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スパイスがほんのりと効いた黒豆
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昨年の暮れ実家で、妹が持参した手作りの黒豆煮を食べた。
黒豆 干しナツメ 大粒レーズン シナモン クローブに
砂糖を入れて煮たもので、
タッパーのフタを開けた瞬間、どこか異国の香りがして、
思わずひと口頬張った。
わたしにとって黒豆は、
甘い煮汁に浸かりふっくらとした食感で、
瓶詰めされたお正月の一品。
夫にとって義母の作る甘く煮つめた黒豆は、
かつての日常のおかずであり、
今となっては帰省の時しか口にできないので、
おふくろの味だと思う。
そんな私たち2人の前に現れたのが
スパイスがほんのり効いた黒豆だった。
「家にあるスパイス入れてストーブの上にのせて、
てきとーに作ればいいのよ。」と妹はあっさり言う。
今まで大豆やひよこ豆 インゲン豆を
カレーやスープ 煮物など、いろいろな味に調理していたのに、
黒豆は甘く煮るものって、思い込んでいた自分に気づく。
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「てきとーに作るでいいのか。」
何を組み合わせるかは、自分自身の感覚で決めればいし
自分がいいと思ったものを試してみればいい。
これは違ったね、と思えばまた別のものに変えればいいってこと。
そう、
身につける服も、てきとー感覚で決めればいいんじゃないかなと、ふと思った。
今までとは異なる服の組み合わせに、
「ちょっと違うかな〜」と眉間にシワ寄せ唸ったり
「これは好きかも〜」っと思わず口もとが緩んだり
定番の組み合わせに
「やっぱりこれよ〜」と納得して微笑んでいたり
手持ちの服を適当に組み合わせて、
合わせる色や丈感などのバランス見ながら、
「今なに色着たい?」
「どんな風になりたい?」
「身に纏った気分はどぉ?」って自分に聞いてみる。
もっとスラリとしてたらなぁとか
シミが増えたとか
気になる見た目もひっくるめて、
鏡に映る自分とおしゃべりする時間を楽しみ
自分の感覚に耳を傾けていくうちに
ちょっと軽やかな気分になった「わたし」がそこにいる。
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