映画 月 ~障害者施設殺傷事件がモチーフ

相模原障害者施設殺傷事件を覚えていらっしゃるだろうか?
2016年の7月、施設の元職員が刃物で19人を刺殺したした事件。
その事件をモチーフにした映画です。
この映画が気になっていて、先月みてきました。

ひとことで言うと、
人間の本質的な部分に踏み込んだ映画でした。

私とこの犯人、同じ立場の人間です。
障害者入所施設の元職員
なので自分に矢印を向けてこの映画をみることができました。

障害者福祉の仕事
低賃金で、過重労働。
私が働いていた15年前の記録では、
月4回宿直勤務込みで、手取り16万2000円。
休みになっている日も出勤を求められ10連勤はザラにありましたし、
3連休なんて年に2回ほど
下の世話もあれば、粗暴行為を受けることも日常茶飯事

おそらく犯人も同じような条件、環境で働いていたのではないかと推測しています。

映画でも犯人役のさとちゃんは、最初はむしろ障害者に寄り添っていました。
ですが、徐々に考え方が変わっていき、過激な思想を持つようになります。

人間、ストレスが過剰になってくると、知らず知らずのうちに思考が偏ってくるんでしょう。

私も当時よく考えていました。
「この人にとって幸せとはなんだろう?」
「この仕事をしている私は、今幸せなんだろうか?」

なので、やったことは絶対悪ですが、犯人の葛藤する気持ちの部分では、理解できることが少なからずあります。

犯人が感じていたことは、障がい者支援にかかわる者には必ずつきつけれらる問いなんだろう。

「人が生きる意味とは?」
「人の幸せとは?」

人間は都合の悪いものは、みようとしない。隠そうとする。排除しようとする。

だけど、障がい者支援の仕事をしている限りは、葛藤する自分とずっと向き合っていかなければならないんだろう。







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