タイは自由という意味です。
タイという名前が自由という意味だと知り、
これほど納得した事はなかったな…
と思った出来事を書きます。
ある日の授業で、小説についてのリーディング教材を読みました。
そしてその日の授業後、
私は学生に、短い日本語のストーリーを書くという宿題を出しました。
ストーリーを書くと言っても学生の語彙・文法力で書ける小説は限られると思ったので、
400字程度かつ、
起承転結がはっきりしていること、
そして、テーマは学校生活ということを伝え
その他の設定は自分で考えてもらうことにしました。
起承転結とはなにか、
400字程度なら何時ぐらいで書くのがおすすめか、
これは文法のミスは気にせず、
書きたいことを書く練習だ、など
色々と説明した上で宿題に取り組んでもらいましたが、
学生からは文句の嵐でした。
私は日本語が下手です。
無理です。かけません。
もっと短く書いてもいいですか。
などと言われました。
譲歩した結果、締切を遅く設定して、
とりあえず頑張ってもらうことにしました。
すると翌日…
1000字を書いて提出してきた猛者がいました。
内容はとてもわかりやすく、オリジナリティに長けていました。
そしてその翌日からも、なんと多くの学生が1000字を超えて、バラエティ豊かな設定でストーリーを書いてきたのです。
異世界転生する人、
魔法を使う人、
術式を使う人、
タイムループしてきた人
などなど、普段の学生のインプットが気になる内容のものばかりでした。
そして3日後にはなんと、2000字もの内容を書いてきた学生がいました。
普段は日本語を積極的に話すタイプの学生ではないのですが、
理由を聞いてみると、
「書きたいことがどんどん溢れてきた」
というのです。
もちろん文法が完璧なわけでもなく、ところどころミスも目立つのですが、
第二言語で書きたいことがたくさんあるなんて本当に素敵なことだと思いました。
他の科目の宿題も忙しいだろうに、
わざわざ字数を設定していながら、
その5倍の量を書いてくるなんて…
そして、学校生活というテーマの中に、異世界転生ものなど、好きなジャンルを持ち込んで書いてしまうなんて…
なんて自由で発想が豊かなんだろう、
と思いました。
私の学生時代の記憶では、言語教育は正しさが重視されていて、コミュニケーションとして勉強した記憶がありませんでした。
ましてや自由に表現する機会なんてほとんどなかったし、しようとも思いませんでした。
だからきっと、学生にとっては難しいだろうな…
でも大体書いてくる内容は似通ってくるだろうな…
と思っていたのですが、大間違いでした。
嬉しい大誤算で、今は学生の書いた小説を読むのが、毎日の楽しみになっています。
読んでくださりありがとうございました🙇♀
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