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ソウルの春

この映画はパク・チョンヒ大統領暗殺後、チョン・ドゥグァンがクーデターで大統領になるまでの史実をもとにしたフィクションだ。ていきなりネタバレしてるが、だって史実だからしょうがないよね…韓国史にうとい私だって知ってるし。が、ご安心!たとえ結末が分かっていたとしても、そのスリルに引きこまれることうけあい。 ただ、通常のサスペンス映画と違う点は、ハラハラドキドキで、共感の対象が正義の側というよりむしろ悪のチョン・ドゥグァン側だということだ。なにしろ、クーデターを企てるものの、最初から

    • 5★STAR GP 2024 上谷沙弥×鹿島沙希について

      ども。最近刀羅ナツコ選手のインテリジェントぶりに感心しきりのbangaroです。今のSTARDOMはナツコ選手が動かしているといっても過言ではないし、インタビューなどからくる現状分析も実に的確。すごいね。 感心といえば、この試合です。私が気になる選手2人の対戦だから、という訳でもなく、現地(大阪、2024.8.20)にも行っておらず、配信で見たのみですが、試合全体を見て、「実によくできてるなー」と感心した次第です。 まず、上谷さんです。上谷さんは、ヒールターンしてH.A.T

      • STARDOM 5☆STAR GP @後楽園ホール 2024.8.15

        8.15に後楽園で開催されたスターダムの試合で観戦デビューしてきた。 前にも言ったかもだが、私のプロレス観戦履歴は東京ドームしかない。 そうすると、だいぶリングが遠くて、あまり迫力が伝わってこない。 一方、後楽園ホール。だいぶ近い。これは見やすい。今回の私の席は最前列より1ランク下の席だったが、実は南側2列めだった。ただリングサイドであればどこも近い。ただ、角度的にはリングはやや上向きになるし、向こうの方でやってるのは見にくい。一方スタンド席なら、上から見下ろすので、より見や

        • マミー

          この映画、表面上は、1998年に起きた和歌山毒物カレー事件において死刑判決を受けた林真須美死刑囚の冤罪可能性を追及する映画である。「表面上は」と書いたが、実際二村監督の本作における熱意を考えると、監督自身の意図はそこにあるのかもしれない。実際監督は家族や関係者に取材を重ね、証拠とされたものそれぞれについて合理的疑いが明らかになるまで細かく調査している。その結果‥特に監督や我々のように当時の直撃世代からすれば、「林真須美は実は無実!?」という疑いあるいは確信をいだくところで終わ

        ソウルの春

          ルックバック

          この映画は1時間しかない。が、鑑賞しての結論から言うと、まったく短かさを感じさせない。無駄な時間がないということなのだろう。情景を描写した場面がない訳ではない。が、そこはそこで画の美しさを楽しめる。もっとも、一番評価したいのはキャラクターの画だ。特に表情の表現がすばらしい。それが一番の成功要因と思う。 (※ここからネタバレ)ストーリーの方は、実は事前情報が少し入っていて、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にオマージュしているようなことが聞こえてきた(原作は未読

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          上谷沙弥さんのこと

          鹿島沙希さんに引き続き、今回はスターダムの上谷沙弥さんのことを書いてみたいと思う。もちろん好きな選手だからというのもあるが、現時点(2024年8月)では、上谷さんの「裏切り→ユニット移動」がホットな話題となっているので、それについての考察をしたい。 上谷さんは紫雷イオ選手が立ち上げた「クイーンズクエスト(以下QQ)」のメンバーだった。ところが、ユニットリーダーだった林下詩美選手が退団することになり、リーダーが不在となってしまった。そこで上谷さんは、メンバーの補強プランを打ち

          上谷沙弥さんのこと

          デッドプール&ウルヴァリン

          そりゃー私はデッドプール大好きですよ。だから本作も楽しみにしてたし、結果観たらやっぱり最高でした。が、私と同じような人他にいっぱいいる? 第四の壁とか、ふざけた残酷描写とかだけでなく、過去のMCU(ドラマ含む)観て、かつ20世紀フォックスのマーベル作品も観てるような人。だったら、確かに本作は十分楽しめると思うけれども。そんな人いっぱいいる?という点がすごい疑問なのだが、でも人入ってるみたいなんですよね。不思議だなあ。 まあとりあえず、私にひびいたポイントを挙げていくけど、巷

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          ドライブアウェイ・ドールズ

          どちらが何担当かいつも分からないコーエン兄弟の、弟イーサンの方の単独監督作。見わけ方は、フランシス・マクドーマンドのダンナがジョエル、今回脚本のトリシア・クックのダンナがイーサン、だそうですよ。で、今回、単独監督になってみて、ちょっと兄弟の時とテイスト違う?あでも俺こっちの方が好きかも。という感想です。どう違うかというと、今回レズビアンの女性2人が主人公なんだけど、思いっきり下ネタで下品。男性監督作でこれはやりすぎでは?でも女性脚本だし…ここは女性の意見を聞いてみたいところ。

