bansan

ゲーム系シナリオライター。 個人でもADVなど制作してます。

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最近の記事

コロナ自宅療養十二日記

▼感染発覚のホリデーシーズン 事の起こりは2022年クリスマス直前。 三密を達成した病院の待合室で感染、布団の中で年末年始と正月を過ごし、つい先週末ようやく陰性になりました。 家族にも感染せず無事に自宅療養を終えたので、ご家族とお住まいの方向けに備忘録として家庭内の感染対策と療養中の出来事を書きます。 ざっと見出しを読めば必要な物はわかるので忙しい人はそこだけ見てね。 感染者の条件としては、免疫疾患持ちでワクチンは4回接種済み。 それでは本編へどうぞ。 ▼こいつは外

    • 狩猟、そして祝福を受ける二頭の牡鹿

      ウィル・グレアムは狩りをする。 牡鹿のように木々の間を素早く駆け、彼の蹄は逃げる猪を追う。 猪の足は遅く、鋭い蹄に蹴られた獲物は枯れ草の上へ倒れ込んだ。振り上げられた角が夕日の朱色に染まり、そして赤褐色に濡れた。 逃げようと立ち上がる猪の足は、もう立つこともかなわない。 一撃を受けた哀れな獣は倒れ伏し、なおも這い逃げようとするその顔を牡鹿の豊かに伸びた角が刺した。幾度も角で突かれ、猪は絶命した。 息を荒げた牡鹿は徐々に落ち着いてゆき、震える息で冷えた大気を吸い込んだあと、二本

      • 永遠の国と、師弟の旅路

        「なぁ師匠? あんたずっとこの国で待っているが、そんなに会いたいなら迎えに行ったらいいだろうに」 「会いたいだけならいいのだけれど。もう私にも、会いたいから待っているのか、ここへ来て欲しくないから見張っているのか……思い出せないくらいに時間が経ってしまったんですよ」 俺よりずっと小さな背の師匠は言う。 つまはじきにされた俺を拾って育て、生きる術や目的を与えてくれた師匠は、そいつの話になると途端に優柔不断になる。 「なら顔だけでも見てきたらいい。踏ん切りもつくだろう」 「そ

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