デューン/砂の惑星 PART2(追記あり)

前作は、「えーここで終わり?」感の強い作品だったが、今回は「どうせPART3あるよね」という思いで鑑賞にのぞんだ結果、結構楽しめた。ポールの成長譚として物語の筋が通ってる。ただポールが主人公ではあるんだが、この作品は女性達のキャラクターが際立っている。フローレンス・ビュー様はじめ、今回もバリバリ活躍のレベッカ・ファーガソンお母様や、謎のレネ・ゲゼリット、レア・セドゥなど、キャラクターも強い。IMAXの映像も美しい。アクションもバリバリ。フェイド・ラウサとの決闘でクライマックス。いいじゃないですか。

ただ、中編ということでいうと、解決してないことがあるので、映画としての評価というと、難しいかもしれない。先のビューさん、レア・セドゥや、クレジットのないアニャ・テイラー・ジョイちゃんなどは、今回顔出しのみって感じ。

また、全体を通して感じたのが、原作デューンの他の作品への影響という点。スターウォーズのことがよく引き合いに出されるが、例えば、主人公が命の水の試練を受ける点。これブラックパンサーでもあったね。前回同様、最も強く感じるのは「ナウシカ」はじめ宮崎作品への影響です。まず、宮崎さんは20代の頃に『砂漠の民』というコミックを描いている。これは現在入手困難なので内容を確認できていないが、年代としては昭和44年頃ということなので、少なからず『砂の惑星』の影響を受けているのではと.邪推。
で、『砂漠の民』の流れを汲むと言われる『風の谷のナウシカ』の王蟲がデューンの砂蟲を参考にしている話は有名だが、part2においてもその体液の色が青であることが明かされた。王蟲の血の色も青。原作にも描写があるとすると、ここまで同じなのか!と驚くばかり。
そういえば、砂蟲は今はサンドワームと呼んでいますが、昔はサンドオームって言ってなかったか。オームの名前はここから来ているのでは。
更に、今回のクライマックスの首都アラキーン総攻撃では、砂蟲が群をなして疾走するシーンがあるが、これもナウシカの王蟲の大海嘯そのもの。このシーンは映画にもあった訳で、こうなってくるとヴィルヌーヴはこれを観ているかもしれず、どっちがとっちの影響か定かでもなくなってくる。
もう一つ、宮崎作品に影響を与えているのが、オーニソプター。『天空の城ラピュタ』において、フラップターという名前で出てくるが、元の設定では「オーニソプター」って書いてある。本を読んでぜひ映像化したいと思わせる素材なのだと推測する、当時はアニメだからこそ実現できたんであって、実写だとCG技術の発達を待たないといけなかったのだろう。ただ私は今回のオーニソプター映像化はよくできていると思った。

もう一つ大事なことを。今回の映画化については、このタイミングで、虐げられた砂漠の民が立ち上がるという物語を映像化することに、私は意味を見いだしたい。もちろん原作が意図していたこととは違うし、危ういものも含んでいよう。だがそれでもだ。


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