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支払いさせてくれない先輩から学んだこと

色々ありながら10年以上教員を続けてこれたのは、色々な人の支えがあったからこそ。

そのうちの一人
年に数回、必ず連絡を取ってお会いする先生がいます。
もう10年近くのお付き合い。ひと回り上の男性。(以下K先生)

教室や職員室を明るくて、温かい雰囲気にしてくれる、一緒にいて心地の良いK先生。
これでもかというくらい助けてもらいました。

K先生とのエピソード
とある個人情報の入った書類を、あろうことか別の生徒に渡すというやらかしをしてしまったことがありました(汗)

生徒の自宅へ管理職と学年主任のK先生、やらかした私と3人で謝罪に行きました。
生徒の父親は烈火の如く怒鳴り散らす。
我々は男3人で平謝り。

10分以上謝り倒して、最後には「一定の誠意は伝わりした」と許してもらえたのですが、
その後、管理職からK先生への説教が始まってしまいました。
「なんでチェックしてなかったんだ。主任がチェックすべきだろ。」
「再発防止の仕組みを早急に作ってくれ。」

悪いのは完全に私なのに。。。
保護者に加え、管理職にも。K先生は2度も頭を下げることに。

そのあと、K先生から
「ちょっと時間ある? この後なんか食べに行かない?」
CoCo壱カレーに行くことに。

私のやらかしに触れることは一切なく、
仕事の話、趣味の話、たわいも無い話を小一時間。

支払いの時に、私の分も払ってくれようとするK先生に一言
「今日は払わせてください。私の気が収まりません。」

「それはだめ。わしが払う。」
私が少し抵抗すると、さらにK先生
「どうしても払いたかったら、誰か後輩に奢ってやって」

この出来事から数年後、「恩送り」という言葉と出会いました。
恩返しではなく、「恩送り」
親切をしてもらったら、それをその人に返すのではなく、他の人に返すこと。

K先生の顔が思い浮かびました。

人はえてして、恩を受けた人にそのお返しをしようとする。
でも、恩送りという言葉を知ってからは、頂いたご恩を他の誰かに返すことを意識するようになりました。

きっとその方が、いい世の中になる。

親であり、教員である私ですが、
子育てや教育なんてきっと恩送りそのものなんだろう。

親からもらったものをこどもに渡す。
先生から受けたものを生徒に渡す。

世代間のバトンパス。
せっかくなんで、より良いものを渡したい。

我が子には、より深い愛情を
生徒には、より良い教育を
後輩には、より働きやすい職場を
これからを担う世代には、より良い世の中を

ちょっとした心がけが、きっと明るい未来につながっていく。
半沢直樹の「倍返しだ!」もカッコいいけど、
「倍送り」も素敵ですね。








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