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「銀行員はどんな資格を取ったらいいんですか?」←よくある質問

「何か資格を取った方がいいですか?」「どんな資格を取ったらいいですか?」こうした質問は、研修の終わりなどで多く寄せられます。

銀行員はただでさえたくさんの資格を取得しなければなりませんが、それにプラスアルファでどんな資格を取得すればいいのでしょうか?

今回は、そんな銀行員の資格取得の実際についてみていきしょう。

尚、規定のもの以外で取得する資格は、目的をしっかり明確にしておくことが重要です。

目的がはっきりしていないと、心が折れますからね。

さらに、銀行業務と資格をどのように掛け算すると有利なのか、認識しておきましょう。


|将来的に独立したい

定年後、または、50歳くらいになって支店長になるのは厳しいかな、と思ったら独立しよう、そう考える方向けに銀行経験と相性の良い資格をまとめました。

ここで挙げるのは、いずれも独占業務がある資格です。

やはり、独占業務があった方が安心できますよね。

・社会保険労務士

✓ 労働社会保険の手続き代行と帳簿の作成

特に銀行経験のある方が注目すべきは、助成金の申請です。

企業からみれば資金調達の一環ですので、銀行出身の助成金コンサルとしてブランド力を高めることが出来るでしょう。

また、労務問題は経営者と相対することも多く、法人の担当経験も活かせます。

社会保険労務士試験オフィシャルサイト

・行政書士

✓ 官公署に提出する書類や契約書・遺言書・内容証明の作成代理

特に銀行経験のある方が注目すべきは、特定分野の書類作成です。

例えば風営法の届け出や医院開業の届け出など業種によるものや、遺言書など業務によるものです。

とても懇意にしているお客様から、飲食店についてあれこれ教えてもらった、等、深堀して詳しい分野がひとつはあるでしょう。

そうした特定分野の専門コンサルで、ついでに資金調達や資金繰りの相談にも乗れるあなたは、業界にとって頼もしい存在となるでしょう。

行政書士試験研究センター

・司法書士

✓不動産、会社などの登記

特に銀行経験のある方が注目すべきは、不動産登記であれば銀行とのコネクション、商業登記であれば創業融資です。

不動産登記を依頼してくる大口顧客は、銀行か不動産業者のいずれかです。

どの事務所に登記を依頼するかは、支店長や課長に裁量がある事が多いのではないですか?

銀行時代の同僚や後輩とのコネクションが大事ですね。

また商業登記は、会社設立の際に必ず必要となります。

会社を設立したら、創業融資を考える経営者はかなり多いので、資金調達コンサルの潜在顧客が向こうからやってくる、相性の良い組み合わせでしょう。

法務省:司法書士試験

・税理士

✓税務申告の代行
✓税務アドバイス

特に銀行経験のある方が注目すべきは、財務コンサルと資産税です。

法人のカネの流れを完璧に把握できる上に、個人(一族)の財産状況まで把握できるため、銀行経験とは最も相性がいい資格です。

経営者の頼れる相棒ですね。

とはいえ、税理士資格は相当な難易度です。合格した科目は一生涯有効ですが、1科目1科目集中して取得していく覚悟が必要です。

国税庁:税理士試験

|銀行でのキャリアアップ、または将来的なキャリアチェンジまで見越したい

銀行内でのキャリアップ、または将来的に、取引先への出向やキャリアチェンジをする場合に相性の良い資格です。

・宅建士

抵当権設定や不動産業務のほか、法律そのものについても理解が深まります。

銀行によっては、必須の資格であることもあります。

受かって当然の扱いですかね。

もっとも、油断しているとあっさり落ちるという方もいらっしゃいますので、しっかり勉強しましょう。

不動産適正取引推進機構

・FPと簿記

どちらも3級はマストな銀行もあるので、馴染みのある資格だと思います。

2級まではスムーズに進める事が多いのですが、どちらも1級になると世界が変わるほど難しくなります。

学習計画を立てる際は注意が必要ですね。

金融財政事情研究会

日本商工会議所 ※各地域の商工会議所から申し込み

・語学系の資格

TOEICやTOEFLの他、中国語検定などがあります。

海外ブランチや現地法人を持つ銀行であれば、赴任候補に選ばれるには最低限の得点が求められることも。

夢の海外赴任に選ばれるかも!

一朝一夕では難しいので、海外志向がある方は、前もって自主的に受験しておくことをオススメします。

TOEIC

TOEFL

中国語検定

・中小企業診断士

経営に関して「経営・経済・財務・会計・経営理論・運営管理・法務・情報システム・政策」といった幅広い観点での知識が必要となります。

上の独立の欄に入れていないのは、独占業務がないためですが、経営コンサルタントとして独立される方もいらっしゃいます。

地方中小企業にとっては、名刺に書いてあると信頼感が増す資格でもあり、また、各地方行政機関(よろず支援拠点など)でコンサルタントキャリアを歩むにはパスポート的な資格でもあります。

また、補助金申請などを手掛けたい場合も有効です(中小企業診断士になると、経営革新認定支援機関に登録できます)

中小企業診断協会

・プロフェッショナルCFO、FP&A

日本CFO協会が認定する、企業財務の様々な課題を解決できる専門知識を身につけていることを証明する資格です。経済産業省の「地域金融人材育成システム」に完全準拠しています。

日本CFO協会

・証券アナリスト

有価証券に関する知識に加え、企業価値算定や市場分析など、取得すれば「金融のプロ」としてお墨付きがもらえるような資格です。

名刺に証券アナリストが入っていると箔が出ますよね。

その分、難易度は高く、1次試験は択一式ですが2次試験は記述式で相当な学習時間が必要になります。また、資格取得にかかる費用も高いので、覚悟を持って臨みましょう。

日本証券アナリスト協会

・MBA(経営学修士)

以前はMBA取得に懐疑的な風潮もありましたが、最近では同窓生が増えてきたこともあってか、活躍しているMBAホルダーが多くいます。知識に加え、人脈形成としてもいい手段でしょう。

尚、取得するには、これまで挙げたものとは比べものにならないほどのお金がかかりますし、一部のスクールを除いては、フルタイムで通わなければなりません。

相当な覚悟が必要ですね。

銀行によっては、海外ビジネススクールへの派遣や、国内社会人スクールへの補助など、手厚いサポートが受けられることもありますので行内の事情を調べておきましょう。

GMAT(R)


|銀行員の資格取得の心得

ここでは、資格の難易度についてはあまり触れませんでしたが、資格によっては3か月程度勉強すれば取れるものから、年単位での計画が必要なものまで様々です。

いずれにせよ、資格取得の際には短期集中で臨むことをオススメします。

忙しい合間を縫って勉強するのは、情熱が途切れたらおしまいです。

上記に挙げた資格は、銀行員であれば馴染みの用語が多く登場するものでもあります。

銀行員は知識のベースがある分、有利なんですね。

お金と労力をイッキに注ぎ込み、飲み会の誘いやデートも必要なもの以外は控えて、自分の将来へ投資しましょう。

最もローリスクハイリターンな投資ですね。

例えば、ネット講座であれば、自分の時間で自由に受ける事もできます。忙しい銀行員に向いているかもしれないですね。

いかがでしたでしょうか?今回は、銀行員の資格取得についてみてきました。

必ずしもマストではない資格取得ですが、今後のキャリアを彩る上での参考にしてみてくださいね。

いただいたサポートで、悩める若手銀行員が救われます!