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サマを見つける練習

2014年チャック・ミラー先生の指導者養成コースを受講しました。チャック先生はグルジの最初の頃の生徒さんです。

講義の一番最初にチャック先生は、
「謙虚であること。
先生はいつも生徒であること。
ビギナーズマインド、初心を大切にすること。
ビギナーズマインドはアーサナの練習に不可欠なもの。まっさらな状態から再出発することで、私たちは自分を観察し、習慣的なパターンから自分を切り離すことができるようになる。」
と話されました。

当時学んだことは今でも自分の練習、クラスで生徒さんを観察する時の軸の1つとなっています。

初日は、”サマスティティヒ”だけの講義でした。それは、”ヨガとは内なる静けさにとどまること” サマーディ・パダ(Samadhi Pada)にある定義が、サマスティティヒの中にあるからでした。

Samadhi  pada
Sama=oneness / 一体、dhi=とどまること
Samasthiti(サマスティティヒ)=バランス、落ち着きと静けさがあること

サマスティティヒの基盤となるのは、肩、骨盤、足。そして中心を見つけること。
小さいバランスを積み上げて、安定と落ち着きを築いてきます。

自分の身体や身体の使い方に"癖"があると、バランスを崩すことがあるかもしれません。時には痛めることもあるかもしれません。癖を強めていかないことが大切です。

そして、ストレスなポイントがあればそこを無くしていく。
攻撃的にしない。優しく取り組む。弱いところや痛いところは守る。
そして状態を感じて、観察する。

観察することを忘れないでバランスを求め続け、姿勢の中にサマを観ることで癖を見直せるのです。体はいつもバランスを探しているので、それを注意深く感じとることを止めないでいると、感覚は内から目覚めていきます。

そして、もう一つ大切なこと。

「正しい方向に、正しい努力で、正しい呼吸で、思い込みを無くして自由を作る。たくさん進むこと、早く進むことは大事ではない。良い質で進むことが大切。
その時に、呼吸は素晴らしい鏡となる。呼吸が一番大切。そうでなければ、あなたはエネルギーを失ってしまう。」とチャック先生はいつもおっしゃっていました。

どのアーサナにもサマスティティヒ(バランス、落ち着き、静寂さ)があること。
ポーズ、呼吸、意識もサマ、一つであること。
ポーズは生きていて、内側から広がっていくこと。
その一体の中で集中を深めていくこと。

講義での話はアーサナの姿勢と生き方の姿勢を重ねたものでした。

「意識を広げて自分の調子や、態度、見方、反応、感情の癖やパターンを観ていく。そしてそこから自由になる道を見つけること。そうしないと、その癖があなたを駆り立てます。」

癖やパターンを見つけて、もしそれを自分が変えたいと思うものなら、自分が変化していくことを経験します。
パターンは無意識で、とてもパワフルで、引きずられやすいものです。

観察をするということは気づけること。気づくと、そこへの意識を変えることができます。それは簡単ではありませんが、変化しようとすることを止めなければ、少しづつ変われると思っています。

「自分の身体の声に耳を傾けることを止めないで。そうすれば、今を大切にすることができる。一瞬一瞬の意識が広がれば、あなたはより良くなっていき、人生はより豊かになります。」そして、
「グルジはいつも言っていた。"ヨガの練習は身体的トレーニングではなく精神的トレー二ング。そしてそれが日常に活かされなければ意味のないこと”」とチャック先生は言っていました。

ヨガは壮大なプロジェクト。終わることのない旅なのです。











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