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『じゃあ、あんたが作ってみろよ』を紹介したい

爽快痛快ほのぼのラブコメでした。

よくある設定なのでは!?と疑って読んだのですが、これがまたもう、引き込まれる展開で、最高に痛快でした。

あらすじは以下の通りです。

社会人カップルの勝男と鮎美。大学時代から続いた交際は6年目を迎えようとしていた。同棲生活にも慣れ、そろそろ次の段階へ…と考えていた勝男だったが、そんな彼に訪れた、突然の転機とは―!? 慣れないながらに作る料理を通して、ザ・昭和男が今までの「あたりまえ」を見つめなおす、第26回手塚治虫文化賞・新生賞受賞作家、谷口菜津子の最新作!描き下ろし漫画も多数収録。

Amazon「本の概要」より

勝男はスペック高いイケメン完璧男なのですが、プライドが高くデリカシーが無い点で残念な男なのです。そのデリカシーのなさから、鮎美の料理に幾度となくダメ出しをしてしまいますが、言っている本人にはまるで自覚がありません。
本当に残念な男なのです。

その残念な点にしびれを切らして、同棲中の彼女である鮎美は家を出て言ってしまいます。

この漫画は勝男と鮎美の両視点で描かれており、それぞれの思いがすれ違って行く様子が理解できます。

鮎美はモテに全ふりしたがゆえ、自分の意志を持つことに抵抗を持ってきた女の子です。そんな鮎美が勝男と別れたことで、「自分らしく」生きることにします。

女が別れたあとの行動は、清々しくていいですよね。鮎美の行動力は、見ていて気持ちが良かったです。

一方の勝男は、鮎美のことを引きずる毎日でした。そのプライドだけが高い、ダメダメな様子がなんとも愛おしく感じました。

勝男の同僚も、勝男に呆れつつも、目が離せなくなってしまっているのです。

プライドが高い男って、関わると腹が立つんですが、見ていておもしろいですよね。子どもの心のまま大人になってしまった感が否めません。発言一つ一つが誰かを傷つけていることに自覚していない様子をみると、本当に残念で可哀想な気持ちになってきます。 

ただ、勝男の場合は違います。勝男は鮎美にふられてから料理をするようになり、少しずつ自分のあやまちに気づき始めるのです。

人と関わり、変化の中で少しずつ成長していく登場人物たちから目が離せない、そんな作品です。


読んでくださりありがとうございました🦉

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