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#4 【研究】学術論文の情報収集方法

 本記事では、素材メーカー研究職で社会人博士課程に進学している私が、手早く最新論文を収集する際に使用しているツールをご紹介したい。​なお、メーカー研究職にとっての学術論文を読む重要性については、下記記事を参照されたい。

1.Inoreader

 最新の論文をチェックするために、定期的に各ジャーナルのWebサイトにアクセスするのは大変骨が折れる作業である。長く続けられる気がしない。しかし幸いなことに、一般的なジャーナルはrssフィードを提供しているため、私はrssリーダーの一つである「Inoreader」で論文をチェックしている。読みたいジャーナルのrssフィードを登録するだけで、最新論文がInoreaderに自動的に追加される。Inoreaderを立ち上げるだけで、一度すべてのジャーナルを確認することができるわけだ。
 Inoreaderのインターフェイスも洗練されている。未読件数が表示されるため、コツコツ確認するモチベーションにつながる。また、一覧にTable of Contentsが表示されるため、一目で何の論文か分かる。そのため、無関係の論文をわざわざリンク先に飛んで内容を確認する手間を省くことができる。
 私は関連分野のジャーナルを3つ、材料系のインパクトファクターが高いジャーナルを2つフォローしている。(その他は下記のGoogle Scholarのアラート機能でカバー。)Inoreaderを使い始めて1年半くらいになるが、平日Inoreaderを立ち上げるのが習慣となり、論文チェックするのが全く苦で無くなった

2.Google Scholarのアラート機能

 もっとも一般的な論文検索サイトであるGoogle Scholarには、アラート機能が存在し、私も使用している。知りたいキーワードを事前に登録しておくと、そのキーワードに関連した最新の論文が定期的にメールアドレスに配信される。配信頻度と一回当たりの配信件数を調整可能。普段読まないジャーナルに掲載された関連分野の論文を効率的に集めてくれる&普段のメール確認のように気軽に論文チェックできるため、非常に重宝している。
 一点惜しいところは、Google Scholarのアラートの受信方法をrssに変更できないこと(メール受信のみ)。本音を言うと、論文チェックはすべてInoreaderに統一したい。

3.その他(Slack)

 私が社会人博士課程で所属している研究室では、Slackを使用して研究室運営をしているチャンネルの一つに「#paper」があり、学生たちが興味深い論文を自主的に他メンバーに共有している。各々の興味の範囲が異なるため、共有される論文の内容も多岐に渡っており、大変刺激になる。
 Slackでの情報共有の良い所は、返信機能やリアクションで気軽にコメントでき、議論が活発になる点だと考える。私が会社でメールベースで情報共有をしても、誰からも何の反応も得られないことが多々ある。メールはきちんとした文体で書かなければならないという潜在意識があり、個人的な所感を全体メールで返信するのはハードルが高いからかもしれない。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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