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子どもの発達・発達障害・感覚統合

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いつも仕事で関わっている、子どもたちの話。 そのご家族の想い。 作業療法士として、子育てのヒントや子どもの行動の捉え方について発信していきます。
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#感覚統合

子どもの運動発達 その5 【つかまり立ち〜伝い歩き】

今日はつかまりだち〜伝い歩き(9〜12ヶ月)をお話します。 前回までの、ハイハイで自由に動く楽しさや興味を高めていくことで、1歳の独り歩きにつながっていくというお話でした。 ついに一人歩きまであと一歩のところまできましたね。 覚え方:くっと(9っと)つかまり立ち(9ヶ月) 机の上になにがあるのかな、わくわく。見てみようとついに立ち上がります。おすわりやハイハイで培った抗重力伸展活動と、骨盤周囲の安定性から、ついに!立ち上がります。 立ち上がった後は、伝い歩きが始まり

子どもの運動発達  その3 【おすわり】

今回は、おすわりについてお話していきます。 前回までの復習。 6ヶ月までには、首が座りボトムリフティングとエアープレインを繰り返し行うことで、体幹の前後方向の安定性を獲得して寝返りをうてるようになるというお話でしたね。 おすわり(7ヶ月)覚え方:ナナ(7)ちゃんおすわり上手と覚えます。 おすわりの最初は、手を使って姿勢を安定させるため、手がうまく使えないこともありますが、徐々に手を使わなくても安定して座れるようになるため、両手が自由に使えるようになると、より自由な手の動

子どもの運動発達 その2 【首の座り・寝返り】

今日は4〜6ヶ月。 定頸と寝返りについてのお話です。 ・子どものからだの発達には順序性があります。(運動発達の原則) ・動きの意図的なコントロールは頭部から尾部へ発達します。 ・運動のコントロールは身体の中心を縦に通る正中線から外側へ向かって発達します。
 ・神経系が成熟し、多様な刺激を受けてそれに適応していくことで数々の動きを身につけていきます。 ・そのため、焦って難しいことをさせるのではなく、いまできていることを積み重ねて質を高めていくことが、次の発達につながっていきま

「なんでやってくれないの〜!?」

これは、子どもに関わる多くの人が感じていることではないでしょうか? 理由は沢山あると思いますが、一番は「大人がやって欲しいこと」と「こどもがやりたいこと」にギャップがあるからです。 そこで今回は、私がこどもとセッションでしている方法をご紹介します。 こどもはやりたいことをする存在大人はこの子の将来にとって困るかもしれないから、できることが増えるように、お手伝いしたいなぁと思って関わります。 つまり大人は、未来志向型。 でも、こどもは今が全て。未来のことなんて考えていま

感覚が変わると、人生が変わるかも。

「心が変われば人生が変わる」あなたもこんな言葉を聞いたことがありませんか? 心が変われば、態度が変わる。 態度が変われば、行動が変わる。 行動が変われば、習慣が変わる。 習慣が変われば、人格が変わる。 人格が変われば、運命が変わる。 運命が変われば、人生が変わる。 ①心→②態度→③行動→④習慣→⑤人格→⑥運命→⑦人生の順に変化が起きるというフローを示しています。 なので、まず最初の心を変えてみよう。気の持ち方を変えてみよう。そしたら人生も変わるかもっていう話です。 で

子どもの運動発達 その1 【0〜3ヶ月】

赤ちゃんが生まれてから歩くまでの大きな流れを説明するシンプルな話、覚え方とともに。 ①首がすわるまで(0〜3ヶ月) ②4ヶ月 首の座り(定頸) ③56ヶ月 ゴロゴロ(5656)寝返り ④7ヶ月 ナナ(7)ちゃんおすわり上手 ⑤8ヶ月 はいはい(8181) ⑥9ヶ月 クッ(9)と、つかまり立ち ⑦1歳 歩きはじめ ざっとこんな感じ。 学校の勉強ではただ覚えるだけで終わってしまうことも多い正常発達。 でも、運動発達は、その後の人生をつなぐ大事なもの。
 実際はそれぞれの

不機嫌そうな君 【聴覚の話】

「べらべらとしゃべる男はあんまり好きじゃなかったのにな〜」 車の助手席で平気でそんなことを言う君に対して僕は平気で喋り続ける。 疲れているんだろうか、僕は全く疲れないけど。 「疲れてるの?」 「ううん」 「あれかな、僕の声が低いから?」 「うーん、でも私耳があんまりうまく聞こえないから電話でもよくブチ切れちゃうもんね……」 「それ、聞こえにくいんじゃなくって、フィルタリングが悪いっていうんだよ。カクテル効果って知ってる?」 「知らなーい」 注)カクテル効果と

前庭感覚について

前庭感覚を知っていますか? 感覚の中でもとーっても大事なのに、世の中では五感「視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚」のことばかり取り上げられるので(というか知られていないだけか)寂しい思いをしていた前庭感覚から、先日相談を受けたので、ここで紹介をしていきたいと思います。 耳で感じる感覚、聴覚ではなく半規管という受容器で感じる感覚のことです。 揺れ、重力、スピード、回転などを感じます。 今回はその感覚の特徴、それがどういう意味合いがあるかを検討していきたいと思います。 前庭感覚

視覚について

今回の感覚は、視覚です。生まれたばかりの赤ちゃん、実はあまり目が見えていません。 もしかすると赤ちゃんにとって、世の中の情報は多すぎるのかもしれません。 そして、少しずつ視力は上がっていきます。 発達の初期には、こどもは手に触れたモノをなんでも口に運んで遊びます。 それは、口の中にある触覚の方が手の触覚よりも敏感だからです。 そのうち口に運ばなくても、手で触れるだけでモノがわかるようになっていきます。 最終的には触れなくとも、目で見ただけでモノがわかるようになりま