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エピローグはゆっくりと

朝起きてとりあえず海に行く。

せっかくだからと、釣竿は持っていく事が多い。
そういえば、釣りを日課にしてから、スーパーで魚を買っていない。
ストッカーには、鯵の開きがどっさりと。
でも、1年分あるかな?と思うと、そこまではない。
まあ、そんなに要るかな?


決まった時間に家に戻ってきて、ゆっくりとコーヒーを淹れ、部屋に上がってPCを立ち上げる。
何か書いたり、調べたり。
ちょっと仕事したり。

普段僕が起きる時間、家の人達は起きていないが、島の人は結構起きている。
外を歩いていると、思いの外人に出会う。

犬を連れた近所のご年配に、昔の話を聴く。
「コチか。あれは料理が大変だけど、旨いよな。昔は、何人かで釣りに行くと100匹くらい釣れたんだが。今は減った。」
そんな釣り方してるから、減ったんじゃ…。
と思いつつ、いいですねえ。やっぱり最近は魚へったんですねえ。と返す。


漁港で、漁業を営んでいる知り合いに会う。
「また居るのか。海来すぎだろ笑」
と笑われる。

ふと、将来の不安の話しや、身体の不調の話が出る。
ポツポツと、ああ、どうしよう。という話題がでる。

「しなしなやらんかさ」

そういって別れる。

そう、しなしなやらんかさ。

いい言葉だ。


色々な話が耳に入ってくる。
この毎日はゆっくりとしたエピローグなんじゃないか。
そんな事を思ったりする。
時間が止まったようなこの島で、いつまでこんな風に過ごせるかなぁ。

コーヒーを飲み干すまでの時間は、こんなことを考えて過ごしていられる。
ああ、最後の一滴だ。


さあ、ここからどんどん時間が流れ始めるよ!

いつものように日常を始めよう。

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