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不朽の名作~彼の名演~

本日の鑑賞は―――――――――

シザーハンズ



いつだったか、深夜の洋画枠で放送されていたのをちょこっと見ただけだったけど、あのシザーハンズの男が印象に残ってた!!!

ざっくりあらすじ――――――――――

ある老婆が孫に訊かれる。
雪はどこから来るの?――――――――


ペグは化粧品のセールスをしていて、今日も町に住む人々の家に訪れていたが、あまり成果は得られていなかった。
ふと山の上にお城があることに気づき、そこへセールスに行くことにした。
お城に入ると庭が丁寧に剪定されてあって、美しい庭園が広がっていた。
お城のカギが開いていたので入ると、お城の中は廃れていたが誰かいるかもしれないと思い、声をかけ続けるとそこには人影があった。
そうそこにいたのは、手がハサミになっているなんとも奇妙な人間だった。
最初こそビックリはしたものの、ペグはこの男を見て悪い人ではなさそうだと思い、はさみで切ったであろう顔を手当してあげる。そこで彼の名前を訊く。
彼の名前は ”エドワード(ジョニー・デップ)
この城で一人で住んでいる事を知ったペグは気の毒に思い、一緒に住もうとエドワードに提案する。

初めてお城から出たエドワードは初めての景色に興奮していたが、その様子を見ていた町の人々はエドワードを不審に思う。
自宅に帰り、家族の写真を見ながら家族を紹介するペグ。高校生の娘は今キャンプに行っていていないと言う。エドワードは娘キム(ウィノナ・ライダー)の写真を見て一目ぼれしたのだった。
町の人がこぞってペグの家を訪れ、彼を紹介して欲しいと言う。
ペグも彼の事を知って欲しいと思い、彼を紹介した。
彼の純粋さが受け、町の人々も彼の事を受け入れつつあったが、まだ懐疑的な雰囲気だ。
そんなある日、彼が町の人の庭の剪定をしている途中で、ペットの犬のヘアカットをした。それが評判になり、トリマーの依頼が殺到し、ついには町の奥様のヘアカットまでするようになった。
エドワードの純粋で一生懸命な姿が気に入られ、町の人々も彼を受け入れ、彼に親切にするようになったある日、彼は美容院をしないかと町の奥様達のボスに誘われ、店の下見に行った。
そこで、密かにエドワードを気に入っていたボスに襲わそうになるも、間一髪で逃げ出した。

そんな時、キムは彼氏のジムから”自分だけの車が欲しい。親父から盗む為に協力して欲しい。その為にエドワードに鍵を開けてもらいたい” と言う。
ジムはキムが自宅のカギを失くした時に、エドワードが自分の手を使いピッキングで鍵を開けたことがあったことを思い出し、使えると思ったのだろう。
しかしキムはそんな事にエドワードを巻き込みたくないと言うのだったが、
ジムの頼みを仕方なく聞くことにした。

ジムの仲間とキム、エドワードはジムの自宅に侵入し、車を盗もうとするのだが、セキュリティが作動しエドワードは部屋に取り残されてしまう。
エドワードを助けようとしたキムだったが、ジムに連れ去られる恰好でやむなくエドワードを置き去りにしてしまった。
逃げる車中で何度も戻ってとジムにお願いするも、ジムはそれを聞くことはなかった。

あえなく、エドワードは警察に捕まる。
迎えにきたペグと夫だったが、二人は美容院の開店資金を銀行から借りられなかったことが原因でこんな事をしてしまったと誤解する。
エドワードもキムに頼まれたとは言わなかった。
無事に釈放されたエドワード。自宅に帰るとキムが何故本当の事を話さなかったのかと訊く。エドワードはキムに頼まれたからだと告白した。
そこへジムがやってきた。金持ちのジムは父親にエドワードは障碍者だからと言い、不起訴なんだから別にいいだろ。と言わんばかりの態度。キムはそれが許せなかった。

町の人々もエドワードの事件を当然知っており、エドワードに対する信頼は失墜していた。町の奥様達のボスは自分の気持ちを無下にされたという気持ちから美容院の一件をエドワードに襲われたと吹聴している最中だったから余計だ。
しかしペグたち一家は彼の信頼を取り戻そうと思い、町の人々をクリスマスパーティに招待することにする。
エドワードも氷の彫刻をしたりしてパーティーの準備を手伝っていた。その時ジムがやってきた。その声にびっくりしたエドワードははずみでキムの手を傷つけてしまった。ジムはキムの心が離れていったのはエドワードの所為だと思っており、何かとエドワードを敵視していた。
ジムはエドワードに”町から出て行け” と暴言を吐いた。エドワードは心底傷つき、そして怒りを覚えた。
怒りに任せて町を彷徨うエドワード。しかし八つ当たりしてしまったことで、さらに町の人々の不信感を買ってしまう。
その頃、どこかに行ってしまったエドワードを心配するキム。ペグはエドワードに向けられる好奇の目が彼を傷つけてしまう事を考えていなかった…親切心だけで彼を連れてきたのは間違いだったと告白し、ペグたちはエドワードを探しに行く。
ペグたちが探しに行ったが、自宅にエドワードが帰って来た。
キムは”抱きしめて” とエドワードに言うが、エドワードは”出来ない…” と。
それは自分の手の所為でキムを傷つけてしまうからだ。
キムはそれでもエドワードに抱きしめて欲しかったから、エドワードに抱きしめられにいく。
エドワードはキムを抱きしめながら・・・思う。
クリスマスの日、自分を作ったおじいさんが”手”をプレゼントしてくれたことを―――――嬉しそうに微笑むおじいさんだったが、その瞬間突然亡くなった。彼はこの時、あの手があったなら彼女を傷つけずに抱きしめることができたのにと――――――

