見出し画像

子育ての責任。

こどもは社会で育てるもの、という認識を持って活動している方々も沢山いますが、子育ての責任は親(家)がとるべきという自己責任論、母親には母性があり、母親が子育てを主として行うものであるという母性神話も日本ではまだ根強くあります。
高度経済成長期に不足する福祉に対して母親にその負担を求めた結果であって(3歳までは子どもは家庭で育てるべきである等)、昔は若くして子どもを出産し、親族や地域の人たちが様々な役割を担いながら子育てをしていました。

民法には親権についての取り決めがあり、親には懲戒権があることが記載されています。しかし、子どもの権利については記載されていません。

第二節 親権の効力
(監護及び教育の権利義務)
第八百二十条 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
(懲戒)
第八百二十二条 親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。

明治二十九年法律第八十九号 民法

現在は児童福祉法や虐待防止法にも体罰の防止が定められ、懲戒権についても見直されています。

子どもの虐待防止センター 理事 日本子ども虐待防止学会 理事長 奥山眞紀子氏「懲戒権をめぐって」

https://www.moj.go.jp/content/001347116.pdf

デンマークの方から話を聴いたり、フランスの子育てについて調査をしていると、こどもの権利を守ることを大切にしていることを感じます。フランスでは本来親子の間で形成されるべき関係により獲得するものが得られなければこどもは損害賠償を請求することができる(詳細調査中です)、デンマークではこどもが生活の中で信頼できる存在がいて自分の意思表明ができているか、こどものウェルビーイングに繋がっているかをこどもを支える関係機関が検討すると聞きました。日本はこのこどもの権利という意識が育っていません。これは今私たちが人生の時間をかけて取り組むことであると思います。

私はもう一つ懸念していることがあります。それは、私たち大人がこの文化の中で育ち、懸命に生きてきたということです。私たち自身がまず、癒され、尊重される関係性を構築する必要があると思います。それを実現せずして、こどもの安全を守ることは難しいと感じます。

子育てをしている方々が本当に「国や地域に守られている」「自分は支えられている」「権利は守られている」と感じる必要があると思いますし、そのためには、子育てに対する選択肢があること。どのような選択をしても保護者が経済的にも支えられ、こどもを預かってもらえる先があり、こどもと保護者が守られることが大切です。
行政や地域はこの環境を整備する責任があるのだと思います。
何ができるかを引き続き書いていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?