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【ウイスキー】スコッチ③ ローランド

ウイスキーを飲み始めると、わからない言葉が色々と出てきますよね。
その中でも外せないのが、「ローランド」という単語。

ローランドのウイスキーを日頃から飲まれる方は数多くいらっしゃいますが
ローランドが何であるのかは意外と説明ができないものですよね・・・
より楽しくウイスキーを嗜めるように、しっかりと解説していきます。

1. ローランドのウイスキーとは

【写真】ローランドのウイスキー

ローランドとは簡単に言うと
「スコットランドの南側、緯度が低い地域」
のことです。

ハイランドと対比してみるとおぼえやすいのでこちらの記事もぜひ。
https://note.com/bar_studio_tv/n/n216ace54d919

いきなり地域の解説に入っても良いのですが
それだと退屈なのでまずはこの地域のウイスキーについて
見てみましょう。

近年どんどん新しい蒸溜所ができているローランド地方ですが、
昔からある蒸溜所は、穏やかな香味のウイスキー造りに長けています
例えば、グレンキンチーは麦芽の風味が強くまろやか、
オーヘントッシャンはスコットランドでは珍しく3回蒸溜を行っており、
ライトな酒質です。
2015年に再開したブラッドノックも滑らかで飲みやすい酒質です。

2. ローランドとは?

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※画像はウイスキーにおけるLowland地域の範囲


では、そのローランドってスコットランドのどの辺りを指すのでしょうか?
え、全然わからない・・・って方、ご安心ください。
おぼえ方はとっても簡単。緯度が低い(low)土地(land)です。

ローランドはざっくり言うと
東の町ダンディーと西の町グリーノックを結んだ線の南側のことです。
ただし、一部の島や半島を除いた地域を指します。
※ハイランドの時と同じく、あくまでもウイスキー上の区分なので
 行政区画などが示すローランドとは定義が異なります。

3. ローランドの環境とウイスキー

【写真】ブレンデッドウイスキーの例

ローランドはスコットランドの南側にあたります。
スコットランドの中では南部という事で比較的温かく、
イングランドに接していることもあるため、人口が集中しています。
スコットランド第1の都市、グラスゴーや首都であるエディンバラ
ローランドに位置します。

そのため、
ハイランドの「こだわりのウイスキーを少数つくる」スタイルと対称的に
ローランドは「万人受けするウイスキーを多量つくる」スタイルで
発展してきました。

具体的には、
モルトウイスキーよりもライトでスッキリしている、
グレーンウイスキーを盛んに製造し、それを用いて写真のような
ブレンデッドウイスキーを製造することに長けている地域です。

蒸留所の数は
モルトウイスキーはハイランド30箇所以上/ローランド10箇所ちょいですが
グレーンウイスキーはハイランド1箇所/ローランド5箇所と
圧倒的にローランドの方が多いのです。 ※2022/1 現在


4. 勢い盛んなローランドでのウイスキー造り

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冒頭でも触れましたが、空前絶後のウイスキーブームの例に漏れず、
ローランドでもウイスキー造りが盛んに行われています。

Aberargie/Ailsa Bay/Annandale/Borders/Clydeside
Daftmill/Eden Mill/Glasgow/InchDairnie/Kingsbarns
(Leven)/Lindores Abbey/Starlaw・・・
というようにモルトウイスキーの蒸溜所が10箇所以上に増えており、
これからの展開が楽しみな地域になって参りました。

Ailsa BayやDaftmillはすでに既製品が市場に出ており、
どちらもなかなか美味しく期待が持てました!


5. まとめ

・ローランドはスコットランドの低緯度地域のこと

・グレーンウイスキーづくりに長けている地域

・新興蒸溜所や蒸溜所の復活が多く、勢いのある地域


※地域区分に関しては諸説ございますので、
 あくまでも大まかな分類の一例と捉えていただけますと幸いです。



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