最近の記事

ロボット・ドリームズ

この作品は、ラジオの「こねくと」で紹介されて気になっていたところ、映画館で上映前に、羽田から神戸に行く飛行機で機内先行上映されていたので、観始めたのだが、映画は1時間40分、羽田-神戸間は1時間ちょい。必然的に、1時間ほど観たところで目的地に着いてしまった。物語的にも宙ぶらりんのまま(6月1日が待ち遠しい…!)となってしまい、上映開始早々に劇場に駆け付けることになる。そんな焦らされ感もあったとはいえ、しかし最後までコンプリートして、やはりこの物語は切なく、魂を揺さぶられる作品

    • ボルテスV:レガシー

      私は何を求めてこの映画を観たのか?と自分自身に問うている訳です。懐かしさか?物珍しさか?メカの再現度か?いずれにしろ今となっては微妙な気持ちになっている。ボルテスVのことはよく覚えていない。主題歌は印象的なのでさすがに覚えているが、後は5人が搭乗するメカが合体してロボになるということぐらいか。同時期にやっていたコンバトラーVとよくごっちゃになる。その程度の思い入れでは、安易に観てはいけなかったんだと思う。この映画は昔やっていたそのアニメが人気になったフィリピンで製作されたとい

      • 『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』

        今回、ジョーカー続編の感想を書くにあたり、前作の感想を探してみたら、案の定、絶賛であった。なので、続編が発表!しかも、ミュージカル!?その上、レディ・ガガがハーレイ・クイン!?と聞き、期待が増すどころか、不安が増すばかりであった。だってさあ…前作で一応きれいに完結している訳じゃないですか。どうすんだこれ。と思うし。そうこうしているうちに、聞こえてくるのが、賛否がまっ二つに分かれているらしい。というかむしろ否の方が多いような…となり、また逆に観たい度が高まってしまったのだが…

        • ジョーカー(再掲)

          下記は、2019年に某所で書いたトッド・フィリプス監督『ジョーカー』の感想記事。今回続編の感想を書くにあたり転載させていただく。 最初の私のこの作品に対する期待度はそれほど高くなかった。「あー、今度は悪役シテンで1本作るのね。そういう観点もあるよね」といった、わりと冷めた受け止め方であった。若干アメコミ映画にも食傷してたのかも。加えて、今回は事前知識がどんどん入ってくる。特に、アカデミー主演男優賞レースでタロン君と一騎打ちだとか、ジョーカー役のホアキンはこういう基地に入れな

          憐れみの3章

          監督:ヨルゴス・ランティモス 3章のオムニバス構成 同じ俳優が3章でそれぞれ別の役を演じる という事前情報だと、今年同監督作の『哀れなるものたち』に比べると、大作感はないし、どうしても見劣りしがちだよね。実際、配給会社も、原題が『KIND OF KINDNESS』なのに、「あわれ」を邦題につけたのはあやかりたい意図だろうし。 ところがやはり、蓋を開けてみないと分からないもので、好みでいうと私はこっちの方が断然好き。3章の話それぞれが、気のきいたオチになっているし(既視感があ

          憐れみの3章

          ジガルタンダ・ダブルX

          上映館が少なく苦労したが、先週つくばの仕事の帰りに三郷の映画館で観teきた。かなり大箱にも関わらず、客は私含め3人程度。まだ、口コミで爆発的に客が広がってるとまではいってないよう。私自身は、インド映画としては初めてのジャンルという新鮮さと、メッセージ性が強いにもかかわらずアクション含めたエンタメも両立させた傑作と思う。しかも、よく考えたら本作はリアリティラインをかなり外れているはずなのに、不思議なリアルさがある。ジェシカ・チャスティンの某映画を想起させるラストは、現代だったら

          ジガルタンダ・ダブルX

          シビル・ウォー アメリカ最後の日

          アメリカの分断の状況から、「今起こるかもしれないシチュエーション」としての内戦を描いた映画ということで、非常に期待していた。私も好きな『アナイアレイション~全滅領域』の監督であるアレックス・ガーランドはしかし、アメリカのリアルな現実をそのまま反映させることは避けている。本作で対立するのは連邦政府に対し、カリフォルニアとテキサスの連合軍「ウェストフォース=WF」。現実には、カリフォルニアは民主党支持、テキサスは共和党支持の多い州で、両者が組むことは考えにくい。これは、イデオロギ

          シビル・ウォー アメリカ最後の日

          極悪女王

          地面師に続く、話題のNetflixドラマ。全日本女子プロレス(全女)の伝説のヒール、ダンプ松本こと、松本香を中心に、ライバルのクラッシュギャルズとの関係を描くドラマ。 時代的に私は知っている世代(年バレ)ではあるものの、当時は女子プロレスは見ていなかった。以前書いたように私の女子プロレスのスタートはWOWOWでやってたJWPなので、10年くらい遅れている。だから、ダンプ松本も、当時のバラエティ視聴者と同じ目線「なんか竹刀であばれるこわい人」といったイメージしかなかった。もちろ

          極悪女王

          鹿島沙希裏切りフラグ!?

