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旅館業界のタブーに挑む: ヒルトンCMの衝撃と必要な変革

今回のニュースを見たい方はこちらの動画をご覧下さい。
https://youtu.be/KU2VAKJNmco?si=qnZpnJkXLTpGK5WK

ヒルトンCMの衝撃

ヒルトンの公式YouTubeチャンネルに掲載されたCMは、日本の旅館業界に波紋を広げました。CMは、早口のおかみが細かく指示を出す旅館のシーンと、コンラッドホテルでの柔軟な対応を対比させ、旅館のサービスを暗に批判する内容となっています。

日本市場の特殊性とサービスの課題

このCMは、日本市場の特殊性を浮き彫りにしました。日本の旅館業界は、独自のサービス文化を持っていますが、時には顧客をイライラさせることも。このCMを批判する声が多くある一方で、同じような経験を持つ人も少なくありません。私は業界の裏側を知っているため、その理由が理解できますが、上げ膳据え膳のサービススタイルは、これからの時代に変化を求められるでしょう。

1泊2食の問題と収益性

日本の旅館が抱えるもう一つの大きな課題は、1泊2食の形態です。このシステムにより、本来別々に取るべき部屋代と食事代が合算され、割引が求められることで収益性が低下しています。過去には泊食分離を試みた宿も多いですが、多くは失敗に終わっています。

変革の必要性とリスク

増税大増税時代において、収益性を高めるための改革は必要不可欠です。しかし、大きな変革は集客力の低下を招くリスクもあるため、慎重に進める必要があります。旅館業界におけるサービスの質は高く評価されていますが、時代の変化に対応し、持続可能なビジネスモデルを確立することが今後の課題と言えるでしょう。

粗利益率の向上に向けて

経営の改善には、粗利益率の向上が欠かせません。特に旅館業においては、粗利益=宿泊関連売上 - 食材原価の式が基本となります。これに人件費、送客手数料、水道光熱費などの販管費が加わります。しかし、旅館業では人件費を削減するとサービスの質が低下し、食材原価を減らすと料理の質が落ちるというジレンマがあります。

当社が取り組んでいるのは、食材原価を過剰に増やすことなく、高品質な料理を提供する方法です。手間、知恵、そして創造的な発想を活かして、料理の質を高め、それによって宿泊料を上げることで粗利益率の向上を目指しています。このアプローチは、多くの旅館で成功を収めており、顧客満足度の向上と収益性の両立が実現しています。

今後も、このような革新的なアプローチを通じて、旅館業界に新たな価値を提供し続けることが、私たちの目指す方向です。粗利益率の向上は単に数字上の改善にとどまらず、お客様に提供するサービスの質を高め、業界全体の発展に寄与することに他なりません。

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