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流刑囚の映画百物語~番外編『TAXI NY』(’04米)


 私流刑囚がその時々で見た映画を紹介するコーナー。今夜ご紹介するのは『TAXI NY』。

本作の5点満点評価は…

コンセプト…2.5点
カメラワーク…2.5点
ビジュアル…2.5点
脚本…2点

総合評価…2.4点


タクシードライバーが銀行強盗の捜査に巻き込まれる、あるいは参加するという話。

Amazonプライムの紹介文には「リュック・ベッソンが放つ~」と書いてあったので嫌な予感がしたが実際のところ本作ではベッソンは製作に回り監督は別の人が務めている。ということもあり、思ったよりはマシではあった。

ただかといって本作がそれほど面白いかというとそうでもなく、おそらく脚本があまりよろしくないのだろう、全体としてテンポがやや悪いようにも感じた。例えば車を没収されるネタを二度も繰り返しては駄目でそこは別の展開とすべきであったのだろう。

カーアクションも悪くはないが取り立てて特異なものがあるわけでもなく、それよりも冒頭の自転車アクションの方が躍動感があったように思う。

犯人役の女優は当時世界で最もセクシーな美女と言われていたとかいないとか。確かにセクシーだとは思うがだからといってそれで作品自体の質が上がるわけでも下がるわけでもない。

映像的には運転シーンでスクリーン・プロセスを使っている。スクリーン・プロセスというとなんとなく昔の技術っぽいイメージがあるのだが本作が公開された2004年ではまだ普通に現役だったしなんなら現代の映画でも使われていたりする。

本作の良いところとしては主役に太った黒人女性を起用したことで変にカッコつけすぎない雰囲気になったということだろうか。ただ劇中の彼女の彼氏は典型的なソクバッキーなので本当にハッピーエンドだったのかはいささか疑問が残ったりもするのであるが。調べたところ主演のクィーン・ラティファは『シカゴ』でアカデミー賞にノミネートされたほか、ラッパーとしても活動しており、デ・ラ・ソウルなんかと同じグループに属しているらしい。

あとどうでもいい話だが序盤に出てきたキューバ系のギャングが何かしらの伏線で後半のストーリーに絡んでくると思ったのだがそういうことがなかったのはちょっと意外でもあった。

なんというか全体としては「普通」な作品である。Amazonプライムのページにもただ一言「普通」というだけのレビューがあるがまさに本作を体現していると言えるだろう。筆者個人のパーソナルな部分にはあまり響いてこない作品ではある。まあ車運転しないしね。

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