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詩だけを抜き出したマガジン

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創作を雑多に入れていたマガジンから「詩」を抜き出して読みやすいようにします。
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記事一覧

梅干しの詩(仕事で没になった詩の供養)

大賞狙いではありませんが、枯れ木も山の賑わい。 詩を売ってるんで没詩の供養を。    南…

入り江わに
22時間前
5

死者の呪縛

親は子に 我知らず呪いをかける 特に逆縁では 遺された兄弟姉妹に 兄は賢かった 姉は美しかっ…

入り江わに
7か月前
8

青に眩む(ぬまづ文芸2023入選)

雲ひとつない青空は 誰の目にも同じ色 ではない 名前のある青 名前のない青 打ちのめされて…

入り江わに
9か月前
3

伝言を手紙に

梅雨のひぬまの夕間暮れ バイクの音で突然 あ、従兄の三回忌 そろそろ過ぎた頃じゃないか …

4

実るもの

春は一面のれんげの花 こどもたちは花冠をつくり 首飾りをつくり 遠くへ もっと遠くへと あっ…

6

ネクタイを買う

ネクタイを買った 最初は父に 父の日のネクタイ 派手好きな父が 好みそうな配色を ネクタイの…

1

実るもの

春は一面のれんげの花 こどもたちは花冠をつくり 首飾りをつくり 遠くへ もっと遠くへと あっちの方が花が多いよと おおーい そっち行くなぁ 農家のおじさんが呼びかける 用水路があるから危ないぞぉと 遠くのれんげはなぜ呼ぶのだろう 遠くのれんげはなぜ濃いのだろう ある日農耕機がれんげの花畑にはいり れんげの花々を掘り返す 力強く 花のじゅうたんをひっくり返す 花畑の遊びはおしまい 村のこどもたちはみな知っていること 一面に真っ黒な土 もうそこは入ってはいけない場所 水

愚者~タロットより~

若者は愚かなのではない 経験が足りないだけ 晴れた空を仰ぐことができる 小鳥と話すことがで…

4

心が折れることを考えもしない傲慢な世界では助けを求めて叫んでも自助努力と谺するだ…

昔…自分が空想好きな子どもだった頃。 自分がもし、体が不自由になったらどうするか考えたこ…

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うつを食い物にするやつら

うつ病患者のケアを謳う会社が うつを川柳にするってよ 賞金十万円出すってよ 川柳が並ぶ 技…

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ひこうき雲

私たちの権利は しあわせになること 権利は容易に剥奪される 焼け野原 爆撃 日本の老人が涙を…

7

それ演歌じゃないか

歌を聞いて泣くお前が また泣き出して 泣きながら言うには アタシ死なないから アンタより先…

終末まで何光年

私は空に星を飾る 見えないのは光が弱いから そこにある ただそこにある 星は残る きっと 誰…

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無限階段

降りることを許されたものだけが 階段を降りることができる 一段ずつ 上って上って 踊り場で見上げると その先にまだ上へと 続く階段がある 躓かないように 足元を見て 階段を上っていく 見上げると階段 階段の横には 雑草のスロープ その下には窪地に公園 保育園児が遊んでいる 階段にまだ上らない子ら 降りることを許されないものは また階段を上っていく 少しうねりながら どこまでも上る階段 私は階段の下にいる 公園の日陰は凍るように寒い 日なたでは園児が遊んでいる 降