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えねーちけーアーカイブス #109 悪魔を憐れむ歌

 ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNながしろさんH恥のK掻き捨てアーカイブス。第109回は「悪魔を憐れむ歌」。

 お、ちゃんとしている。今読んでもつらくない。それだけでいいもののような気がしてしまう(駄目ぢゃん)。内容としては「変な能力を授かってしまったが世のため人のためになっているからいいぢゃない」という話ではあるが、その辺を意図的に書いていったと思われるのはいやだなあ。異常性が社会のピースとして綺麗にハマっている、という現象が描ければというスタンスではあった。

 文芸学科というところに居たときには「不思議の国のアリス」というかチャールズ・ラトウィッジ・ドジソン、つまりぁルイス・キャロルの本名ですな、に強い興味があって大学院にでも行こうかと考えておったのですが「この時代に、日本人のお前が、なぜルイス・キャロルをやる意味があるのか」と教授も同期も口を揃えて云うもんですんで、心折れた覚えがある。
 だって好きなんだもんしょうがないぢゃない、で、憧れで押し切ってたら今頃どうなってたかな。その「憧れ」はいまだにモチベーション足り得たのかな。ただの柳瀬尚紀ファンで終わっていたかもしれない。

 あとあとアーカイブスにこの辺の趣味を詰め込んだ「ハミルトンの鯨」という作品が出てくるのですが、あと好きな画家にハマスホイもおるんですが、思い返すと好きのポイントは空間なんだろうなあという気がする。なにもないところに、暗がりの奥の緊張感、もしくは安らぎ。ディズニーの「アリス」はわりと画面がごちゃごちゃしているけど、穴から地下に降りるところとか、体が小さくなったときの部屋との大きさの比較の感じとか、実に英国的なんだろうと思うわけです知らんけど。
 なんにせよ、自分がいいなあと思える「空気感」が読者と共有できないか、というのが、こういう作品世界を書こうというきっかけになっているのですが、どんなもんなんでしょう。知らんか。そらぁ知らんよなぁ……

みなさんのおかげでまいばすのちくわや食パンに30%OFFのシールが付いているかいないかを気にせずに生きていくことができるかもしれません。よろしくお願いいたします。