その頃、ジムはエドワードに対し憎悪を募らせていた。
仲間とやけ酒を飲んでいた時、キムの家に行けと仲間に言う。
仲間も最初は飲酒運転になるからと断ったが、ジムの様子に従うしかなかった。
キムを抱きしめながら窓の外を見ていると、フラフラ運転の車を発見した。何か嫌な予感がしたので、急いで外に出る。
キムの弟ケヴィンが友達の家から帰ってくる途中で、ジムたちのフラフラ運転の車に轢かれそうになったところを間一髪助けるエドワード。
しかしケヴィンはビックリして暴れた事でエドワードのはさみで顔にケガをしてしまった。その様子を見た町の人々はエドワードが襲っているように映ったようだ。騒ぎを聞きつけた警察と、ペグたち。
ペグは急いでケヴィンとエドワードを連れて帰ろうとしたのだが、そこへ憎悪に満ちたジムがやってきて、エドワードに暴行を加えた。一方的にヤラれるエドワードだったが、抵抗したはずみでジムの腕を切ってしまい、町の人々の不信感は最高潮へ。
キムはエドワードに”逃げて――――”と一言言い、彼はお城へ―――――
警察も彼の後を追いかける。しかし威嚇射撃だけして逮捕せずエドワードを逃がしてくれたのだ。町の人々は不服そうにしていたが、警察は終わったとそれだけ言うのだった。


銃声を聞いたキムはエドワードが撃たれたと思い心配してお城にやってきた。その時ジムがエドワードを殺しにやってきたのだ。
ジムとエドワードは揉み合いになり、止めに入ったキムにジムは手を挙げた。そのことでエドワードは怒り、彼の腹部を刺し、ジムは窓から落ちて、死んでしまった。
そこへ町の人々が抗議にお城へ来ようとしていた。このままではエドワードが危険な目に遭うと思ったキムだったが、エドワードは
”さようなら―――”と
エドワードは怒りに任せジムを殺してしまった事や自分がいることでペグたち家族を傷つけてしまうと思ったのだ。
そしてキムもこのままではエドワードを危険な目に遭わせてしまう…彼はここで静かに暮らした方が良いんだ…とお互い惹かれてはいたが一緒にいることでお互いを傷つけてしまうことが分かるからこそ…
キムは”愛してる―――――”と言いエドワードにキスをする。
その言葉を聞いて微笑むエドワード。

そしてキムは、お城にあった試作品のシザーハンズを持ち、外に出る―――


町の人々がジムの遺体を発見し、恐怖に包まれる中・・・
キムは”屋根が崩れて、ジムも、エドワードも死んだ――――” と試作品のシザーハンズを見せる。
それを見て町の人々は納得して皆帰って行くのだった―――――


老婆は言う―――――――――
その日を最後に二人は別れた――――

そして彼が町にいる時には、雪は降っていなかった―――――
彼が城に帰ってから、雪が降るようになった――――――――――

それは冬になると彼が・・・キム達の事を思い出して、氷の彫刻をしているから。その削った氷が雪のように町に降っているのだと――――
そう懐かしむように…慈しむように言うのだった――――――――――


END

ジョニー・デップ演じるエドワードは言葉数は少ないながらも、表情で魅せてくれる。
幼子のような純粋さを湛え、人造人間らしさがある動き、そしてキムやその家族に向ける優しい眼差し、ジムに対する嫉妬心など、表情だけで感情を表現している。

お互いを想うからこその別れのシーンでキムに愛していると言われた時のエドワーの表情は最高に涙した。
その言葉を噛みしめるように…そしてその言葉を胸に刻むように…
その言葉をエドワードは彼の寿命が尽きるまで、幼子を抱くように…ガラス細工を扱うように…優しく抱きしめながら生きていくんだと…そう思わせる表情だった。
彼は二度も愛する人を失い、独りで生きていくには淋しすぎるほどの時間が流れるけれど、これからのエドワードはペグたちとの思い出とこの言葉だけで淋しさを感じずに生きていけるんだと…そう強く思わされた。



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