におい
目が覚めると君が隣で眠っていた
帰ってこない君を気にしながら眠りについた昨夜
君は何時に帰って来たのだろう
君に罪悪感がある事は
私が眠っている間に帰って来て
正確な帰宅時間を誤魔化そうとしている事で分かった
朝の支度も済ませ時刻が昼を迎える頃
目覚めて来た君の声はかすれて低くなっていた
私はその声が嫌いだ
それを聞いた時は決まって嫌な匂いがする
子供のように洗濯機の下の方に潜り込ませて隠した服も
玄関に乱暴に脱ぎ捨てられた靴も
かすれた声に混ざった息からも
私の細胞が拒絶するあまったるい匂いがする
でもその匂いの元を私は詮索しない
それは君がその知らない匂いを纏っている頃
私は君の知らない匂いに抱かれているのだから
君が感じている罪悪感を私が利用していることを
君は知らない
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