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32歳、やっと子どもが欲しくなった

私は最近、32歳の誕生日を迎えた。
結婚生活は、約4年半となる。
このタイミングで、やっと子どもが欲しくなったので、その心境の変化を綴ってみようと思う。

まず、結婚生活がスタートして最初の2年くらいは、自分のことに精一杯で、そのような心境に至らなかった、というのが正直なところだ。
結婚と同時に都内から地方へ引っ越したこと、夫との関係構築が大変だったこと、転勤帯同生活を送る覚悟が足りず、転勤特有の問題で悩んでいたこと、地域の人と馴染むのが大変だったことetc...今では考えられない量の問題が山積みだった。

このような問題が、全部ではないが8割くらい解決し落ち着いた頃、今度は周囲の人に「子どもはまだか」といったようなことを言われるようになる。
ある程度の都会に住んでる方には考えられないと思うが、地方では(地域によるとは思うが)、本当に悪気なく子どものことについて聞かれたり、産む前提で話をされる。
ある程度の年齢になったら結婚して、その後すぐに子どもをもうけるのが当たり前、という風潮があるので、当たり前のことをなぜやらないのか?と単純に疑問を感じるようだ。子どもがいないことを告げると、「早く産んだほうがいい」と誰もが知っている無用なアドバイスをされるところまで、お決まりのパターンである。
また、親に言われたことはないが、祖母にも同様のことを言われた。
私はずっと、前述の問題で悩んでいて、やっと落ち着いてきたところなので、まだ考えられないと思っていたし、デリケートな問題なのだから触れないでほしい、と思っていた。

しかし一方で、なんとなく産まないといけないのかな~という気持ちもあり、悶々としていたのが次の2年だ。
一度、子どもを産むということについて、真剣に突き詰めて考えたこともある。産むという行為は、親のエゴなのではないか?世間体や自分の老後のために、命を生み出して良いのか?等々。
そんなことを考えながら、私は新しい趣味を見つけて没頭、仕事もそれに関連したものに変えて、頭の片隅に子どものことはありつつも、見ないふりを続けていた。

転機となったのは、半年前に転勤がきまり、現在の土地へ引っ越したことだ。
前の土地を経験したことで、私も夫も成長しており、環境に馴染むまでが早かったように感じる。そして、ありがたくも居住環境が良く、車の運転さえできれば、かなり便利に・快適に暮らせる(運転に関しては猛特訓を行い、10年来のペーパードライバーを返上)。
幸運なことに、職場にも恵まれて、特に生活に関する不満がない。
それと同時に、夫との関係も良好になった。
このように、自分の生活基盤が安定したので、やっと子どものことに関して考えるようになった、きっかけの一つになったと思う。

また、もう一つのきっかけとしては、子どもを産む以上に楽しそうなことが、今後見つけられないと思ったことが大きい。

私は、結構やりたい放題に人生を歩んできており、学生時代は学生なりの遊びを楽しんだし、社会人になってからは資金力が増し、仕事も含めて、大いに人生を謳歌した。
海外・国内旅行は、学生の頃から散々行っているので、一旦は満足しているし、その他の思いつく限りの遊びは全て経験した。
人間は、初体験の事柄はなんでも新鮮だし楽しいけれど、複数回重ねて経験するうちに、やる前から大体どういうものか想像がついてしまい、期待を超えてくることが滅多になくなって、飽きていくんだと思う。

また、転勤帯同生活を今後も送っていく中で、人間関係を広げる、といった意味合いで子どもを持つことは大きいと思う。
長引くコロナの影響で、人とのつながりの大切さを実感したし、地域の人とつながるには、ちょっとした片手間の仕事だけではどうしても足りなくて、子どもという存在に頼ろうかなあ、と考えたのだ。

このように、自然に子どもについてポジティブな興味がわいてきたので、人それぞれ適切なタイミングがあるということを痛感した。
タイミングが来ない人もいると思うけど、それはそれでその人の人生なのだから、いいと思う。
また、私はタイミングとしてはちょっと遅いかな~と思うし、授からない可能性もあるけれど、自分のタイミングではなかった過去のどの局面でも、子を授かっていたとして、今望んでいる未来にはならなかった確信があるので、後悔はない。

そういえば、悶々としていた時期に、大学時代の恩師と再会する機会があり、「子どもをまだ産む気にならない。でも、社会貢献や少子化を考えると、産まなくてはいけないのか、という気持ちもあり、悩んでいる」と打ち明けたことを思い出した。
先生は、「自分の幸せのために産めばいいと思う。自分が幸せだと思わないなら、産まなくていい。社会貢献なんて考えなくていい」と言ってくれた。
先生は二児の父親だ。当時、私の周囲には、理由なく、子どもを早く産みなさい、と言ってくる人が多かったので、大変救われた。
また、この時は自分の幸せのために産む、という言葉の意味がピンとこなかったけれど、今になってようやくわかった。
Y先生、ありがとう。

(2021年12月 追記)
妊娠発覚しました。

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