spoon

何にもしないで過ぎた休日と
サニーレタスで巻いた豚肉
泣き腫らした目には
神様も直に触れられないから
思い出の海に手を伸ばす

嫌な事を焼肉で吹っ飛ばしたい
在るがまま生きて呪われ
在るがまま生きて祝われる
箱庭に湧いた海水の泉
ハコフグの稚魚を放て

本当は嫌いなんだよ薬なんて
日に晒されて寿命を溶かすよ
何でそばにいてくれないの
理由なんてパーマネントをあてるより軽い
1番じゃなきゃならないのは
貴方がそばにいないから

天気が快いのに部屋にいた休日は
やはり後悔を連れてくるのに
馬鹿になりきれない
かいつまんで語った世界の始まりは
この部屋に続かないで逸れた

本当は嫌いなんだよ自分なんて
機会さえあれば酔った勢いで
何で笑ってばかりいられないの
思えば思い切り匙を投げた先は砂浜
幸運を願った匙が波に飲まれ
僕はあれからずっと手を伸ばしている

プラスもマイナスも疲れたから
点描も線画もない真っ白な零を願う
叶わないから豚肉を菜に巻いて