劇場版センキョナンデス(鑑賞後見てください)

劇場版センキョナンデス、2回目をポレポレ東中野で鑑賞。鑑賞にあたって、このノートを書くにあたってメモをとることにした。それにはきっかけがある。月曜日に、SUPER DOMMUNEのセンキョナンデス特集があり、会場観覧に行った。そこのゲストは渡辺満里奈さん、片桐千晶さん、三輪紀子さん、すべて女性であること、ヒルマニア揃いであること。なので、それぞれ異なる視点から映画へのコメントを述べていて興味深かったのだが、特に、最後に登場した三輪さんの独自の観点が強く印象に残った。三輪さんが印象に残る人物として参院選の自民党候補の松川るいさんを挙げ、彼女が「自分は外交官である」ことを強調することについて、自身も外交官を目指していた立場から「それは9割男性という国会議員コミュニティにおいて、女性が生きていくための手段だ」と述べた。これは近い立場の女性でない私などには絶対持ちえない視点であり、多くの方がこの映画を観てそれについて語ることがいかに価値があるかという証左だろう。ちなみに三輪さんは「お二人にはマイケル・ムーアというより、ボラットのサシャ・バロン・コーエン」になってほしい。同じことを配信のコメントで言っていた方がいた」とおっしゃったが、それは私のことなので、とてもうれしかった。

閑話休題。そんな三輪さんは、映画を観て大量にメモした「三輪メモ」というのをとりだし、それを見ながらコメントしていた。まだまだネタがありそうだった。ということで、私もそれをやってみようと思った。長くなったが以上が前置きである。

さて、ここからはbangaroxメモを見ながら。まず、この映画が「映画」として成立している重要な要素として、「ナレーションを付けない」があると思う。この映画の元の素材は配信で、配信の場合、録画を見ながらお二人がその面白さについて解説してくれる。だがそれをそのまま映画でやったのでは、あくまで配信であって映画ではないだろう。劇場版は、ここをしっかり語りなしの映像の力で見せてくれている。単に絵だけで笑える箇所(初見の方も笑う箇所)は例えば、パレードの様子、四国新聞との追いかけっこ、選挙カー通る→平井さん乗ってない!、FAX回答のシーンなど。それ意外の少々コンテキストが必要な部分については、この映画は「前フリ」を入れている。例えば平井氏の「パレード」について。ちゃんと最初に鹿島さんの「今日パレードああるらしい。すごいんだろうな」というフリを入れている。そうしておいて、実際のパレードを見せて、あまりにしょぼいので笑わせる。実はこのフリは配信を既に見ているマニア(ヒルマニア)には別の効果があって、マニアはこの前フリが出た段階で、後に置きることが分かっているので「そら来た!」と笑う。そしてパレードのシーンでまた笑う。これは、『カメラを止めるな!』で、初見の私が、なんでここでみんな笑うのかわからなかったが、2回目の鑑賞で分かった、ということと構造としては同じ。だから、1回見た方は、2回めで、フリのところで笑えると思う。

より映画を楽しみたいなら、大島新監督の『香川1区』を鑑賞するのをお薦めする。実は『香川1区』と本作の前半は同時期に撮られているだけでなく、完全に表裏の関係になっている。選挙終盤でなぜ平井陣営が、撮影妨害や事務所内での取材を拒むのか、その原因は『香川1区』で語られているし、実は同じようなことが起きている。また、登場人物についてもそうで、小川さんの公設秘書の坂本さんが出ているが、「香川1区」の方では準主役なので、「あーあの坂本さんが」ってなる。

あと、今観てみると、多くのことが現在の社会情勢につながっているのがすごい。先の自民党の松川さんに、岸田首相の印象について訊くシーンがある。松川さんは、「(岸田首相は)意外とやってることがキツい。結構ハト派のふりしてタカ派」とコメントしていたが、今の首相の行動をうまく言いあてていると思う。ちなみに松川さんは、「自民がやれば自民もよくなる」と語っていた。「よくなる」ってことは、今はよくないと思っているんだろう。IRに対する立場は必ずしも支持しないが、松川さんは確かに何かやってくれるかもしれない。
それと、やはり立憲と維新の関係だ。参院選の時は、菅直人さんが反維新の立場で大阪に乗り込んできて、二人もそれを取材しているのだが、終盤になってくると菅さんに(維新と)闘うリベラルについて訊こうとすると、誰かが邪魔をする。菅さんだけでなく泉代表についてもそうだ。立憲が維新と共闘をうちだした今この時(23年2月)になってみると、「そういうことか」と膝をうつことになる。

といったところ。あとは、細かい点で見てほしいことなどを。

  • 鹿島さんのラコステのワニシャツ率が高すぎ。香川に行った時以外でも、ヒルカラナンデスjの切り取りの時も2,3回ラコステだったし、大阪の時も少なくても1回着てた。

  • 辻元さんの取材の時に有田芳生さんが一瞬うつっている

  • 平井パレードの途中に、「香川1区ナンデス」の配信会場であるRIZINがうつっている、というか、明示的に撮っている。

  • 7月8日の松本創さんへのインタビューの場には、亀石倫子さんも後から参加したはずだが、亀石さんのシーンはカットされている。

  • 二人が最初に食べたうどん点「さか枝」は、私も朝食べに行ったことがあるが、さぬきうどんブームの火付け役になった本「恐るべきさぬきうどん」にも掲載されている由緒ある店?である。

まだまだ見逃していることはありそう。3回目鑑賞した時にまた。

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