過ぎ去りし時間は誰にとっても輝いている(37-50)
曇り空に少し高い気温が遮られる感じですが、午後はどれだけ上がるか心配です。皆さんがお住まいの地域はいかがでしょうか?
暑さのせいで自宅以外はエアコンがガンガン効いているので、買い物などの外との出入りで身体が怠く、日中の読書が進まず、やっと熱が収まる夜更けに本を読む日が続いています。
読み終え今日紹介するのは初読み作家、池永陽氏が2018年に発表した作品。
私のように古き良き昭和時代を生きたおっさんたち主人公が、昨今問題化されている商店街の生き残りをかけ活躍する作品だけに、懐かしさとともに昭和生まれの私たちが令和の時代にどう生きて行くのかを問題提起しているともとれる作品です。
自らの過ちで娘を死なせた裕三は、二十数年の間、苦悩の底にいた。いまや絶滅危惧種ともいえる謎のおっさん源次は、生死の狭間でもがいていた。そして、高校生だけど昭和が大好きな翔太と幼馴染みの桐子。翔太は、レコード店の七海に恋をするが…。それぞれが自らの弱さと向き合いながら、支え合い、真っ直ぐに生きる「昭和黄昏商店街」の仲間たち。その絆は、町おこしを通じて深まり輝いていく―。“昭和”が大好きなおっさんたちに、レトロな男子と奔放な女子高生が加わって、町おこしが始まった。ザ・昭和な「映画館」「角打ち酒場」「歌声喫茶」などを舞台に綴られる、恋と人情の連作集。笑いと涙溢れる七編。(「BOOKデータベースより)
町おこしとちょっと謎解きのような短編が7つ収められているのですが、若くて頭脳優秀なのにシャイな翔太と商店街のおっさんたちがうまく向き合い、協力していく心温まるお話ばかりです。
女性として、一人の妻としてとても好きだったのは「恋文」
昭和の男女、夫婦ならではのお話で、私もときめいてしまいました(笑)
実は私の住む田舎町でも「町おこし」がキーワードのように語られていますが、私はあまりこの言葉に良い印象を持っていません。
事業に大きなお金が動き、新たな事業、まちづくりはすぐ撤退され、高齢化が進んでいる町に若者の姿は消え、どんなに足掻いても彼らの流出歯止めが効きません。
むしろこの小説のように今残っている昭和の町、人間を大切にすべきだと思っているからです。
もちろん小説のように高校生を巻き込めることができたら、孫世代の活躍を願う高齢者の生きる原動力にもなると思いますが、現実は難しいです(苦笑)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
夫は暑い中ゴルフです。私は涼みつつ次の本を手に取ろうと思います。
皆さんもどうか無理のない1日をお過ごしください。
※今日はこんな音楽をバックミュージックとして流して書きました。
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