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えねーちけーアーカイブス #65 青猫ロボットの増殖

 ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNながしろさんH恥のK掻き捨てアーカイブス。第65回は「青猫ロボットの増殖」。

 63回に引き続き青猫ロボットなんですが、とうとうあのひみつ道具「バイバイン」に挑みました。むしろこのシリーズはこれがやりたかったまである。

 原作のドラえもんではおやつの栗まんじゅう食べたさに「バイバイン」を使って増殖をはかるも、止め時がわからなくなって宇宙に捨てるという、もう、それしかないよね、的な。今も宇宙の何処かで栗まんじゅうは増え続けているよ、的な。遣いは今も盃の殿様を探し続けているよ、的な(そういう古典落語があります)。そういうオチでございます。

 ただ、小学生の時からずーっと疑問だった点があって、①バイバインが付着した部分だけが増えるんじゃないのか? とか、②殖やした栗まんじゅうはお腹の中で増え続けるんじゃないのか? とか、ともすれば②-ex1.栗まんじゅうが栗まんじゅうとしてのアイデンティティを消滅させたときに薬の効き目が消えるとしたら、それは科学ではなくて哲学の領域なのではないか、とか。その辺を作品中で書いていくうちに消化できるのではないか、と思わなくもなかった。できなかったけど。

 無駄におっさんになって考えてみると、藤子F先生は時代に先んじて「デジタル」的だったんだなぁという関心が湧く。たぶん当時の一般ピーポーは上記のようなみみっちい「付着部分がどーの」「栗まんじゅうの意味するものと意味される存在が」とかいう議論に終止してしまうのだろうが、藤子F先生は「『栗まんじゅう』という単位で倍々になっていく」という展開を提示したわけだ。わりと先進的だったのではないかしらん。

 本文について? もういいです。

みなさんのおかげでまいばすのちくわや食パンに30%OFFのシールが付いているかいないかを気にせずに生きていくことができるかもしれません。よろしくお願いいたします。