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読書備忘録

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#新潮社

あいにくあんたのためじゃない

おはようございます。GW明けの火曜日、朝から本の感想です。お疲れの方も多いと思いますが、どうかお付き合いください。 読んだ本の紹介 今回読み終えた作品は、柚木麻子さんの「あいにくあんたのためじゃない」 この作品は、2024年3月21日に新潮社から256ページのソフトカバー単行本として出版されています。 あらすじ Amazon等で紹介されているあらすじは、 この本を選んだ理由 とにかくこの本の題名が印象的です。この本を手に取ったのは、GWに特別な予定もなかった私が

アンソーシャル ディスタンス

おはようございます。お天気はいいものの、思いのほか朝は冷えて、朝日にあたろうと珍しく早起きしました。 さて、昨日は金原ひとみさんの「アンソーシャル ディスタンス」を読み終えました。 現在では文庫本が発売されているようですが、私は2021年5月26日に新潮社から発売された288ページの単行本を読みました。 Amazon等で紹介されているあらすじは、 実はこの本もまた「鈴木保奈美のあの本読みました?」という番組で、平野啓一郎さんが紹介されていて、読み始めました。 私も多

不思議な感覚を味わう

こんにちは。毎日が休日の私ですが、「7つの習慣」の書籍実践サークルに参加を決めたので、まずGWにまとめて文学作品を読み終えようと決心しました。 5月最初に読み終えたのは、角田光代さんの新作「方舟を燃やす」 2024年2月29日に新潮社より432ページの単行本として発売されています。 Amazon等で紹介されているあらすじは、 この作品を読んだきっかけは、作品を手に取った時に、参考にされた地方の町、協力された方のお名前を知っていたからです。 実際に読み終えて、本作品の

わたし定時で帰ります3〜仁義なき賃上げ闘争編

彼岸の中日、全国的に大荒れで、我が町も朝から冷たい雨と風の吹き荒れています。こんな日は出かけずに、読書で過ごそうと思います。 今日は昨日読み終えたこの作品を紹介します。 読み終えた作品 2023年11月29日に新潮社から480ページの文庫本として発売されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 第1作は現在、大河ドラマで主演を務める、吉高由里子さん主演でドラマ化されました。 長時間労働による過労死、労災認定等の話題の中、定時で仕事を終え、帰宅するということが、今

宮島未奈著「成瀬は信じた道をいく」

ここ数日体調が思わしくなく、昨日思い切って髪を切り、夕飯もそこそこに早めに横になったので、少し耳鳴りも治った気がします。 私の苦し紛れのつぶやきに温かいコメント、いいねをいただき、ありがとうございました。 今日は悪い気分を一掃しようと読んだ本を紹介します。 読んだ作品の紹介 2024年1月24日に新潮社から、208ページのソフトカバー単行本として出版されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 デビュー作にして14万部を突破し、本屋大賞候補作にもなっている「成

ニューヨークに生きる人々の悲喜劇

今日は、やっと読み終えた本を取り上げます。本の紹介はずいぶん久しぶりです。どうぞ最後までお付き合いください。 読んだ作品の紹介 「ブルックリン・フォーリーズ」 著者はポール・オースター 日本語訳は柴田元幸 2020年5月28日に新潮社から464ページの文庫版が出版されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 今年は文藝作品では、特に今までじっくり読んだことのない作家を読もうと考えています。韓国の作家が続いていましたが、今回はアメリカの作家で、柴田元幸さんら翻訳家に

人生で大切なことって、帰りたいとこに帰れることや

おはようございます。主治医のアドバイスで、自分のペースを大切にしてきたら(いつもは夫のペースなので)早起きもできるようになってきました。 今日は益田ミリさんの作品です。 読んだ本の紹介 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 発売日 ‏ : ‎ 2023年6月29日 単行本 ‏ : ‎ 272ページ 期待もせんと絶望もせんと、それでも人は生きていける――。予期せぬ展開に心揺さぶられる、著者史上最長編の感動作!(帯紹介) この本を選んだ理由 最近の漫画作品の中では、ダントツに

死生観と向き合う

こんにちは。随分と気温が下がりました。皆さんのお住まいの地域はどうでしょうか?私にとって、辛い季節の到来です。 さてこの2週間、思いがけず死生観と向き合う作品と出会いました。 この作品がこちらです。 特に坂本龍一さんの自伝は読んでいて苦しくなることもあり、途中今村翔吾さんの歴史小説ガイドを読んだりもしましたが。 坂本龍一さんが亡くなった時はとてもショックでした。同じ時代を生きて、好きだった作曲家・音楽家でもあったからです。今回自叙伝を読んで、彼の生き様を改めて知り、ま

語り草となった大事件、その真相は?