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          鹿島沙希さんについて

          引き続き、女子プロレス「スターダム」の話です。 TV番組→映画『家出レスラー』→YouTubeに流れてきて、結果鹿島沙希選手の虜になった(「キモオタ」と言う。後で解説)私ですが、鹿島さんはやはり30分のTV枠では魅力は見出しにくい、ということが分かったので、今回はその魅力は何かについて語っていきたいと思います。何せ、っこ1ヶ月あまりで急速にはまったので、キモオタの諸先輩方には、「そんなの常識」というところもあるかと思いますが、自分が整理したり動画などを参照するためのメモになっ

          鹿島沙希さんについて

          私と女子プロレスとスターダム

          私の女子プロレス体験は、JWP全盛期にさかのぼる。たまたまWOWOWで放送されてたということもあり、よく観ていた。当時出ていたのは、キューティ鈴木、ダイナマイト関西、尾崎魔弓、デビル雅美あたり。今ふりかえると、フリーや他団体所属選手もいたようだが。放送しなくなってからはずっとごぶさたしていた。プロレス自体もWWEをちょこちょこ見ていたぐらい。だから、本当にたまたま、レコーダーにスターダムの番組『We are STARDOM!!』が録画されていたのが、ふたたび女子プロレスを観始

          私と女子プロレスとスターダム

          クワイエット・プレイス:DAY 1

          クワイエット・プレイスの前作2作は観てません。今回、ルピタ・ニョンゴが出るということで、観に行きました。前作を観ていないのは、「音を立てたら襲われる」というワンアイデアで、どれだけ展開させられるかという獲れ高が、予想を越えてこない気がして。せいぜい、誰かが忍び足で逃げる途中で何かを蹴っとばしてしまうとか、敵をまどわすために別の方に石投げるとかぐらいかなと。想像で言ってるので間違ってたらごめんなさい。少なくとも今作に関しては、その点は予想の範囲内だったと言えます。ただ、本作の

          クワイエット・プレイス:DAY 1

          『マッドマックス:フュリオサ』-プリクエル、先に観るか、後から観るか-

          『マッドマックス:フュリオサ』を鑑賞。したところ、だいぶ忘れているところもあったので、『怒りのデス・ロード』を鑑賞した上でもう一度鑑賞。 それで分かったのだが、『怒りのデス・ロード』についてほぼ覚えていなかったことが判明。すると、こういう疑問が湧いてくる。果たしてこの映画、プリクエルではなく単独の映画として成立するのか。 物語構造としてみれば、『フュリオサ』は、ジョゼフ・キャンベルの言うところの「行きて帰りし物語」のベースをふまえており、『デス・ロード』のようにいびつではな

          『マッドマックス:フュリオサ』-プリクエル、先に観るか、後から観るか-

          デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章

          映画が前編後編に分かれる場合、前編でひろげたふろしきを後半でたたむ、または前編の伏線を後編で回収、ということになるので、前編では驚愕要素満載なのに対し、後編は「あーこうなるのね、なるほど」と落ち着きがち。 あとまあ、結構予想が当たりがち、だった。今回は。まあアニメーションとしての完成度は高いし、きちっと物語をおさめているので、これは前編後編まとめて1本の映画として評価すべきなのかも。であれば、今年観たアニメ映画では確実にトップレベルに位置すると言える。 あと、気になったのは

          デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章

          関心領域

          『関心領域』鑑賞。本作、不謹慎でない範囲で不適切に例えすとすれば、 全員集合で志村の後ろにはブルースウィリスが迫ってくる、 観客は気付いているから「志村!後ろ!」となる。 でも志村こと、ヘス夫人は鈍感すぎてまったく気付かない。 という構図なのではないか。 しかも、ブルースウィリスの全体像がみんなに見えている訳ではないことを制作側も見越している。 ので、冒頭画面を真っ暗にして音響のみで 「聞こえる?聞こえるよね?集中して!」 とハーレイ君になるための訓練を施してくれるという親切

          関心領域

          『家出レスラー』とスターダム

          『家出レスラー』の予告を観ても、あまり積極的に観に行こうという気にはならなかった。この映画の舞台となった女子プロレス団体「スターダム」は、理由は分からないがたまたま録画に入っていたから見出すという偶然があって、毎週TV放送でチェックしてはいる。してはいるが、そもそも推し選手はこの映画の主人公岩谷麻優ではないし(当時勢いのあった上谷沙弥選手であった)、「引きこもりだった私がアイコンになるまで」と言われても、そうかいとしか思えなかったから。本編を観るまでは。 しかし、鑑賞後は、

          『家出レスラー』とスターダム

          猿の惑星/キングダム

          猿の惑星シリーズは旧作も含め観てきて、本作も三部作の出来がよかったから、それなりに期待はしていた。 そんなキングダム、部族の通過儀礼から、外部の侵略、そして奪還と、王道のストーリー展開で、それなりに楽しんだのではあるが、鑑賞後、なんとなくモヤるものが残るものとなった。そのモヤりポイントは構造的な問題であるものの、ネガティブなものかどうかはわからない。 高橋ヨシキさんがBLACKHOLEで、、「やっと第1作に戻ってくる」ようなことをおっしゃっていた。が、私には本作の結末は、「戻

          猿の惑星/キングダム