見出し画像

臨床思考力が上がる!3つのフラッグの話

こんにちは!
整体師/パーソナルトレーナーのうしくぼはやとです。

皆さんは、レッドフラッグをご存知でしょうか?
ご存知ではない方は、こちらをチェックしてみてください!

このnoteは5分くらいで読めます。

今回は意外と知られていない「イエローフラッグ」「グリーンフラッグ」「ブラックフラッグ」についてお伝えしていきます。


「イエローフラッグ」「グリーンフラッグ」「ブラックフラッグ」は、特に医療や心理学の分野で患者の状態やリスクを評価するための指標として使われる概念です。それぞれが患者のリスクや問題のレベルを示す役割を果たしています。

1. イエローフラッグ (Yellow Flag)

イエローフラッグは、心理社会的要因に関連する問題を示します。特に、慢性的な痛みや症状の悪化に影響を与える要因がある場合に使われます。これには以下のような要因が含まれます:

  • ストレスや不安:日常生活や仕事に対する強いストレスが、痛みや不調を悪化させる可能性があります。

  • ネガティブな信念:患者が「この痛みは治らない」とか「手術しか解決策がない」といった誤った信念を持っている場合、回復が妨げられます。

  • 不安や抑うつ:精神的な状態が痛みの感覚を増幅させる可能性があるため、心理的ケアが必要です。

  • 社会的な支援の不足:家庭や職場でのサポートが不十分だと、痛みの管理が難しくなることがあります。

特にネガティブな信念が強ければ強いほど、介入成績は低い状態です。相手が治らないと信じ込んでいる場合は、なぜその思考に至ってしまったかなど徹底した傾聴とヒアリングが必要となります。

2. グリーンフラッグ (Green Flag)

グリーンフラッグは、リスクが低く、通常の治療やケアで回復が見込める状態を示します。例えば、急性の腰痛などが典型的で、以下の特徴が含まれます:

  • 回復傾向が良好:症状が順調に改善しており、特別な介入が不要な場合。

  • 心理的な問題がない:ストレスや不安が少なく、痛みを適切に管理できている。

  • 積極的な治療への姿勢:患者が前向きに治療に取り組んでおり、信頼関係が築けている。

グリーンフラッグを立てられるか、イエローフラッグに移行しないように注意ができるかをコントロールすることがセラピストの役割と考えています。

3. ブラックフラッグ (Black Flag)


ブラックフラッグは、社会的・環境的な要因が問題となり、治療の進行を阻害している場合に使われます。具体的には、以下のような状況が含まれます:

  • 労働環境の問題:職場での過度な労働負担や、職場の理解が不足している場合、治療が進まない可能性があります。

  • 法的・経済的な問題:例えば、労災や保険に関するトラブルがある場合、治療に影響が出ることがあります。

  • 家庭内の問題:家庭環境が不安定で、回復のためのサポートが得られない場合も治療が難航することがあります。

こちらは保険領域や自費領域どちらでも見られ、特に身体的な問題が多い場合は、労働環境が関係している場合が強いです。例えば、長時間労働や人間関係、職場の配置による身体的ストレス増加などが起こり、身体に悪影響を与え、回復を阻害していることがあります。第三者がこの部分に介入することは難しいですが、本人の意識を変えることができれば長時間労働の調整、職場の配置転換を打診するなどポジティブな方面へのアプローチをすることが必要です。

いかがでしたでしょうか。
自分が現場に立った時は、相手にどのフラッグが立っているのか、どのフラッグの要素が強い人なのかを必ず初診から確認しています。この分類分けをすることで問診や声かけの方法などを変えています。ここを変えることで、相手に合わせた施術や声かけができるため、取り入れることで患者さんへの寄り添い方も変わります。ぜひ、やってみてください!

まとめ

  • イエローフラッグは心理社会的要因が原因で回復が難しくなる可能性がある場合。

  • グリーンフラッグは、問題が少なく順調に治療が進むと期待される場合。

  • ブラックフラッグは、社会的・環境的な要因が障害となっている場合。

これらの概念は、特に慢性痛の治療やリハビリテーションにおいて、患者の問題の根本的な原因を把握し、適切な治療方針を立てるために非常に役立ちます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?