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漫画から学ぶ仕事論02:「あさぎりゲン」

数年ぶりに好きかもというキャラが現れました。
Dr.STONEのあさぎりゲンです。
「ジーマーで?」「バイヤー」「ドイヒー」など変な喋り方ながらそれが却って魅力に映ってしまうようなキャラの面白さ、魅力について
仕事論に繋げながら紹介していきます。

Dr.STONEの面白さ

ある日地球上の人類は謎の光線に包まれ、石化した。
3700年後、文明が滅んだ地球で目を覚ました主人公【千空】は科学の天才。
科学の力で仲間を復活させながら空白の3700年を一気に取り戻す!

ってなストーリーで、私は実はしばらく「絵がごつそう」で敬遠してたのですが友人の激推しによって最終話直前まで読了。
ちょうど今大好評のなか完結したようです。
ジャンプ公式で現状1話が公開されているので、ぜひ読んでみてください。

・時代を超える壮大な物語
・現実の地球をまたにかけながら仲間を増やしていくワクワク感
・友情、諦めないことの強さが身に染みる
などなど、めちゃくちゃジャンプらしい作品だなと。
慣れてみると絵もまー綺麗なこと。

原作の稲垣理一郎さんはアイシールド21の人ですね。


あさぎりゲンは世間的に見ても人気だった

超絶天才主人公、石神 千空(いしがみ せんくう)。
超絶体力人間、大木 大樹(おおき たいじゅ)。
霊長類最強の高校生、獅子王 司(ししおう つかさ)。

Dr.STONEには王道少年漫画らしい、スーパーパワーのキャラクターが数多登場します。
そこに確かに憧れる気持ちはあるのですが、
第3回人気投票で実に64428票も獲得し、2位の主人公千空に2万以上の票差を付けて1位になったのはあさぎりゲンでした。

一体なぜか?
私が好きになった理由、考えた理由は以下の通りです。

読者とヒーローの中間役

あさぎりゲンの特徴は、
・千空の科学知識にいつでも驚愕する一般的な感性
・細身でそんなに体力はなさそうな容姿
・「メンタリスト」「交渉力」など現実世界にも実証されている身近なスキル
つまり、普通の人寄りです。

別の例で言うと、
「アメトーーク!」ガンダム回で、超絶知識で語る芸人達に「全然わからへん!!」と疑問MAXで投げかける蛍原さん
「ワンピース」の超人メンバーの中で、魚人との対峙に足がすくみ、どうにかして勇気を出すウソップ

読者ーーー蛍原さん、ウソップ、あさぎりゲンーーー超人たち

の構図で、彼らは見ている人と超人メンバー(ヒーロー、置いていかれそうな相手)の中間役(橋渡し役)を担ってくれています。

最初から主人公が葛藤なく強いだけの作品より
共感できる弱みや、身近に感じるエピソードがあった方が面白みを感じやすいように、
彼らは読者側にもいて、一緒に驚いて、葛藤してくれるのです。

仕事で言うと、「めちゃくちゃ仕事はできるけど遠くに感じる先輩」だけだと、あまり後輩は頑張れないかもしれません。
「仕事はできるけど身近にいてくれて、一緒に一喜一憂できる先輩」がいるとやる気が出ますね。
あさぎりゲンに魅力を感じる人が多いなら、自分もそんな先輩になれば仕事のチームでも一体感が生まれるかもしれません。

また、橋渡し役はあくまでも「普通の人寄りなんだけど、普通の人ではない」のがポイントです。
普通の人って、モブです。
モブがヒーローに驚嘆する姿は背景に過ぎません。
読者は読んでいて面白いから、わくわくしたいから読んでいるのであって、モブ=部外者でいたいとは思いません。

本当は超人やヒーロー側に憧れる。
だから橋渡し役は「ちょっとスゴイ」「主人公側にいる」人が良くて、惹かれるのです。

人間らしいキャラ設定

イソップ寓話のどっちつかずのコウモリを自称し、
最初は目つき悪く敵キャラ(信用ならないキャラ)として登場するあさぎりゲン。本当に味方か敵かわかりませんでした。

やがて主人公たちの仲間として動いていくわけですが
序盤で出てくるコーラのエピソードがなんとも人間らしいです。
飄々としているようで結局義理人情もある姿も印象的。

どっちつかずのコウモリ(卑怯なコウモリ)も、一般的に「それってどうよ」みたいに思われがちですが、現実世界にはよくあること。

それこそ「何度も両者間で寝返りを繰り返すものは、やがて誰からも信用されなくなる」とイソップ寓話の教訓では伝えるわけですが、
一度や二度、意見が変わったり申し訳ないと思いながら違う陣営に着く経験くらいならそれなりにみんなあるはずです。

意見が一生変わらない、曲げない人はそうそういないように
味方になって以降のそのコウモリの例えはそんなに悪くは感じなくなってきます。

仕事で言うと、常に公明正大な人にはすごいなとは思うものの、
たまには方針を変えたり、失敗したり、でも決めたら義理堅くやる先輩の方を手伝いたいと思うかもしれません。

頑張ったら目指せそうな身近スキル

冒頭にも出した「メンタリスト」「交渉力」は言ってしまえば現実に存在するスキルです。
ビジネスの面で有効というか、大人にこそ親近感の湧く言葉でしょう。

霊長類最強、とか超絶科学知識!となると
やはり雲の上の人、現実にはありえないファンタジーとしての魅力になりますが、
あさぎりゲンの能力は実社会と連動するため親近感を感じやすいと言えます。
ジャンプは今や少年だけでなく少年から大人になった層にも愛される雑誌なので、この「俺も営業先で交渉がんばってるぞ!」とか、
「メンタリストの言ってることから、なんか仕事のヒントないかなぁ」とか、
超絶パワーよりも、現実で仕事ができるパワーを求めている読者にも愛されやすいのではないでしょうか。

大人こそ気づく魅力

感受性豊かな子どものころ、没入して惹かれるキャラは複数いました。
大人になってコンテンツとして漫画を見るようになった今、「なんか好き」というキャラはなかなかいなくて。
そんな中、あさぎりゲンになんとなく惹かれるのは、むしろ大人になって才能よりも「普通だけどちょっとスゴイ」とか「努力」に価値を置くようになってからだからなのかもしれません。

漫画を読むのは面白い。
そこから、コンテンツとして消費するだけでなく人生の経験も得られたら、より漫画は面白くなります。

また次回も紹介の場をもらえたら幸いです。

本日もありがとうございます。

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