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「5S」を意識することで、仕事への取り組み方が変わった話

こんにちは!保健師のShinoです。

みなさん日々の業務に取り組む中で、意識していることなどはありますか?

普段、お互いの仕事内容の話はしても、
仕事を効率的に進める手法や考え方、ちょっとした工夫については、あまり時間をとって話す機会がありません。
ちょっとした工夫やコツを知ることで業務の効率や生産性が上がります。

メールの送り方や言葉遣い、伝え方など
テキストでのコミュニケーションは視覚的に確認しやすいので
いいところを盗むぞ!という気持ちで観察しながら自分の仕事に取り入れることができます。

ただ、考え方は目では見えないですし、想像するにも限界があります。
なので他の人の仕事の取り組み方や考え方に興味津々です。

今回のnoteでは、私の仕事の取り組み方が変わった「5S」についてまとめてみようと思います。
ただ、5Sの理論や手法については既にネット上にも多く掲載されていますので、実際にどのように5S活動に取り組み、業務改善につながっていったのか、進め方や考え方の変化について書きたいと思います。


5S活動は業務の一部であると教わる

5S:
「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字のSを取ったもの

5Sという考え方は、社会人になってから職場の先輩方に教わりました。
製造現場の安全を確保の観点だけでなく、「業務のムダはないか?」と各業務の工程の取り組み方を見直すことも5Sの考え方であると教わりました。

また整理整頓されていない職場で、物を探す時間は業務でなく「ムダ」であり、いつでも誰でも、必要な時に必要な物を見つけられる状態(探さなくてもいい状態)をつくることの大切さを教わりました。

5S活動は、製造ラインのある作業現場での取り組みでしたが
5Sの考え方は仕事の基本として全従業員が共通認識で持つマインドとして大切にされていました。そのため、5S活動は業務として扱われトップダウンで指示されており、各部署週1回1時間など時間を確保し活動していました。
(半期に1度、工場内で5S活動の表彰もありました)


少しずつ考え方が変わってきた

私自身、5Sについて教えてもらったとき
整理・整頓がどう業務効率化につながるのか?よくわかりませんでした。

週に1時間5S活動する時間があるなら、その時間で他の仕事がしたい!とも思っていました。(掃除するよりタスクを完了したい…!)

しかし、5S活動を続けていく中で、ただ環境がきれいになるという変化だけでなく自分自身の仕事への向き合い方・効率を考えるようになるなど、思考の変化を感じるようになりました。

整理・整頓し、職場内でのルールを決めていく中で、一緒に働くメンバーとの共通認識・意識を持って働くことができたことも働きやすさにつながっていたと思います。

この変化は数日・数ヶ月で感じたものではなく
2〜3年続ける中で少しずつ実感していきました。

具体的に、以下の順で段階を分けて5S活動に取り組みました。

Step1: 環境の5S
Step2: データの5S
Step3: 業務の5S


Step1環境の5Sを行うことで、Step2・3の作業時に自然と5Sの視点で仕事に取り組み、業務改善につながるようになりました。


Step1:まずは、環境の5S

一番初めに取り組んだのは、自分達の働くオフィス環境の5S(身の回りの5S)です。

業務上扱う診断書や健康診断の記録などの書類は保存期間が定められているため定期的に見直し、決められたタイミングで破棄していましたが、
それ以外の書類や使わなくなった物品、数十年前からある誰も処分の判断をしないまま受け継がれていたものたちで溢れていました。。。

週1回1時間、会議室や執務室などエリアごとにチームを分けて
5S活動に取り組みました。整理整頓された環境ではあったのですが、過去の不要な物を破棄したり、期限の決まっていない書類のルールを決めたりと、落ち着くまで約1年〜1年半ほど時間がかかりました。

また全員共通で使用する部分だけでなく、自分が使うデスク周りの5Sも同時に行うことになりました。今でこそペーパーレス化が進み、データでのやりとりが基本となりましたが、当時は重要書類やお伺い書など全て印刷して使い終わった後は、ファイリングして書類を保管していました。
デスクの引出しの中身を整理することも一苦労でした。。
(5S活動の時間はほぼ掃除する時間となっていました)

