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読書備忘録

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2021年10月の記事一覧

本心

昨日はどこにも出ずにじっと家でこの作品を読みました。 舞台は2040年代。私は生きていないと思うけれど、近未来というよりもすぐそこの時代と感じました。 主人公はシングルマザーの母を突然の事故で亡くし、AIとVRの技術を使ったVFという再生した母を作ります。息子として、「自由死」を望んでいた母が理解できず、再生によって母親の「本心」を知ろうとすることが軸の物語。 また登場するリアル・アバター、バーシャル世界という存在も今後を語る上でとても重要なキーワードになっていました。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

昨日久しぶりに1冊本を読み終えました。その本がこちら 2019年日本中で話題になった「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の続編で、帯にこの作品で完結とあります。 今回もたくさん考えさせられる話題が満載ですが、13歳で今まで通っていたカトリック系の小学校から人種多様な中学に通学する「ぼく」と、彼を取り巻く人々には驚きと共に感激する場面が満載でした。 帯にも書かれている学校のコンサートで、ソウル・クイーン」となったアフリカ系の少女と彼女の母親の話は日本ではなかなか

高校事変Ⅺ

先日久しぶりにこのシリーズのKindle本を購入して読みました。 久しぶりに読んだので、主人公たちの気持ちに入っていけるか、少し心配でしたが、シリーズが世相を反映しながら主人公をアップデートして活躍させていることに感心しつつ、物語に引き込まれあっという間に読み終えてしまいました。 シリーズものは完結するまで気になります。きっとこの次も購入することになるでしょう(苦笑) 慧修学院高校襲撃事件後、日本で緊急事態庁が発足。喫緊の問題を次々と解決に導いたことで、内閣支持率は急激

追憶の烏

昨夜は図書館から借りてきた阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」第2部第2巻を読み終えました。 このところ実家に通い、図書館へ行く時間がなく、予約していても借りられなかったりと本と向き合う時間が減っています。 そんな中やっとこの作品が貸出可能となり、日曜日に借りてきたのです。 猿との大戦の後、山内では一体何が起こっていたのかーー? 前作『楽園の烏』で描かれなかった山内の“その後”が明らかに(Amazon内容紹介) 物語の初めはとても穏やかに展開したのですが、雪哉が下界(人間