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生まれて初めて話した言葉は「納豆」だった

自分の幼少期を振り返ってみる。小さいころの話をしていた母から聞いた言葉なので、確実な情報である。
タイトルにもある通り、私が生まれて初めて話した言葉は「納豆」だった。
生まれてきた子供が初めて話す言葉なんて、パパママやご飯などだと思っていた自分にとって、衝撃的だった。
ちなみに姉弟は「おいしい」だったそうだ。


それから数年後、私は様々な言葉を覚えて話すようになり、幼稚園に通うことになった頃のことである。
同窓の子供と遊んだ記憶はない。遊び方も知らなかった。あの頃覚えているのは、大きく二つある。
まず一つ目は、物置の教室に誰にも気づかれることなく、出入りしていたことである。
日の光で繊維がふわふわと浮く明るい空間、誰もいないためにとても静かな時間。自分がいたという痕跡を残してはいけない緊張感。
現在、誰もいなくなった家や部屋にいるときも同じ感覚になる。

二つ目は、子供向けの学研本を読んでほかの子より頭がよくなったと錯覚していたことである。
先ほども述べたが、私は同窓生とおもちゃや体を使って遊んだことはない。
この退屈な時間のお供にしていたのが、まさに読書だった。
本から学んだことは多々ある。特に「魚介類」という言葉は本から知ったのを覚えている。傲慢にも、この年齢で「魚介類」を知っているのは自分だけだと思っていたようだ。
それを本当かどうか確かめることは、とうとうできなかった。

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