          スターダム9.28後楽園大会にて、ゴッデス(タッグ)チャンピオンのテクラ・渡辺桃組に朱里・鹿島沙希組が挑戦します。プロレスといえば私は最近『極悪女王』を観て、めっちゃそれについて語りたいのですが、こちらの方が期日が迫っているため、急を要するということで、沙希に…いや、先に書かせていただく次第です。 何なのか。この一戦に向け、ものすごいフラグっぽい流れが出来ているように見えるからです。それは私だけでなく、多くの人がSNSなどで発言しているからそうなのでしょう。みんながそう思う

          鹿島沙希裏切りフラグ!?

          エイリアン:ロムルス

          血や怖いものが嫌いな私だが、エイリアンシリーズは何げに全部観ている。なんだったら、スターウォーズより好きかも、そんな感じである。 それぞれの監督作品はそれぞれ色が楽しめてよいと思っているが、その中で一番を挙げろと言われれば1である。だから、プロメテウスもコヴェナントも好きだし、リドスコ監督の続編が観たかったと思っているクチである。 そんな私が最新作ロムルス観てきた。結論から言うと、大変面白く、再見したいと思った。しかし、これは、シリーズを知らない初見者、若い人向けの作品と思う

          エイリアン:ロムルス

          地面師たち

          話題のドラマを、遅ればせながら(ほぼ)イッキ見した。本ドラマは実際に起きた地面師グループによる不動産詐欺事件を下敷きにしたフィクションである。モデルの事件と場所を変えていたり(五反田→高輪)、金額が微妙に違ったり、会社名もちょっと変えていたりする(積水ハウス→石洋ハウス)が、その他はわりと実名を使っていたりして、日本のドラマにしてはがんばっている。そして、実在の事件に基づいているということは、この詐欺は最終的には成功することが想定される。が、それでも、物語終盤で地面師達には思

          地面師たち

          ソウルの春

          この映画はパク・チョンヒ大統領暗殺後、チョン・ドゥグァンがクーデターで大統領になるまでの史実をもとにしたフィクションだ。ていきなりネタバレしてるが、だって史実だからしょうがないよね…韓国史にうとい私だって知ってるし。が、ご安心!たとえ結末が分かっていたとしても、そのスリルに引きこまれることうけあい。 ただ、通常のサスペンス映画と違う点は、ハラハラドキドキで、共感の対象が正義の側というよりむしろ悪のチョン・ドゥグァン側だということだ。なにしろ、クーデターを企てるものの、最初から

          ソウルの春

          5★STAR GP 2024 上谷沙弥×鹿島沙希について

          ども。最近刀羅ナツコ選手のインテリジェントぶりに感心しきりのbangaroです。今のSTARDOMはナツコ選手が動かしているといっても過言ではないし、インタビューなどからくる現状分析も実に的確。すごいね。 感心といえば、この試合です。私が気になる選手2人の対戦だから、という訳でもなく、現地(大阪、2024.8.20)にも行っておらず、配信で見たのみですが、試合全体を見て、「実によくできてるなー」と感心した次第です。 まず、上谷さんです。上谷さんは、ヒールターンしてH.A.T

          5★STAR GP 2024 上谷沙弥×鹿島沙希について

          STARDOM 5☆STAR GP @後楽園ホール 2024.8.15

          8.15に後楽園で開催されたスターダムの試合で観戦デビューしてきた。 前にも言ったかもだが、私のプロレス観戦履歴は東京ドームしかない。 そうすると、だいぶリングが遠くて、あまり迫力が伝わってこない。 一方、後楽園ホール。だいぶ近い。これは見やすい。今回の私の席は最前列より1ランク下の席だったが、実は南側2列めだった。ただリングサイドであればどこも近い。ただ、角度的にはリングはやや上向きになるし、向こうの方でやってるのは見にくい。一方スタンド席なら、上から見下ろすので、より見や

          STARDOM 5☆STAR GP @後楽園ホール 2024.8.15

          マミー

          この映画、表面上は、1998年に起きた和歌山毒物カレー事件において死刑判決を受けた林真須美死刑囚の冤罪可能性を追及する映画である。「表面上は」と書いたが、実際二村監督の本作における熱意を考えると、監督自身の意図はそこにあるのかもしれない。実際監督は家族や関係者に取材を重ね、証拠とされたものそれぞれについて合理的疑いが明らかになるまで細かく調査している。その結果‥特に監督や我々のように当時の直撃世代からすれば、「林真須美は実は無実!?」という疑いあるいは確信をいだくところで終わ

          ルックバック

          この映画は1時間しかない。が、鑑賞しての結論から言うと、まったく短かさを感じさせない。無駄な時間がないということなのだろう。情景を描写した場面がない訳ではない。が、そこはそこで画の美しさを楽しめる。もっとも、一番評価したいのはキャラクターの画だ。特に表情の表現がすばらしい。それが一番の成功要因と思う。 (※ここからネタバレ)ストーリーの方は、実は事前情報が少し入っていて、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にオマージュしているようなことが聞こえてきた(原作は未読

          ルックバック