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【キリストの幕屋】エルサレムと日本の意外な関係

イスラエル南部の砂漠の中にあるキブツに滞在していた時の話。

外国人がボランティアできる場所はいくつかある中で、そこのキブツに送られたのには訳がありました。

なんと、日本と意外なつながりがあったのです。

(いつにも増してマニアックな話になります)


■これまでのキブツの話


ネゲブ砂漠の中にあるキブツへ

「どこのキブツでも、どんな仕事でもいいので、今すぐ働けるキブツに行きたいです」

2014年、テルアビブのセンターで、そんな風に伝えて決まった行き先は、ネゲブ砂漠の中にあるキブツ。

キブツでボランティアする人は流動的なので、どこで働くかはイスラエルに入国し、キブツを管轄するセンターに行ってからでないとわかりません。

センターについてから、現在新たなボランティアの受け入れをしているキブツの中から希望に合わせて滞在先を選びます。

例えば希望が北部で、北部のキブツに空きがなかったら、テルアビブで待ったりすることもあるそうです。

私の場合、キブツというコミュニティ自体に関心が合ったし、時間が限られていたし、とりあえずどこかのキブツに行きたかったのです。

「うーん、ここのキブツなら、日本人が一人住んでいるしいいんじゃないかな」

そういって勧めてもらったのが、砂漠の中にある小さなキブツでした。

当時そこに住んでいた、イスラエルの方と結婚し、キブツに住んでいる日本人女性にはものすごくお世話になり、お子さんも含めていろんなところに連れて行っていただきました。

その時は、自分の将来、国籍の違うパートナーと異国で暮らすことになろうとは全く思っていませんでしたが、文化を超えて家族を作り、異国でたくましく生きる母の姿に(しかもご本人も闘病中でした)、尊敬の念を抱いたのを覚えています。

「こんな素敵な人と出会えたし、ここのキブツにきて良かった」

そう思ったていたところ、キブツの開拓に関わったベテランのおじいさまと知り合い、お話をしていた時に興味深いことを聞きます。

「日本人!昔はよく日本人が訪ねてきたんだよ。マクヤの人が来たんだ。あなたもマクヤの人ですか?」


「あなたもマクヤの人ですか?」

いえ、申し訳ないのですが、マクヤは初耳でした。(マコヤみたいにも聞こえたので、マクヤ?マコヤ?と混乱したのを覚えています)

「まあいいから、今度うちに遊びに来てみなさい。マクヤの話をしてあげる」

そう言っておうちにお招きいただいたので、興味本位に遊びに行きました。

おじいさまのお家でご飯をごちそうになりながら、マクヤの話を聞きました。

どうやらテシマさんという方のお弟子さんが、このキブツで学びに来て、ヘブライ語を学んだとか。

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そして、そのお弟子さんたちが、おじいさまに団体の冊子を渡していったそうです。

イスラエル(とりわけエルサレム)とのつながりを重視しているらしく、彼らは元気だろうか、と話すおじいさまが印象的でした。

「本を貸してあげるから読んでみていいよ。」

そういわれたのでお言葉に甘えて、家で冊子を読んでみることにしました。


うーん、マクヤ。新興宗教?
(ここで初めてマコヤではなくマクヤであることを知ります)

ここにきて、キブツと日本のつながりの一端を知ります。


キリストの幕屋とは?

名前が分かったので、日本語でもネットで調べてみると、どうやら「キリストの幕屋」というそうです。
(なんとなく団体リンクを張るのをためらわれるので、気になる方は検索してみてください)

第二次世界大戦後、手島さんという方が始めたキリスト教の一派とされていますが、旧約聖書を重視したり、ユダヤ教の祝日を祝ったり、シオニズム思想があったり、キリスト教としては異端とされているようです。
国連でシオニズムが人種差別的思想であると非難された際には、反対の署名を行っています。

(貸してもらった本にあったWikiや団体のサイトに載っている手島さんと同一人物だと思われる方がPROF. ABRAHAM I. TESHIMAとして書かれていました。)

英語でも調べてみるとJapanese Zionism Sectとか書かれているものも…

戦後に生まれた右寄りの思想を持った団体のようで、
日本会議の構成団体!?(新しい歴史教科書を)つくる会のメンバーの大半を占める!?


調べてみると恐ろしくなってきました。


―――思わぬところがつながっているものだな、、


マクヤの人ですか、と思われたことに少し身震い。(まあ、わざわざキブツに来る物好き?な日本人は少ないしな。とも思いつつ)

現在のポーランドのあたりで生まれたというおじいさま。詳しい話は聞いていませんが、ホロコーストに関する体験もしている方だと思います。

彼にとって日本といえば、イスラエルに友好的なマクヤの人たち…。

この後もそのおじいさまとは仲良くさせていただきましたが、なんだか複雑な想いをしたものです。


マクヤは、イスラエルでそれなりに知られている

本当にマクヤは初耳だったので、他のイスラエル人の友人にも聞いてみたのですが、名前を聞いたことがある人は少なからずいるようです。

特にエルサレムで学生をしていた人は、彼らのマーチを目撃したことがある人も。
(どうやらエルサレムにセンターがあるらしい)


キブツを去ってからは、人生でマクヤの名前を聞くことはありませんし、すっかり忘れかけていましたが、貴重な体験だったのかもしれない、と備忘録的に書きました。
(もしヤバイところがあったら消します)


それでは。


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