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REUSE〜不要な夫買い取ります〜【第二話】マザコン男③


香は土司子に不倫を疑われたが、
不倫の証拠写真が、合成であるとわかり香の疑いが晴れた次の日

権太の母である土司子が急死した。

香『昨日あんなに元気だったのに...』

権太『母さん... 母さん... 嘘だろ...』

権太は嗚咽し、顔をぐちゃぐちゃにさせながらその姿はまるで子供のようだった。

漠はまだ寝ている様子だ
漠にどう伝えようか。

病院から電話があり、死因はオーバードーズと特定された。

よく自分で命を断つ時に使われるやり方だ。

権太はすぐ、父である誠一に連絡をした。

すると1コールで誠一が出た。

誠一『権太か』

権太『父さん!母さんどうしたんだ!何か知ってるか!』

誠一『話さねばならぬことがある。後で行ってもいいか』

誠一はそう言うと、すぐ権太達の家に来た。

権太『何か知ってんだろ!早く話せ!』

誠一『まぁ、落ちつきなさい』

そうすると、誠一は俯きながら、目には涙を浮かべ話した。

誠一『実は土司子は精神を患ってたんだ。10年前からな、権太達には心配をかけてはいけないとずっとだまっていた。すまなかった』

権太『精神病ってどういうことだよ、何もおかしくなかっただろ!?』

誠一『権太には見せなかったのかもしれない。家では暴力が凄かった。また寝たきりのときもあったよ。でもずっと土司子は認めなかった。ワシが無理やり精神科に連れてってな、重度の双極性障害と診断されたよ』

権太『それと、母さんの死の何が関係あるんだよ』

誠一『処方された薬を大量に飲み続けたんじゃ、昨日パニックになってな、そしたら処方の薬だけじゃなくあれやこれも飲み始めてたみたいで、ワシが気づいた頃には母さん泡吹いて倒れとったわい』

権太は目の前が真っ白になったが
誠一は話を続ける

誠一『昨日、母さんが香さんにひどいことをしたそうだな。香さんすまなかった。どうか責任だけは感じないでくれ。』

香『いえ、、そうは言われましても』

香は不倫はしてなかったようだが、疑われたことで土司子がパニックになり命を絶ってしまったことから責任を少し感じていた。

誠一『とにかく今回は、土司子が自分勘違いしパニックをおこしたことだから君たちは何も悪くない。すまんが、明後日のお通夜と3日後のお葬式だけは参列してやっておくれ』

誠一は、タムパ(タイムパフォーマンス主義)のため、要点だけ伝えると、出された緑茶をすぐ飲み干し、自分の家に帰っていった。

香『お義母さんどうして、、そこまでされなくてもよかったのに』

香はそう言う権太の背中に手を当てそっと撫で下ろした

権太は憔悴し、顔がぐちゃぐちゃになっていた所優しく香は話しかける

香『直接のことではないといえ、私が誤解されたところから始まったのは事実だから、ごめんなさい。あなたの大切なお母さんをこのようにさせてしまって。ただ、これからあなたを一生どんなことがあっても支えていきますので、あなたは健康でいて下さいね』

聖母マリアさまのようにそう話しかける

権太『違う』

権太は嗚咽の声から急に豹変し声色をかえる

権太『お前がやったんだろ、母さんを』


パート④へ続く

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