おはようございます。土曜日の朝、いかがお過ごしですか? 私は久しぶりに早起きして、本を1冊読みました。以前書きましたが、なかなか読み進めることのできない2作品は置き、新たに読み始めたら、この作品はすんなり読むことができました。 読んだ本の紹介 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 発売日 ‏ : ‎ 2023/1/18 単行本 ‏ : ‎ 272ページ この本を選んだ理由 著者がこのところ多くの賞を受賞し、さらにこの作品で第169回直木三十五賞・第36回山本周五郎賞を受賞し

成瀬は天下を取りにいく

おはようございます。沖縄地方は台風の影響が続いていますが、本州は連日の猛暑、私たち夫婦も昨夜から私の実家に泊まっています。 いつもですとこちらはインターネットの環境がなく、滞在時間もわずかでしたが、昨日から我が家のWiFiを持ってきたので、スマホの通信量に気兼ねなく、ネットを使うことができています。もちろんnoteもです。 今日は数日前に読み終えた本の紹介をします。 読んだ本の紹介 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 発売日 ‏ : ‎ 2023/3/17 単行本(ソフトカ

一息一息の、生と死のあわいのような苦しさ

おはようございます。コロナ感染から4日目。身体はまだ本調子でないけれど、発熱による洗濯物が溜まってきたので、まず洗濯を済ませました。 今日はコロナ感染前から図書館から借りてきて、やっと朝読書で読み終えた作品を紹介します。 読んだ本の紹介 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 発売日 ‏ : ‎ 2023/5/31 単行本 ‏ : ‎ 224ページ この本を選んだ理由 コロナに感染する前に本の装丁に惹かれて、図書館から借りてきました。 あらすじ 感想 224ページの中に

生命の輝きと歴史の息吹が交錯する

こんばんは。いつもと違う時間に更新です。一日バタバタしたせいですが、皆さんにとってはこれが普通なのかもなと思ったりします。 今日は読んだ本の感想です。 読んだ本の紹介 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 発売日 ‏ : ‎ 2022年9月29日 単行本 ‏ : ‎ 320ページ この本を読んだ理由 私の住むいなか町同様の石見銀山という山里深い田舎が舞台の直木賞受賞作品だったからです。 あらすじ 感想 作中ではウメが自身の力で生き抜くために奮闘し、困難に立ち向かう姿が

作家の執念と意志の強さで込められた最期の言葉

こんにちは。6月最初の土曜日、いかがお過ごしですか?台風による大雨が各地を襲いましたが、被害に遭われて皆様にお見舞い申し上げます。 さて今日は山本文緒さんの最後の著書を紹介したいと思います。 この作品を選んだ理由 私自身、胆管に石を持っており、毎年人間ドックで検査してもらっているのですが、父を癌で亡くし、母が認知症となった今、著者が亡くなる前に書かれた日記が、今の自分に意味があるような気がして手に取りました。 読んだ作品の紹介 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 発売日

冤罪事件に迫る衝撃的な真実

10月から12月にかけて地上波TVで放映、Netflixでも配信の関西テレビ制作「エルピス」は心の奥底に残る作品で、この作品が多くのノンフィクションをもとに描かれていることを知って、その中で一番読みやすそうな作品を1冊読みました。 読んだ本の紹介 2016年5月28日新潮文庫出版 文庫 ‏ : ‎ 509ページ あらすじ 感想 5人もの少女たちが姿を消し、その事件が“解決済み”とされている現実に、何かが違和感を覚えてしまったという著者の言葉にまず私は深く考えさせら