こうして毎週活動を続けるうちに、週1時間の取り組みだったのが、
整えられたオフィス環境を維持するために、毎日整理・整頓を意識して働くことが当たり前になっていました。
メンバー同士の共通認識として5Sの視点があるので、日常の会話の中でも「ここ5Sしようね〜」と声を掛け合い、チーム全体で意識の変化を感じました。


Step2:データの5S

オフィス環境の5Sは、大分落ち着いてきたので
次はデータの5S(情報の5S)に取り掛かりました。

これがなかなかの曲者で…
10年以上前から残っているフォルダもあり、どこから手をつけていいのかわからない状態でした。(残された負の遺産と呼んでいました)

産業保健の業務では定期健康診断やストレスチェック、労基署報告書データなど保管期限が決まっているものもあれば、
自社独自の取り組みの健康教育や研修、衛生講話資料など
保管期限が特に決まっていない資料も多くありました。

期限が決まっていれば、データを削除するタイミングも考えやすいのですが、ルールがないと判断に迷います。
(5年保管でも、何かあったら困るから一応取っておこうとなることもあり
容量は圧迫気味…)

私が困ったのは
フォルダ管理のルールがなく、統一性がないことでした。

・フォルダの運用ルールが決められていない
・ファイル名の付け方のルールがないため、統一性がない

自分が作成した資料は、自分でタイトルもつけられるので
使いたい時に、自分で探すことができます。

しかし、自分にしか分からないタイトルや分類の仕方だった場合どうでしょう?

・担当者不在時に、資料の保管場所が分からないため対応できなかった。
・担当者のみしか対応できない。

環境の5Sで、いつでも誰でも、必要な時に必要な物を見つけられる状態(探さなくてもいい状態)をつくることを教わりました。

物理的な環境だけでなく、データの整理でも同じ。
調べる時間は、貴重な時間を奪ってしまうこと。

ファイルを作成するとき、もしも自分がいなくても、他の人は最小限の時間で見つけ出すことができるのか?と考えるようになりました。


Step3:業務の5S

データの5Sに取り組むことで、自分の仕事が相手の時間にどのような影響を与える可能性があるのか考えるようになりました。

前職では、健康診断やストレスチェック、健康教育など会社の取り組みで
従業員の皆様にお願いすることは、「健康支援センター課」から各部長・課長宛に通知文をメールで送付していました。

通知文を出すと、毎回数名から「何をしたら良いのか?」「これはどういう意味なのか?」と質問を受けることがあり、その都度質問へ対応していたのですが、お互いにとって質問のやり取りの時間はムダであると課題を感じ通知文の見直しを提案しました。

その当時は、修正することが大変でやりたくないと断られたこともあったのですが、文章の構成、取り組んでほしいことの手順をまとめる、社内ホームページにQ &Aをつくるなど改善を行いました。

また、健康支援センター側の立場の時は、毎年同じことを発信しているのでそろそろこの文章は省いても良いか?と思い変更したこともあったのですが、異動で新しい管理職が担当となった際にまた質問が増えてしまいました。業務の引き継ぎを職場に任せるのではなく、誰が見ても必要な対応を質問なく実行できるように情報を正しく不足なく伝えることの大切さを学びました。


お互いが気持ちよく仕事するために、想像力を働かせる


現在iCAREの専門職チームでも、共有フォルダの整理に取り組んでいます。
1人では心が折れそうな作業も、メンバーで目標に掲げて毎週作業の時間を組み込むことで少しずつ前に進んでいます。

一緒に作業を中心となって進めている山崎さんと、ファイル名の登録ルールも決めたほうがいいのか?という議論になりました。

・共通の名前の付け方やルールがあれば、探すストレスも少なくなる。
・担当の引き継ぎや、急な休みが発生した時でも見つけられる。

この会話から、
自分の関わる人が気持ちよく仕事をするためにはどうしたらいいか?
今、作業で大変・ムダに感じているところはないか?
想像力を働かせること、仕事の環境を観察し気づくことの大切さを改めて感じました。

仕事の中で愚痴やぼやきが出た時こそ、
気持ちよく働くためのヒントが沢山隠れていると思います。

ぼやきも改善の種だとポジティブに捉え、これからも5Sの視点を持って業務に取り組んでいきたいです。

もしよければ、皆さんの日々の仕事での工夫や考え方も
教えていただけると嬉しいです。

今年も残り1ヶ月、体調に気をつけて
楽しく過ごしていきましょう〜〜^^!

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