マガジンのカバー画像

読書備忘録

566
本を紹介したnoteをまとめています
運営しているクリエイター

2021年5月の記事一覧

バイオレンスにハマる?!

以前からAmazon等で知っていたけれど、題名からシニアの私には理解しにくいものだろうと、頭から思っていて手を出せずにいました。 このところ自身の持病の悪化で家から出ることができず、また図書館に予約した本も順番が来ず、思い切ってKindle本を購入しました。 既にシリーズで10巻も出ていてびっくりしましたが、とりあえず5巻購入しました。 まずは第1巻を読み終えたのですが、思いがけない面白さにあっという間に読み終えました。とにかく読む前の情報が無かったのも良かったと思

ゆたかな時間をすごし合うもの同士が、ひとときを重ね合う、心満たされる時間

おはようございます。激しい雨音で久しぶりに早起きしました。 さて昨夜読み終えたのはこちらの作品です。 二階建てのレトロな洋館に、ステンドグラスの嵌め込まれた観音開きの扉。ドアの両側には二つずつ背の高い格子窓。そこから見える満月のような照明と、おいしそうな香りが漂ってきたら間違いなし。そこが「うしろむき夕食店」だ。“うしろむき”なんて名前だけど、出てくる料理とお酒は絶品揃い。きりりと白髪をまとめた女将の志満さんと、不幸体質の希乃香さんが元気に迎えてくれる。お店の名物は「料理お

私は私のままで生きることにした

悶々として、ベッドから起き出すも、また横になるを繰り返した昨日、この本を読みました。 私たちはみんな、ヒーローになること、特別な何者かになることを夢見ていた。だけど今では、世界どころか自分を救うことに必死な大人になってしまった。中途半端な年齢、中途半端な経歴、中途半端な実力をもつ、中途半端な大人になった私たちは、誰もが大人のふりをしながら生きている。本書には、今を生きる普通の人へのいたわりと応援を詰め込んだ。何が正解なのかわからない世の中で、誰のまねもせず、誰もうらやまず、

「同一生」とは何か

昨夜は青山七恵さんの作品を読みました。以前著者の作品を読んだつもりだったのですが、私のブクログ本棚を検索、初読みであることが判明。記憶の曖昧さに苦笑いしています。 逃げ出そうとしたときには、もう遅かった。新人賞を受賞したものの小説を一冊も刊行できていない律は、ファンを名乗る女性から亡くなった姉の伝記執筆の依頼を受ける。その姉は、生前の姿形が律と瓜二つだったという。取材を進めるうち明らかになる姉妹の確執、家族の秘密。律が開けたのは、パンドラの箱だった―。予測不能のラストに向か

夢を見る人というのは、現実が見えないかわりに悠久の時を遊ぶことができる

日曜日の朝、いかがお過ごしですか?私の住む田舎町周辺でワクチン接種が始まりました。隣町に住む夫の母がこれから接種するというので、夫が付き添いに出かけました。わずかな一人時間を楽しめそうです。 さて、中村文則さんの長編を読み終わり少し休んだところで、夜借りてきていた高樹のぶ子さんの短編集を読みました。 登場する作家が生まれた頃から慣れ親しみ、今も所有している一つの火鉢に、有為転変の来歴を与える 「旅する火鉢」「深紅よりもっと鮮やかな朱赤」と描写される椅子をモチーフにした 「

絶望なんてできないんだよ。明日何が起こるかもわからないんだから。

週末の土曜日の早朝、今にも雨が落ちそうな空模様の中夫はゴルフに出かけて行きました。おかげで私の朝家事を早々に終えて、ここ数日格闘していた中村文則さんの「カード師」を読み終えることができました。 占いを信じていない占い師であり、違法カジノのディーラーでもある僕に舞い込んだ、ある組織からの指令。それは冷酷な資産家の顧問占い師となることだった──。国内外から新作を待望される著者が描き切った、理不尽を超えるための強き光。新たな代表作、誕生!(Amazon内容紹介) 著者の前作「逃

抱え込んで諦めて、嘆いて、それで終わっていた

おはようございます。今週が始まりました。いかがお過ごしですか? 雨の週末は津村記久子さんの作品を読みました。 とある町の、路地を挟んで十軒の家が立ち並ぶ住宅地。そこに、女性受刑者が刑務所から脱走したとのニュースが入る。自治会長の提案で、住民は交代で見張りをはじめるが……。住宅地で暮らす人間それぞれの生活と心の中を描く長編小説。(Amazon内容紹介) 舞台はどこか都心から離れた小さな町の路地に面した十軒。まずはその十軒が各々に問題を抱えていることが語られます。そしていつ何

