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貧困につながる人手不足

保育士、トラックドライバーや溶接工など人手不足の問題が深刻とのこと。人口減少により、需要が小さくなり経済が停滞するのはわかりやすいが、人手不足など供給の視点から日本の経済が衰退するというのは実際にどういうことなのか、再度お金なしの世界でどういったことになるのかということを自分なりに考えてみた。

ある資本家Aが労働者Aとみかんを12個生産していたとする。人手不足前は12個のみかんのうち、労働者Aに4個を賃金として渡していた。人手不足により、労働の価値が上がり、12個のうち6個を労働者Aに渡さなければならなくなった。資本家Aも労働者Aも生きるために必要である消費するみかんが人手不足前も後も2個だとする。資本家の消費する以外のみかんが全て他者と交換される商品とすると、人手不足前の商品のみかんは6個、人手不足後は4個になる。

その減った分、労働者Aのみかんの取り分が2個増えたと言えるかもしれないが、労働者の得たみかんはいずれ消費に使われるもの、すなわち商品としては交換されないみかんを生産するためのもの、例えば水などのコストだと考える。

そして、商品として交換されるみかんは6個から4個に減ったわけであるが、生産数は下がり全体の富は小さくなり、みかんの希少性は上がったと言える。そのみかん4個を生産に同じ労力を使うりんご4個と資本家Bと交換すると、資本家AとBの富の合計は8個になるが、人手不足前にはこれが6個と6個で合計12個になるから、全体の富は人手不足前の方が大きい。

そこで、資本家Aが自分が商品として持っているみかん4個を交換するにあたり、りんご6個を要求したとする。これは値上げということに相当すると思われるが、その場合、資本家Bはりんご6個の生産のために同じ労働時間でもっと効率よく生産するか、1.5倍働くなどして2個多くりんごを生産しようとする。その結果、全体の生産数は8個から10個に増えて全体の富は2個増える。よって値上げは他者を多くまたは効率よく生産させるのとによって全体の生産数を伸ばすことができるように思う。

しかし、ここでこの値上げが行われてなかったら、生産数は伸びず、全体の生産数は12個から8個に減っただけで、貧しくなっていくだけということになる。資本家Bは希少性のあるみかん4個を手に入れて、さらに資本家Cに同じように同じ労力が必要な梨を6個要求してと波及していくのが値上げの波及効果でないだろうか。同じく、供給は一定で需要が増大しても、物の希少性は上がり、値上げをして他者に多く労働させることにより、生産が伸びるのではないかと考える。

それでは、外国との関係はどうなるのか。ここでお金を登場させて、商品が少なくなるということは、お金の量が一定であれば、お金の価値が下がり、物の価値は上がるからその国の物の価値は上がったようにも見えるが、人手不足前も後も1ドル100円で、日本もアメリカもみかんの品質が一定と想定したとして、日本では、人手不足で商品としてのみかんが4個しかなく、100円で4個手に入るとして、アメリカでは人手不足はなくみかんが6個手に入るならば、誰もが100円を1ドルに変えて、6個手に入れようとして、円の価値は下がる。日本円の価値が下がれば、外国から購入できる別のものの量も小さくなり、富は減るということになる。結果として、全体の生産数は減り、国民が貧乏になっていくということで、人手不足が国を貧しくするという解釈に至った。通常、通貨の価値はその国の商品の品質で上下するのを想像するけれども量という点でも価値が下がるということが自分なりに導くことができた。

人手不足は出生率の減少による要因が大きいと言われるが、子供が減るということが国民を貧しくさせるということはなかなか想像しにくく、だからこそ、子育て世代を優遇する政策を取りにくくさせるということもあるのではないかと思い、人手不足がいかに深刻な問題であるかということを論理的にうまく説明するということも求められているのではないかと思った。出生率が上がらなければ、日本は移民を多く受け入れるか、ロボットなどの機械の導入を促進して生産数を上げるかしかないということが導き出された。

#経済 #出生率#人手不足#供給#移民#機械#生産#総生産#商品

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