見出し画像

#76 1年間スタジアムに通って感じたこと

以前、サッカー解説者の細江克弥さんが、こんなことをおっしゃいました。

「1年間、1つのチームを現地で応援し続けるという経験をしてみてほしい。スタジアムに通い続けることでしか味わえないものがある。」

スタジアム観戦が素晴らしい体験であることは言うまでもありません。
間近で感じるプレーの迫力やサポーターが生み出す熱気は、現地でしか味わうことのできないものだからです。

しかし、それを1年間続けることにどんな意味があるのか、と思う方もいるでしょう。
実際、当時の僕もその意味がわかっていませんでした。

今回は、昨シーズンガンバ大阪のホームゲーム全試合を現地観戦して感じたことを、みなさんにシェアさせていただきます。


1.年間パス購入

今から1年ほど前、ガンバ大阪の年間パスを購入しました。
(年パスとは、1年間ホームで開催される全試合を見られるチケットです。)

ちょうどサッカー観戦の戦術的な楽しさに目覚めた時期で、「J1の試合を生でたくさん見たい!」と思ったのが購入の動機でした。
僕が本格的にサッカーを見るようになったのは、僕が大学生になった2021シーズンからなので、年パスを買うのはもちろんこれが初めてでした。

当時は全試合見に行くなんて全く思っておらず、「元が取れたらいいなぁ」くらいの感覚でした。
ところが、僕は現地観戦の楽しさにどんどんのめり込んでいきます。
試合結果に関わらず、観に行けば必ず感情を大きく揺さぶられる体験をし、「次の試合も行きたい」と思わされました。

いつしか、ホームゲームのある週末が一番の楽しみになっていました。
年パスという黄金のチケットが、僕の心をつかんで離さなかったのです。

2.シーズン総括

2023シーズンのガンバ大阪は、まさにジェットコースターそのものでした。開幕から6試合勝ちがなく、一時は最下位にまで転落したかと思えば、シーズン中盤の夏場には、8試合で7勝1分0敗と圧倒的な数字を残しました。
終盤には再び連敗を重ね、最終的には16位フィニッシュと、本当に浮き沈みの激しいシーズンでした。

決して良い1年とは言えませんが、こんなに慌ただしいシーズンの年パスを買えたことは、非常に幸運だったと思っています。

なぜなら、シーズンを通した感情の移り変わりを肌で感じられることこそ、1シーズンの間スタジアムに通い続けることの醍醐味だからです。

3.序盤の焦燥

そんな2023シーズンにおいて、序盤に強く感じたのはクラブの焦燥感です。

新たにスペイン人のポヤトス監督を招聘し、大きくスタイルを変革させたガンバでしたが、序盤は勝てそうで勝てない試合が続きました。
試合内容は悪くないだけに、「あとは結果だけ」という状態でした。

何よりの特効薬である勝ち点3がなかなか得られない焦りやもどかしさを、序盤戦のスタジアムではひしひしと感じました。

クラブ全体にのしかかるあの暗い雰囲気は、DAZNでは感じられなかっただろうと思います。

それだけに、第7節のホーム川崎戦で得た勝利は格別なものでした。
アラーノ選手の超絶ゴラッソは忘れることはありません。

4.真夏の逆襲

第15節のアウェイ新潟戦を皮切りに、ガンバの快進撃が始まります。
リーグ戦4連勝の後、引き分けを挟んで再び3連勝、その間もルヴァンカップでダービーに勝利するなど、まさに常勝軍団復活でした。
特にホームでは5連勝とめっぽう強く、複数得点を挙げて逃げ切るという、お決まりの勝ち癖ができていました。

相手がどこのチームだろうと負ける気がせず、自分がガンバ大阪サポーターであることがすごく誇らしかったです。(もちろん今もですが!)

たくさんゴールを喜び、たくさん「広い世界に」(勝利時のチャント)を歌えて、本当に幸せでした。

ガンバEXPO勝利の翌日、ファン感謝祭で選手とともに大笑いしたのは、夏の一番の思い出です。

5.終盤の諦念 それでも前を向け!

世の中は諸行無常。絶好調にもいつか必ず終わりが来ます。
ガンバの快進撃も永久ではありませんでした。

浦和に3連敗(リーグ・ルヴァン2回)した9月ごろから、再びガンバの調子が落ち始めます。
終盤には連敗がかさみ、結局ガンバは16位でシーズンを終えました。

無冠が確定したシーズン終盤には、タイトルへの望みが絶たれたことに対する諦めや、やりきれない気持ちがスタジアムを包んでいました。

しかし、選手やサポーターの心にあったのは、マイナスの感情だけではありませんでした。

ガンバに関わる全員が前を向き、来る2024シーズンに向けて、少しでも何か残すべく残りの試合を全力で戦っていたのです。

連敗中には変則的に3バックを試すなど迷走していた時期もありましたが、最後の数試合は原点に立ち返り、来年も踏襲するであろうスタイルをしっかりと見せてくれました。
最終節には王者ヴィッセルと互角以上にやりあうなど、「なんとしても来年に繋げる」という、ガンバ大阪の意地が見られました。

ほぼ満員となったパナスタを埋めていたのは、神戸の優勝を願う人々だけではなかったはずです。

6.まとめ

2023シーズンもいろいろなことがありました。

序盤の焦燥も、真夏の逆襲も、終盤の諦念も、今や最高の思い出です。

先ほども申し上げたように、こんなに感情の波のあるシーズンを現場で体感できて本当に良かったと思っています。

これこそが、1年間スタジアムに通うことでしか感じられない感情の移ろいなのです。

みなさんもよかったら年パス買ってみてください。
全試合は行けなくても、何かしら雰囲気の変化を感られるはずです!!


久しぶりの長文、読んでいただきありがとうございました。
ではまた!


この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

記事を読んでいただきありがとうございます。 よろしければサポートもお願いします🙇‍♂️ 頂いた分は記事のネタ作りに使わせていただきます!