親子ほどやっかいなものはない

昨夜寝る前にベッドの中でこの作品を読みました。 職を失い、自転車旅行の最中に雨に降られた青年・栗田拓海は、年季の入った一軒の建物を訪れる。穏やかな老人がかつてペンションを営んでいた「ムーンライト・イン」には、年代がバラバラの三人の女性が、それぞれ事情を抱えて過ごしていた。拓海は頼まれた屋根の修理中に足を怪我してしまい、治るまでそこにとどまることになるが――。人生の曲がり角、遅れてやってきた夏休みのような時間に巡り合った男女の、奇妙な共同生活が始まる。(Amazon内容紹介)

できるなら過去に遡り君を守ってやりたい

こんばんは。今日は1日実家の用事で出かけていて、すっかりnoteの更新が遅くなりました。今日は昨日読んだこちらの作品です。 最愛の娘が大学のキャンバス内で自殺をした。薬学部教授の大日方敏夫(おびなた としお)は、娘の千佳(ちか)が死を選ぶはずがないと真相を探る。千佳は生前、母である優子に、付き合っている人がいると打ち明けていた。しかし、相手の詳細は知らされておらず、ミステリーの文学賞に応募していることだけを伝えていた。敏夫は付き合っていた相手が殺人犯だったのではないかと疑い

心の隙間を狙う民間療法団体の闇

おはようございます。 中山七里さんが2021年1月に発表された警視庁捜査一課の犬養隼人シリーズの新刊を読みました。 中学生の娘・沙耶香を病院に見舞った警視庁捜査一課の犬養隼人は、沙耶香の友人の庄野祐樹という少年を知る。長い闘病生活を送っていた祐樹だったが、突如自宅療養に切り替え、退院することに。1カ月後、祐樹は急死。犬養は告別式に参列するが、そこで奇妙な痣があることに気が付く。同時期に同じ痣を持った女性の自殺遺体が見つかり、本格的に捜査が始まる。やがて〈ナチュラリー〉という

YOASOBI小説集

週末2冊目に私としては冒険な本を読みました。 コンポーザーのAyase、ボーカルのikuraからなる「小説を音楽にするユニット」 YOASOBI。第1弾楽曲「夜に駆ける」は、Billboard Japan Hot 100で1位を獲得。そんなYOASOBIの楽曲の原作小説4作とYOASOBIの2人による対談を収録。(Amazon内容紹介) 収録内容はこちら↓ 第一章 曲「夜に駆ける」 星野舞夜 著「タナトスの誘惑」/「夜に溶ける」 第二章 曲「あの夢をなぞって」 いしき蒼

嘘も真実も善きも悪しきも重なり切ない家族愛

週末1冊目は宮部みゆきさんの「三島屋変調百物語」シリーズ新刊を読みました。 嘘も真実も善きも悪しきも、すべてが詰まった江戸怪談の新骨頂。 江戸は神田の三島屋で行われている変わり百物語。美丈夫の勤番武士は国元の不思議な〈火消し〉の話を、団子屋の屋台を営む娘は母親の念を、そして鯔背な老人は木賃宿に泊まったお化けについて、富次郎に語り捨てる。(Amazon内容紹介) 富次郎さんに代わって少し話が変化してきて、心の声も楽しく、おちかさんの時より恐怖感というより悲しい物語が多くなっ

コロナ禍を生き抜くヒント

GW読書用に借りた最後の本はビートたけしさんの新書。コロナに対する彼の思いを知りたくて読み始めました。 ウイルスより、よっぽどヤバいぞニッポン人 。まだまだ出てくるバカばかり。 ああ、こんなニッポンに誰がした(Amazon内容紹介抜粋) ●国民に外出自粛をお願いしておいて、自分の妻には言えない前総理大臣 ●スイーツやコミック好きをアピールして「かわいいオジサン」ぶる現総理大臣 ●政権批判ブームが終わったとたん、すっかり黙りこんでしまった芸能人 ●総理大臣が辞めるとなった途

命とられるわけじゃない

村山由佳の猫エッセイ。 『猫がいなけりゃ息もできない』で愛猫〈もみじ〉を看取ってから1年。 平成最後の春におきた奇跡的な出会いのドラマと、50代からの幸せの形に胸がふるえる。愛らしい猫たちや美しい軽井沢の写真を、カラー口絵と本文にたっぷり収録。味わい深い著者直筆コメントも必見。(Amazon内容紹介) 「〈後悔〉と〈愛惜〉とは別のものだ」「愛情は、限られた食糧ではない」 「冷静に考えれば、年を重ねてから楽になったことのほうがずっと多い」 「譲れないことも、許せないことも