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まともに働いて得る小銭じゃ人生は買えねぇ第12話

まともに働いて得る小銭じゃ人生は買えねぇ第12話
今宵の月のように

久山にむしられたが田町の物件はトラブルも多かったがしばらく順調だった。

拓矢も26歳になった。

ただ平和は長く続くものでは無く外国人が来る度に近隣住民が警察に通報したり。

保健所からも来る。

闇民泊は潰せと言わんばかりだった

そのタイミングで石巻に呼び出された。

石巻はいつも自分の自宅の山手線田町駅徒歩15分の自宅に呼ぶ

そして10分くらい話して要件を伝えると

「じゃそういうことで有難うございます」

で帰す。

東京は23区でヒエラルキーみたいなのがあるが港区に住む人は出ても自宅のマンションの一階のロビーくらいだ。

拓矢「電話で済むじゃねぇかよ、天は人の上に人を作らずなんて嘘っぱちだ」

石巻自宅に着く

石巻「あーすいませんね、田町なんですけど来週に愛宕警察の刑事課の山田さんって人が来ます、消防の人も付き添いで」

拓矢「何の用でくるんですか?」

石巻「逮捕される可能性は低いと思うんですけど闇民泊、旅館業法違反の取り調べですね、入居してる人ハケさした方がいいですよじゃ宜しくです」

拓矢「ちょっと待って下さいよ、なんでそれ自分が対応しないと行けないんですか?!石巻さんの所有の物件じゃないですか?」

石巻「正確には法人が所有してるんですけど、僕前に議員やってたんで表に出るとまずいんですよじゃ宜しくお願いします」


拓矢(ふざけんなよ、、、なんでそんな対応しなきゃいけねぇんだよ、、)

久山の言葉が蘇る

(自営ってのはボスか手下か敵かの3つしかないと考えたほうが楽だぜ)

当日

刑事山田「どうも初めましてこういう物です」

警察手帳を見せられる

後ろには消防の人

計6人位いる


質問攻めに合う

刑事山田「一応誰もいないけどさ、なんでこんな二段ベッドあるの?」


拓矢「社員寮にしてるんですよ」


シラを切る拓矢


一通り終わった後

刑事山田「とりあえず署まで来れるかな」

連れてかれる拓矢

代わる代わる交代制で質問攻めに遭う

警察「近隣の人からの通報でネタは上がってんのよ、警察なめんなよ!」

最後に

刑事山田「とりあえず毎回通報されてるからこっちも大変でさ、この紙書いてくれ、後左手の人差し指の指紋も」


見ると誓約書だった。


書くしか無い

恐らく書かないと解放されない


拓矢「これ書くと認めたことになりますよね?」


山田刑事「あー警察捕まった事無いか、正直旅館業法違反でまだ挙げられる程法が整備されて無いのよ、この前署に連行したやつは悪びれる様子も無く有名になれるからパクってくれとか言ってたけど

だから君を検挙は無理、この紙の誓約書無視して複数回やればわからないけどね、それでもションベン刑だ」


(もう民泊しません)


誓約書を書いて解放された。



家に着き12時間ほど眠るほど疲れていた。


次の日

石巻から電話が来た


石巻「どうでした?」

事情を話す

石巻「あーそうですかわかりましたお疲れ様です」


拓矢「あの、、、切ろうとしてますそれだけで、、電話?」


石巻「他に何かあるんですか?」


拓矢「これから民泊とか出来なくなるかもしれないんですよ、僕大変な目に遭いましたし」


石巻「あーそうですよねそれはまた事務所で話しますか今度」



なんでこんな感じになるかって?

拓矢に力が無いからです


石巻は拓矢が捕まったら新しい捕まるかもしれない要因をスカウトしてくることしか考えてないから面倒臭いと思っているのです。


だから自分の事務所にわざわざ相手の労力考えずにたった10分くらいの時間で呼ぶのです


何故なら


(俺は港区住んでるしお前の時間も都合も知ったこっちゃない人の代わりは東京はいくらでもいる)


と思っているからです。


街を歩いて

丁度夏だから電灯に虫が体当りしている


拓矢「俺もあの虫と同じか、、光のある所金のありそうな所に体当りして痛い目見てる、電灯じゃなくて焚き火なら燃えて一発で灰だ俺」


いつの日か輝くだろう今宵の月のように

と軽くつぶやいて


夏の夜を堪能した。






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