チームポイント/ランキング考

8月が終わろうとしている。World Curling Team Ranking System Points (WCTRS points、以下「チームポイント」) については、今まで何回か言及してきたが、我がツキサップCC(または高松製作所、あるいはTakeda、時にKasai、その正体はTakamatu?)について言うと…

獲得ポイントはわずか、というか、メンバーが入れ替わりすぎて同一チームとして積算できない状況だ。上位は絶望、あと1か月で上位チームを逆転できる見込みも(とりあえずは)ない。

ポイント計算についての詳細な説明は割愛するが、考え方としては、対象イベントごとに参加チームの数やランキングを変数として大会の格(強度係数=SFM)を決定し、SFMに基づくポイントが成績に応じて付与されるという仕組みになっている。

ポイントの計算に通じた方は結構おられるが、どのイベント、どのチームがポイントの付与対象となるのか?ということについてはあまり言及されないので以下展開したい。(注:竹田の理解です)

まず、WCTRS運営事務局(=Curling Zone、以下「CZ」)は、ポイント付与/ランキング作成にあたって対象イベントや対象チーム情報を原則自動収集するので、特段の登録は不要という立場をとっている(収集漏れがあれば申し出てくださいというスタンス)。

次に、対象期間についてだが、各シーズンは6月に始まり翌5月に終わるとされる。2023-24シーズンは2023年6月1日から2024年5月31日(に決勝が終わるイベント)までである。したがって、こないだ開催されたICE GOLD CUP(5月、帯広)はすでに昨シーズンのイベントという扱いになる。

チームメンバーの確定は毎年10月31日が期限で、この日までにラインナップが変更された場合には、さかのぼって既了イベントのポイントが補正される(期限以降は確定する)。したがって、今回JCAの設定した日本選手権出場チームの判定基準日は10月1日だが、確定は厳密には11月以降となるのである。

対象イベントは原則男女別開催で8または10エンドマッチ、5ロックルール採用でなければならない。先に閉幕した 2023 ADVICS CUP は時間制限があり、7エンドで打ち切りとなるフォーマットだった。従って当該イベントは文理上対象要件を満たしていないことになる。(ポイント対象かは私には判断できない)

有効なチームポイントを得るには「(オルタネートを除く)登録選手4人」のうち3人が全試合・全エンドプレーしていなければならない。結構厳しい。
5人登録というのも(CZのシステムでは)いちおう可能なのだが、5人目についてはチームの構成要件である登録選手4人にはカウントされない。

オルタネートが、チームポイントの配分を一切受けられないのは明らかに問題で、そのため、2023年2月1日までに申し出た場合、22-23 → 23-24シーズンへ獲得ポイントの持ち越しを可能とする制度変更が行われた。(逆に言うと22-23シーズン以前はオルタネートはチームポイントに関与しなかったのである)

では、プレーする登録選手が2人以下になったらどうなるのか?
規定には
"Should a team be reduced to two registered players, they may play two of three to remain legal and collect points"
とある。これを3人中2人でも問題なし、と読むなら意図がよくわからない。前規定が死文化するからだ。
仮に
"Should a team be reduced to two registered players, they may remain legal and earn two thirds of collect points."
という条文であれば「途中で1人が欠場してしまった場合でも救済措置がありえるよ」という(コロナとかの場合とか?)但し書きとして理解できるのだが…。

シーズンのスタートポイントはCZで確認することができる。しかし、たとえば Team Kitazawa のシーズンスタートポイントの表示は明らかにおかしい。(今回中部電力を例示するに他意はなく、ほかのチームも同様の疑問点があります。また、ランキングがおかしいという指摘ではないので念のため。)

Team Kitazawa は昨シーズンのチームポイントを各人20%ずつ引き継ぐという登録であり、かつ5人中5人が残留したので昨シーズンのチームポイントが100%引継がれたのだ、という表示になっている(下図参照)。

これは、2023年2月1日(※日本選手権は1/28-2/5)までに、中部電力がEnami選手を含む5人ローテのチーム(各選手20%配分)である旨、事務局まで申し出ているなどしていればそうなるだろうが、ちょっと考え難い。

むしろEnami選手は前所属チーム(SC女子)から持ち越せるポイントがあるのではないだろうか?全くない場合は2023年2月1日(※日本選手権は1/28-2/5)までに、SC女子がEnami選手を登録から外す(またはオルタネート登録0%配分)とすると事務局まで申し出ている可能性等があるが、ちょっと考えにくい。

このように、現制度は4人チームに5人目が入ると単純にポイントが積み増されることになってしまう面があるのだが、それはまた別の話なので議論しない。
問題は私すら疑問を抱く不整合について、規定に則っているか十分なチェックがされ、信頼性の高いポイント/ランキングになっているかどうかだ。

現状はなっていないように見える。私はかつてチームランキングを「世界で使われてるランキングでしょ、それ採用したら公平でしょ、というような認識はアブナイ」と指摘したが、みなさんはどう判断されるだろうか?

「勝負の日」JCAの設定した日本選手権出場チームの判定基準日である10月1日まであと1か月となった。それまでに以上例示したような諸問題は解決されるているだろうか?JCAとしてはこのチームポイント(ランキング)を採用する(したい)だろうが、紛争の源となる可能性があるのではないか。
警鐘は鳴らした(小さめの音で)。
関係者が問題を認識していたか、いなかったかはわからないが、残り時間は確実に少なくなっている。進むも地獄、退くも地獄の状況に向かってはいないか。自分が上位に絡んでいないことが救い(?)だが、当落線上にいるチームは気が気じゃないだろう。

ランキングシステムは必要だし、関係者の努力で長期的には良い方向に向かっていくに違いない。一方で現状は規定そのものがさほど緻密に構成されておらず、計算はすべて正確とは言いがたく、運用も定まっていない状況であると指摘したい。

安定的・正確な運用が実現するまでの間は、権利関係には日本独自のシンプルなポイントランキング(指定大会の優勝1回につき10ポイント、とか)を設けて仮に運用するのが良いように思えるが、時遅しか?でもまあ、これは、私が関与できる事ではないな。
残り30日。さてどうなるか。

(2023年8月31日に投稿)


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