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改めての自己紹介

こんにちは、番匠カンナです。
主宰する idomorph のサイトを正式オープンしたので、まずはご報告です。

https://www.idiomorph.com

そしてこの機会に、自分でも複雑だ…と思っている自己紹介をしてみます。

なおサイトは自作。HTMLもCSSもなんもわからんマンがGatsby.jsを勉強してつくりました。何事も一度自分でやると本業の方の苦労がわかるってもんです。


idiomorph とは

Webサイトでは面倒な文章を「刺さる人に刺され…!」と投げつけているので、(あっ…近寄らんとこ)感が漏れ出ていますが、ひとことで言うと、

何らかの3次元の形を有する、ユニークな、人類の豊かさの向上に供する「新たな空間」をつくること

を目的とした「設計事務所」です。
ただし、普通の建築設計事務所と違うのは、設計対象としてリアルかバーチャルかを区別しない、建築物か非建築物か(サービス、コンテンツなど)も区別しない、という点になります。また、コンセプトとして、

いまないところに 空間 をうむ

ということを掲げています。なぜこういうことを始めるに至ったか。

番匠カンナになる

私が番匠カンナとしてバーチャル空間に取り組む前は、大学で建築を学んだのち隈研吾という建築家の事務所に在籍して、リアルの建築設計をやっていました。担当物件のうち竣工したものに限っていうと、中国に2件、国内に2件あり、用途は多様で、アートギャラリー併設の商業施設、船の駅兼観光センター、私設美術館、区民文化施設です。
やっている当時は喜びも悲しみも忙しさも一般程度にあったと思いますが、一度外へ出て振り返ると「何ぼんやり生きてたんだ」と思う部分もかなりあります。(よくあるやつ)

また、文章を書くのが好きで、妹島和世に関する論考をNTT出版から書籍として出したりもしています。

そうした建築ド中心な出自がある一方で、昔からブログをせっせと書いたりボカロPになったり何かをつくるのが好きで、そんな創作のひとつに今読むと大変稚拙な建築SF小説があり、これの主人公が「番匠カンナ」という建築設計支援キャラクターでした。(バーチャルExcelイルカ的存在)

大きな変化は2018年の年初。たまたまVRChatを知り、バーチャル空間で繰り広げられていた人類のわちゃわちゃにいたく感動しつつ「昔書いたあれ、自分がなれるということですわね?」と、当時さわったこともないblenderやunityを使ってもう一つの人格を生み出しました。それ以来、番匠カンナとしても生きています。

ちなみに、複数人格を持って生きていくのは当たり前の時代が来る、と思いつつ、このあたり運用がめっちゃ大変で、2人格にそれぞれ別のさまざまなアカウントを作り始めたら2xNになって複雑化して死ぬから同じ考えの諸兄は注意してくれたまえ。自分はこれで今も混線している。

で、以降はバーチャルな空間体験づくりの楽しさと発見の日々となります。

最初の1年は一切仕事をせずVRChatで遊び、次の1年でバーチャルマーケットの会場など個別の空間設計・制作をするようになり、その後は「空間」を用いたサービスやコンテンツのクリエイティブディレクションや体験設計にシフトしました。去年末からはambrのCXOも兼務しています。

そして現在。建築とバーチャル、同じく空間を扱っているのに技術的にもビジネス的にもかなり違う2つの世界を内側から見ている者として、それら2つの世界で得た知見は混ぜてこそ面白い、それぞれに波及させてこそ面白いということを自然と思うようになりました。

それが、idiomorphのコンセプトにつながっています。

昨今

VRの登場で人間と空間のあいだに根本的な変化が起きたことは、以前「空間楽」と名付けて書きました。空間体験を個人がつくれるようになった、ということは人類史上初、建築史上初の大きな変化です。
一方、2021年に「メタバース」という言葉が流行るのと同時に、あらゆる大企業がこぞって3次元空間について考えはじめる、という前代未聞(あるいはセカンドライフ以来の前代“既聞”)の状況が起きています。

もともと空間について常に考えてきた、例えば建築のひと、ゲームのひと、あるいはXR技術者、ではないひとたちが「空間をもちいて何か生み出さないと」とお金と知恵を絞っているのが今です。(あるいは「ブームに乗って短期的に金儲けしよう」もたくさんあるでしょう)(ある)

それは新しい冒険でもあるし、手探りゆえ大量の見当違いがあります。

このあたりのトピックはとても多いので、今後、話題を絞ってNoteにもっと書いていこうと思います。まずは建築家に迫る魔の手の話でもしようかな。

また、状況はとても複雑で、スピードも早く、当然これまで空間を考えてきたからといって、建築やゲームのひとが何か特権的な位置にいられるわけでも、全くないと思います。むしろ戦う武器を削がれるところから始まることを、楽しく受け入れていくマインドが必要だったりする。

残念なのは、いまのところ、旧来の建築界はこの変化に気づいていないか、関係ないと思っているか、リテラシーが低くて理解できていないかがほとんどに見えることです。
もったいない。両者にとってもったいない。人類にとってもったいない。このもったいなさをなんとかしたいという思いもあります。

おわりに

ということで、idiomorphはリアルかバーチャルかに依らず、建築物かどうかにも依らず、まったく新しくユニークな空間について、コンセプトから形まで一気通貫で考えたり、考えたい人がいたら一緒になってつくりたい。

よろしくおねがいします。

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