶桑社新書.

”脱・孤育て”みんなで支えたい. NHK. 2020年1月31日, (2023年4月26日取得 https://www3.nhk.or.jp/news/special/miraiswitch/article/article37/).


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