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可愛らしい猫の作品やミステリアスで考えさせられる不思議な視線を持つ人物画、メッセージ性のこもった作品など幅広い作品を制作されるミナツ キコさんの作品を鑑賞しました。

作者:ミナツ キコ

可愛らしい猫の作品やミステリアスで考えさせられる不思議な視線を持つ人物画、メッセージ性のこもった作品など幅広い作品を制作される作家さん。


この作品はまるで猫の飼い主目線で描かれた作品であるかのように感じました。猫がテーマに描かれた作品はたくさんありますが、この作品は特に猫と飼い主がまるで真正面に対峙しているかのような構図で描かれており、よく描かれる猫を横向きに引きで描いた作品とは一線を画す構図の大胆さ、斬新さがあります。このような構図で描こうと思いつくことは、まずないのではないかと感じ、作者さんのその発想力にとても驚きました。

温かみのあるオレンジや赤などの暖色を多く用いて制作されて作品の雰囲気として優しい印象を受けますが、作品の登場人物に注目して見ると、手を口元にあてて、どこか不安そうな、考え込んでいるような目つきをしていることがわかります。絵の登場人物の不安そうな表情とそれとは真逆な安心感のある温かみのある色合いとのギャップがどことなく不思議な空間、世界観を醸し出していると感じました。

この作品はではミステリアスで何か考え込んでいるような神秘的な目つきをした女の子が白いカーテンに体をうずめながら座っています。その足元には百合の花と本が置いてあり、とても深いメッセージ性のこもった作品であると感じました。

この作品は紙飛行機を持った人物が今まさに手から紙飛行機を飛ばそうとしている瞬間を描いた作品で、その手のすぐ下に与謝野晶子の詩(短歌)とおぼしき歌がつづられています。この歌を知っている方はお分かりになると思いますがもしかしたらこの歌(短歌)に込められた願いを紙飛行機を飛ばそうとする描写を通して、誰か大切な人に願いを届けたいのではないかと感じました。

この作品は目の覚めるような爽やかな青を基調としている作品で夏に見ると涼しさを感じられるのではないかと思われるほどに爽やかな色合いです。絵に登場する二人の人物は目線を合わせず、それぞれ別の方向を向いており、その後ろ姿のみを描いている作品です。手前には鳥かごのようなものが置いてあり、中には鳥が飛び立つ際に残していった羽が落ちています。その左にはおそらくこの二人のはるか頭上を飛んでいるであろう羽ばたく鳥のシルエットが映し出されています。ここからわかることは二人が見ているであろうこの空と景色は間違いなく晴れ渡っているということです。

私はこの作品を通してこの二人はおのおの別々の未来を見て、それに向かって今から進もうとしているのではないかということを感じました。

ミナツ キコさん、素敵な作品をありがとうございます。
ミナツ キコさんの次の作品もとても楽しみです。

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