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わたしたちは沖縄のことどのくらい知ってるのだろう

ロシアのウクライナ侵略は終わる気配がありません。

領土や覇権争いっていったいなんだろう。

そんな今出会った本が「宝島」直木賞受賞作です。

日本が敗戦した後、沖縄が本土復帰する頃までの話。もちろん完全にフィクションで小説には違いないのですが、沖縄で実際に起きた事件などの描写も含め、領土問題で戦争となっている遠いウクライナに関心のある私達は、広大な米軍基地を今も抱え、日々様々な問題と直面している沖縄のことを果たしてどのくらい知っているのだろうかと思わずにはいられない作品でした。

終戦間近の沖縄は日本で唯一地上戦の戦場となった地です。多くの沖縄県民が亡くなりました。いまでも時々NHKなどの特集でその頃の沖縄のことを伝えていることもありますし、修学旅行でひめゆりの塔などに行くことがあれば話を聞くこともあるでしょう。辺野古や普天間の基地の返還問題に対して取り上げられれば、大変だなって思うこともあるでしょう。

でも本を読んで私は沖縄のことを何も知らないんだなって思いました。

沖縄から見た本州、日本国のこと。

沖縄から見たアメリカのこと。

沖縄から見た台湾や香港、韓国などのこと。

普通に生活している人とはかけ離れている世界を描いた話なのかもしれませんが、少なくとも実際に沖縄では米兵による事件があとを絶たないことくらいは私達も知っています。

米兵は基地に逃げ込めば治外法権となり、本の中の言葉を借りれば、「ならずものの寄せ集めである海兵隊」がいかに残虐でありえない行為を行ってきたかの真偽はともかくとして、心に響いた言葉がありました。

「アメリカっていう国は戦争をしていたい国なんだ」

いろんな意味でいまの私には響いた言葉です。

アマゾンAudibleの会員であれば聴き放題(無料)で聴くことができます。

ナレーターの声音に関しては、まあ程よい感じです。

時々沖縄の歌や踊りが入ることがあるのですが、その辺りだけ「?」な部分はありますが、最後まで途切れることなく聴き続けることができました。

お勧めです。


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