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さて、何を話したものか。

はじめまして、BAR TooLです。千葉県は市川市、行徳という町にあります。

最初は何を書いたものかとうんうん唸っていたのだけど悩んでも仕方ないなってことで思いつくままに書き連ねることにしました。駄文をご容赦ください。

読んでくれている人たちの中で、どれくらいの人がBARという場に行ったことがある、或いは行っているのだろう。その中でもいわゆる”authentic”を掲げたお店に行ったことがある人はどれくらいいるのだろう。そして、どんな心持ちで飲んだのか、飲んでいるのか。どういう時にあの重くて開けにくそうなドアを開けようと思ったのか。とても気になる。

今や店を構える人間(ワタクシのことです)が初めてそのドアを開けたのはバイト先の先輩に連れられて、だった。もともと騒がしいのが嫌いで、できればひとりでいる方を好む人間には打って付けの空間で、そこここにオトナな感じがあって、大学生でロクな酒も飲んだことのない20のオトナ1年生はあっという間に魅了された。同時にバーテンダーの取っ付きにくさにいろいろ物怖じもした。だけど通ううちに少しは会話をしてくれるようになり、そのうちまともな会話のひとつもしてくれるようになると「認められたんだな」と嬉しくなった。以来、あちこちの気になるBARに行き、楽しませてもらって気づいたらカウンターの中にいた。もう一度気づいたら店を構えていた。飲み始めた時、「カウンターの中には絶対入りたくないな」と思っていたのに。そう、僕は何となく連れられて行ってあっという間にハマってしまい、あまつさえ職にしてしまった。だから、そのドアを開ける時の躊躇いや惑いというものをほとんど感じることがないのだ。だからこそ、そうではない人たちがどんな心持ちでそのドアを開けるのかにはとても興味がある。それは純粋な興味からでもあるし、また、仕事上の意味においても興味がある。とても。仕事的な話として、それこそがゲストにくつろいでもらうための、楽しんでもらえるための近道だと思うから。けっきょくは仕事のためなんじゃないかと思うかもしれないけど、その感覚をほとんど持ち得ない身としては教えてもらわないとあのドアの重さをある意味において理解できない。だからそれは仕事上の興味であると共にごく私的な、純粋な興味でもある。

できることなら、これを読んでくれたあなたが初めて開けた時の、そして開け続けるその理由を書き残してくれれば幸いに思う。とても身勝手なお願いだと思う。でも、できることなら教えてほしい。



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